翌週に関東大学対抗戦の帝京大戦を控える早大は、肌寒さを感じるこの日、関東大学ジュニア選手権、総当たりの最終戦を迎えた。対するは、慶大B。試合序盤は張り合う展開が続くが、19分、CTB平田楓太(スポ4=福岡・東筑)のトライで早大が先制点をものにした。その後は幾度もピンチを迎えるが、FW陣の粘りで見事に回避。早大の1トライのみで迎えた後半は、SO守屋大誠(政経2=東京・早実)のショットで得点するものの、タフな試合を強いられる。終盤に粘りを見せた早大Bであるが、好機を生かせず10-14の黒星で本リーグを終えることとなった。
前半は、慶大ボールでキックオフとなった。開始早々から、次々とゲインラインを突破する早大B。所々で細かなミスが相次ぐものの、徐々に敵陣でのチャンスをつかむ。すると18分、敵陣右22メートル内でのマイボールラインアウトからフッカー安恒直人(スポ2=福岡)がボールを持ち出し前へ。
守屋の鋭いパスからBK陣がパスを刻み、左際でゲインを切ったWTB磯崎錬太郎(商3=徳島・城東)のすぐそばへ平田が駆け寄ると、そのまま先制トライを挙げた。直後には守屋が左際から冷静にコンバージョンゴールを沈め、得点を7-0とする。
以降は、シーソーゲームの展開に。慶大Bのモールでゴール直前に迫られるシーンも見られたが、FW陣の我慢強さでピンチを回避。両校共に耐え凌ぎ、7-0の早大リードで前半を折り返した。
後半に入るとすぐに、ノットリリースザボールの反則から早大Bはショットを選択。22メートルの中央付近から守屋がPGを成功させ、3点を追加した。直後には、ロック藤井将吾(スポ3=大阪・早稲田摂陵)のキックチャージからインゴールに近づくが、ノックオンで惜しくもグラウンディングとはならなかった。
慶大Bに反撃のトライを挙げられたのは12分。ラックサイドを突破した慶大Bに失点を許し、点差を3とされる。22分にもディフェンスの綻びを突かれ、被トライ。粘り強い相手ディフェンスを崩すことができず、「自分たちがしたいラグビーができなかった」(守屋)。
終盤まで攻守共に粘りを見せたが、得点を奪い返すことができないまま、最終スコアは10-14に。春のリベンジを果たせず、僅差での悔しい敗戦となった。
後半は慶大Bのブレイクに苦しめられ、無失点に抑えられてしまった。しかし、悲観してばかりではない。ロック細川大斗(社3=東京・早実)や藤井の相手キックのチャージに挑む集中力の高さ、フランカー植野智也(法4=東京・早実)の突き刺さるタックル、平田の安定したキックなど果敢に攻め入る姿勢が多く見られた。「ごくわずかなチャンスをどれだけ生かせるか」という藤井の言葉のように、今試合を通して得点の決定力にはまだまだ改善が求められる。試合を終え、ゲームキャプテンを務めた平田は「80分間やり通せるようなスキルとメンタルの部分をチーム全体として伸ばしていかないといけない」と厳しく評価した。後半戦となる秋シーズン、全体の連携に磨きをかけ、決勝トーナメントこそは全員がこだわる『一勝』をつかみ取りたい。
文=谷口花 写真=川上璃々(早稲田スポーツ新聞会)