左京泰明シーズンを振り返る
山下大悟を新主将に据え、来年度へ向け新たなスタートを切った早大ラグビー蹴球部。そこで今回は「予餞会」「追い出し試合」と主将としてのすべての任を終えた左京泰明がシーズンを振り返ります。<聞き手HP委員>
Q、主将としての1年が終わっての今の心境は? 気持ちの整理をするにはまだもう少し時間が必要です。
Q、主将として1番心掛けていたことはどんなことか? 勝つ集団にすること。みんなにはとにかく『勝つ』ということを常に言ってきた。
Q主将をしていてよかったと思えた瞬間はあったか? 主将しか考えないことを考えることができた。主将という立場でチームを見ることができたことはよかった。
Q、清宮さんはどんな監督だったか? 経営者、頭脳明晰なコーチ、そして勝負師。「最後は運」と言われたことが1番印象に残っている。
Q、監督の強気な発言(早慶戦は30点差で勝つなど)を聞いて、主将としてはどんなことを感じていたか? いい感じだなあと思っていた(笑)。
Q、今シーズンは例年になく主将より監督の方が注目を浴びていたが、それについてはどう思っていたか?またチーム作りをする上で清宮監督との役割分担のようなものは決めていたのか? チームとして良い結果が出ればいいと思っていたので、マスコミなどの動きには興味がなかった。しかも清宮さんが注目されることによってチームが得るメリットは大きいと思っていた。
Q、今シーズンは「改革の年」と言われたが、昨年までと比べて具体的に何がどう変わったのか? 練習は的を絞っていて無駄がなかったし、これまで見られたような儀式的なものもなくなった。そこが大きく変わったところ。ラグビーをやる上での環境もかなり整備されたと思う。
Q、練習時間がこれまでに比べて格段に短くなったが? 最初は不安だったが、高い集中力でできたのがよかった。それによって効率も良くなったし、怪我も少なくなった。これは熟慮された練習メニューのおかげだと思う。
Q、自分たちのプレーの分析もかなり細かくやっていたが? 良いところ、悪いところが明確になった。良いプレーのイメージがチーム全体に浸透した。良いプレーというのは勝利に結びつくプレーで、それは勝利に結びつくといってもトライをしたとかいう意味ではなく、トライに至るまでの一連のイメージ。
Q、早明戦に代表されるようにメンタル的にすごくタフなチームだったが、メンタルを強くするための取り組みはしたのか? 特別な取り組みはしていない。メンタルを強くするには結果を出すことが重要。チームが強くならずにメンタルだけというのはありえない。
Q、委員の間での話し合いも数多くしたが、思ったようなチーム運営はできたか? 清宮体制一年目ということもあって学生側と監督との役割分担のコンセンサスが難しかった。来シーズンは今年度をふまえて、その辺はもっと明確になると思う。
Q、赤黒ジャージーに稲穂のエンブレムが入ったり、素材が変わったり、メンバーにバックが用意されたりと、外見上の変化もかなり見られたが? やはり今年は変わるんだという気持ちが強かったし、そういうところでいい方向に進んだと思う。ジャージやバスのことなども選手はそういう気持ちと同調していい効果だったのではないだろうか。
Q、大学選手権決勝後の表彰式で涙は見せなかったが、あの時どんなことを考えていたのか? 準優勝という結果にはもちろん納得していないし、この負けを一生背負っていこうと思った。それと、みんな本当に一年間良くがんばったという称えの気持ちと、一年間応援ありがとうございましたという感謝の気持ち、最後までみんな胸を張れ、と思った。
Q、5点届かなかったが、具体的に足りなかったものは何だと思うか? やはり精度。あらゆる場面での精度が足りなかったと思う。接点での球出しもそうだし、BKの4対3などのシチュエーションのスキルもそう。
Q、関東学院大を春から目標にしてきたが、互角に戦えるという手応えを掴んだのはいつ頃か?またそのきっかけは? 一年間ずっとやれると思っていた。春からずっと目標にしてきて練習と試合で少しずつ成長と共に自信を得ることができた。要所、要所で(関東学院大)釜利谷グラウンドなどにも行って何度も試合をできたことも良かったと思う。
Q、「新生ワセダ」と取り上げられるなかで、昨年までを否定するかのような風潮も見受けられたが、そういったことについてはどんなことを感じていたか? 仕方ない。マスコミとはそういうものだから。ただOBの方が誤解しないでほしいなとは思った。後はそういったマスコミの論調なんかも全てうまく利用して追い風にしたいと思っていた。きっと選手の意識の中にも注目されているということはあっただろうし、そのことはいろんな意味でプラスになると思った。
Q,マスコミに大きく取り上げられることについては?記者会見が苦手だとよく言っていたが? 個人的には複雑な気持ちだった。「サキョウヤスアキ」を社会にアピールするということはできたけど(笑)。きっとプラスの面、マイナスの面の両方あったと思う。
Q、主将になって自分のプレーは変わったと思うか? やはり責任感がついた。そこにいなければならないという責任感が生まれた。 自分のプレーを評価すると、(10点満点で)セットプレー9点。ランナー6.5点、スイープ5.5点、タックル6点という感じ。
Q、東伏見グラウンドも今シーズンで最後だったが? そのことはある程度は意識していた。東伏見とは自分を成長させてくれた、大切な、感謝する場所。歴史のある、たくさんの想いが積もった特別な所。
Q、試合が始まる前の円陣でいつもみんなで部員席を見ていたが? あれはみんなの代表でここにいるということ、よって体を張らなければならないということ、応援してくれているみんなのためにも勝たなければならないということを意識するためにやっていた。あれをやると緊張がほぐれるというのもある。
Q、同期の4年生はどんな仲間だったか? 一見変なやつが多そうだが、実は皆けっこう素直でまじめ。それぞれしっかり意見をもっているため、まとめようと思うと力が要るが、目標と環境が整えば自然と同じ方向に走り出す。四年間全てが濃くて一人がその中の何か一つの話題を振れば、一晩中でも話していられるくらい。全てがいい思い出。
Q、ワセダラグビーのよさ、魅力、他のチームにはないものは? 勝ちにこだわること。理論と情熱があること。常に進化し続けること。やはり高校日本代表といったような選手ばかりが集まっているチームではないというところが魅力。いろんな人間に出会える。そしてラグビーを通じてそういう人間と腹を割って話せるようになるところがワセダのよさだと思う。
Q、山下新主将以下、後輩たちへメッセージを 四年間どっぷりと勝負の世界に浸かってくれ。ぎりぎりのところまで悩んで、グラウンドで自分を爆発させて、必死にもがいてほしい。こんなにも自分を磨ける場所はなかなかない。感謝し、勝負し、成長してほしい。
Q、応援してくださったファンの方へメッセージを 主将になってから改めてワセダは多くの人に見守られているということに気が付きました。これからもきっと新しい学生たちが、感動と希望に満ちた素晴らしいワセダラグビーを繰り広げてくれると思います。一年間本当に温かいご声援ありがとうございました。 |