2月から行っていたレスリング部との合同練習も、先日最終回を迎えました。
初回と比べてどのような変化があったのか、そしてお互いに与えた影響はどのようなものだったのか、両部から感想をもらいました。
<レスリング部副将 山倉孝介さんコメント>
はじめの頃はマット運動から馬跳びなどの息上げ中心のトレーニングから、レスリングのタックルの基礎的な動きを教えるという流れでした。
マット運動やマット上での息上げなど普段とは異なる足場でのトレーニング、普段行わない動きをすることで、いつもとは違った刺激が得られたのではないかと思います。そして、基礎的なタックルやレスリングのポイントの軽い取り合いを通して、レスリングで使う筋肉の動かし方を理解してくれました。
最後の練習では、マット運動から始まり、息上げ、タックルの打ち込みの後、レスリングのスパーリングができるようになっていました。ラグビーで培った体力や身体能力を武器にレスリングをされると、私たちレスリング部も全力に近い動きをせざるを得なかったほどです。
また、回数を重ねるごとにマット運動も上達していき、中にはすべてのマット運動をほぼ完成させている方もいて、ラグビー選手の身体能力の高さには驚かされました。
レスリングとラグビーの共通点として、タックルで相手を倒す際にボディバランスや重心の位置が非常に重要になるという点が挙げられます。
ラグビーでは一瞬のコンタクトかもしれません。しかしレスリングでは、バランス、組み方、ポジションなどさまざまなことを考えなければならないため、攻撃の忍耐力が必要となってきます。その点で、タックルに入ったときのポジション取りや、入る前のバランスなどが練習を重ねるごとに上達しているように感じました。
そして、ラグビー蹴球部と合同練習をしていて最も刺激を受けたのは元気のよさ。きついトレーニングのはずなのに全員で声を出して盛り上げて楽しそうにやっていたのが印象的でした。おかげさまで私たちも終始楽しくトレーニングをすることができました。
元気よくトレーニングしながら、レスリングの技術指導の場面ではひたむきに技術を吸収しようとしたりラグビーに活かせる部分を考えたりしている姿に、ひとつひとつの練習を無駄にしていないなと感じ、刺激を受けました。
また、チーム力が素晴らしいなと感じました。レスリングとラグビー、個人戦と団体戦という違いはありますが、声がけをはじめとした挨拶や集団行動、些細なことにチームとしてのレベルの高さを感じました。
6回の合同練習を通して、自分たちは迎える側だったのにもかかわらず、ラグビー部の方々から学ぶことが多く見習うべき点も見つかりました。
これから先の試合で、今回の合同練習で培ったことが少しでもラグビー部のみなさんのお力になれば幸いです。ありがとうございました。
ラグビー蹴球部側の感想もご紹介します。
<永嶋仁(4年)>
レスリング部のみなさんと合同練習をおこなったことで、重心の使い方が強化できたと思っています。
体が小さいレスリングの選手と組み手をした際に、簡単に押されることが不思議でした。そこで、重心の掛け方で意識している点を教えてもらいました。アドバイスをもとに実践を重ねることで、言葉で説明できる段階までは正直難しかったですが、感覚をつかむことはできたと思っています。
レスリングを経験したことで、タックルの際に踏み込んだ足の出が早くなったと感じています。ひとつの動きで終わらずに常に動き続けるというレスリングの足の使い方が活きているのかなと思います。
コロナ禍によりなかなか他の体育各部と交流する機会がなかったので、今回の合同練習ではたくさんの刺激をいただきました。中でも一番驚いたのは、レスリング部は自分たちの練習を学生だけで仕切っているという点です。自分たちで練習の強度を決め、自身を追い込むことは、なかなか簡単にできることではありません。
また、個人競技の方と練習をするのも不思議な感覚でした。ラグビーは団体スポーツなので常に仲間とコミュニケーションを取りますが、レスリングはひとりひとりが自分の世界に入って練習をしていました。それぞれの競技の特徴をうまく捉えられた期間になったと思います。
普段、他の部活動と合同練習をする機会はあまりないのでたくさんの刺激と学びがあり、充実した時間となりました。レスリング部のみなさん、本当にありがとうございました。
<西浦剛臣(3年)>
今回の合同練習を通して、タックルに入るモーションの部分を強化できたと思います。素早く低い姿勢になる点やバインドの仕方などは、ラグビーに活かせると思いました。
これからラグビーでますます強度の高い練習をしていく中で、タックルの入り方にどのような変化が生まれるのか楽しみです。今回のレスリング経験を通して、自分の力を相手に伝えやすくなったとも思っています。
また、レスリング部のみなさんは体が柔らかくて驚きました。体の柔らかさはしなやかに迅速な動きをするうえで重要だと感じました。
<粟飯原謙(2年)>
私のポジションのFLはFWの中でも特に走力が求められます。ボールキャリーのサポートやタックルしたあとのリロードなど、常に動き続けなければなりません。レスリングを通じて、前の動作から次の動作へのジョイントが強化されたと思います。
また、相手との距離感をつかめるようになったと思います。レスリングではタックルするうえで自分に合った距離感をつかむことは非常に大切で、ラグビーでも同じようなことが言えます。レスリングで学んだ、自分の身体に合った距離感を何度も試しながら感覚に落とし込むことで、さらに自分のディフェンス能力は向上したと思います。
そして、レスリング部員の方々は動作を非常に上手に言語化しています。同時にそれは、自分自身の身体のことを熟知しているということだと思います。私たちラグビー蹴球部も、筋肉量を増やすことと同時に動作の各点に注力し、「動きの幅」を増やしていこうと思います。
普段の学生生活では、コロナ禍により学生同士が交流することが難しい状況にありました。しかし、このような機会を設けていただくことは、同じ体育会系部活としても非常に刺激になるとても貴重な機会になりました。
レスリング部のみなさん、改めてありがとうございました。
文・写真:ラグビー蹴球部広報チーム
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