平素より早稲田大学ラグビー蹴球部に温かいご声援をいただきありがとうございます。
「WASEDA FIRST」のスローガンのもと、伊藤主将率いるこのメンバーで、大学日本一、そして荒ぶる獲得につながる日々を過ごして参ります。
インタビュー企画のラストは、3季目のシーズンを迎える大田尾竜彦監督へのインタビューとなります。
早稲田スポーツ新聞会の協力のもと、昨シーズンの悔しい敗北を経て、今シーズンに向けた意気込みを聞きました。ぜひご覧ください。
<大田尾竜彦監督インタビュー>
――昨年は監督に就任して2年目のシーズンとなりましたが、一昨年と比べて重点的に取り組んだことや工夫したことはありましたか。
戦術、戦略の面はもちろん、チームで育まれる主体性や協調性というチーム作りの面に重きを置き、より意識して取り組みました。
――相良昌彦前主将(令5社卒=東京サントリーサンゴリアス)が率いたチーム、監督の目にはどう映りましたか。
全員が昌彦に自身の意見をぶつけられていたように思います。コミュニケーションの量が非常に増えた印象がありました。4年生たちの中で、それぞれのポジションにおいてリーダー格の選手が多く、チームワークに長けた代だったと思っています。
――様々な選手がインタビューの中で12月18日の早明オープン戦が大きな転機だったとおっしゃっていました。大田尾監督はこの試合をどのように見ていましたか。
大学選手権(全国大学選手権)の早明戦を控えている中での実施だったため、正直なところ試合前は結果に関して不安な部分がありました。ただ蓋を開けてみると、この試合がチームにとって非常に大きなターニングポイントになったのは間違いありません。本当の意味で4年生たちの心の奥にあった熱い気持ちが聞けたというか、それを言葉だけではなく、プレーで示してくれたことで、全部員が元気と勇気をもらったように思います。結果としてチームがさらにまとまることができたと感じるので、非常に意味のあった試合だったと思います。
――改めて、大学選手権決勝の結果をどのように受け止めていますか。
非常に大きな点差をつけられて敗北を喫しましたが、よくよく試合を振り返ってみた時に、手も足も出ない状態だったかというと決してそうではなかったと感じています。もう少し早稲田側が自身に対する厳しさを持ち、より精度高くプレーできていれば結果は変わったかもしれません。終わった直後はショックを受けてしまう点差でしたが、あの結果が昨年のすべての歩みを否定することは絶対にない、というのが今の率直な感想です。
――新チームが始動して約2ヵ月。チームの雰囲気はいかがでしょうか。
今はチーム全体のモチベーションが高く、非常によい状態だと思います。
――伊藤大祐(スポ4=神奈川・桐蔭学園)選手を主将に選出した理由を教えてください。
4年生間の話し合いで大祐への票が多かったというのもありますが、明日もし大会が始まるとしたら、岡﨑(颯馬、スポ4=長崎北陽台)や永嶋(仁、社4=東福岡)のほうがリーダーとしてはいいのかもしれません。しかし10ヵ月後、チームが成長できるようになっているためには、主将はおそらく伊藤だろうと。本人も「自分が変わらないといけない」という思いが強いですし、伸びしろは一番あると感じています。伊藤は世代を代表する選手のひとりだと思いますが、正直まだまだ潜在能力だけを活かしてプレーしているように映ることがあります。そこに責任感やリーダーとしての意識が芽生えた時に爆発的な成長を見せてくれるだろう、そういう期待も込めて、主将には伊藤しかいないと思いました。当然苦しみはするでしょうし、なぜ主将を引き受けたのかと悩む時期も来るかもしれない。それでも、すべてに責任を背負い、150人を引っ張れる背中を見せてくれた時、相当成長しているだろうと信じています。
――副将のふたりについても選出した理由を教えてください。
このふたりが副将にふさわしいと感じていました。どれだけ厳しく苦しい場面でも自分に勝てるふたり。まわりにも流されないですし、信頼できる男たちだと思います。
――新4年生の雰囲気は大田尾監督にどのように映っていますか。
非常にモチベーション高くやっています。チーム長田、チーム相良が残してくれた財産をしっかり継承できている学年だな、という印象です。
――監督自身、新シーズンに向けて今の心境はいかがですか。
非常に楽しみですね。すべてのポジションで競争を促し、チームに勢いをもたらしていきたいと思いますね。
――今のチームの課題、今年新たに力を入れていきたい部分をお聞かせください。
昨シーズンの敗北の悔しさをバネに常勝を果たすこと、アカクロジャージを着て国立の舞台に立つということを全員が自分事としてとらえられるか、にかかっていると思います。自分が試合に出るんだ、絶対に勝つんだ、と全部員が自分自身を、チームを信じられるようになることを期待しています。新たに力を入れていくこととしては、既に行っていることですが、レスリングや相撲といった他競技との触れ合いです。様々な身体の使い方を覚え、タックルの動きに活かしたいと思っています。
――春シーズンへの意気込みをお願いします。
春シーズンは、一試合一試合強いマインドを持ち、自分たちでテーマを設定し、そこにコミットできるような、強い意志のあるゲームを重ねられるかが重要だと思います。秋につながる春シーズンを過ごしていきたいです。
――最後にファンの方へメッセージをお願いします。
常日頃より、弊部への温かいご声援、本当にありがとうございます。昨季は決勝まで進むことができましたが、非常に多くの方が期待されていた中で大敗を喫し、結果に心配される方もいらっしゃったと思います。しかし、そこで歩みを止めないのが早稲田でありますし、今季、再挑戦して、絶対に結果を出そうという強い気持ちを持ち、前を向いて進んでおりますので、ぜひ期待していただきたいと思います。
文:早稲田スポーツ新聞会・ラグビー蹴球部広報チーム 写真:ラグビー蹴球部広報チーム
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