2002/3/31
全早明戦・観戦記
この日の相手は宿敵・明大。在学中はワセダを多いに苦しめたあの永友洋司(SH・サントリー)の引退試合ということで、多くの観衆が詰めかけた。 序盤は「これぞ早明戦」と言うような展開。ワセダは『重戦車』と呼ぶにふさわしいFWの前に完全に後手を踏み、開始10分の間にあっさりと2トライを許してしまう。 しかし現在のワセダにとって12点のビハインドなどあってないようなもの。グラウンドを目一杯使った『高速アタック』で相手を振り回し、すぐさま主導権を奪い返した。18分にCTB小森允紘(平12卒、現リコー)が反撃ののろしとなるトライを挙げると、そこからは華麗なるワセダのトライショー。立て続けに4トライを奪い、35-12と前半でゲームを決めた。 この猛攻を演出したのはSO沼田一樹(4年)。切れのあるステップで再三に渡りゲインラインを突破。得意の長く正確なパスも随所に見せ、チームに勢いを与えた。この沼田を初め、多くの4年生にとって学生として迎える最後の試合ということで、試合後には「明日入社式だ」と学生生活を惜しむ声も多く聞かれた。 後半も開始から2トライを許したが、一度ボールを手にすれば完全にゲームを支配。FWの走力で相手を圧倒し、逆に4トライを奪って見せた。 63-36と先日の全早慶に続く完全勝利。ライバル2校を圧倒するその姿はまさに圧巻の一言だ。春だけでは終わらせない。秋、そして正月も勝つのはワセダです!
<奇跡のトライは今も語り草。山本肇引退?> 先週の永島茂樹に続いて、この日はWTB山本肇(平9卒、現三菱重工相模原)の引退試合となった。山本肇といえば何と言っても、95年早明戦での劇的な逆転トライ。2点ビハインドの後半ロスタイムに自陣から70メートルを走り切ったあのトライは、早明戦だけでなく、日本ラグビー史に残るトライとして今も語り草だ。そんな山本にとって、明治はまさに引退を飾るにふさわしい格好の相手…になるはずだった。 しかし試合後山本は「いやー本当に楽しかったですよ。あまりにも楽しすぎて引退するか迷ってます」と切り出し、周囲は大爆笑。ワセダでのプレーが余程楽しかったのか、現役続行宣言?が飛び出した。これまで全早慶明を引退試合にする選手が多かったが、これを機に引退を踏みとどまるという逆のパターンとなるのか。山本の今後から目が離せない。
<山本肇試合後のコメント> 「今日は本当に楽しかったから引退するか迷ってる。(三菱重工相模原に入社する)喬輔(佐藤、4年)と話し合って決めます(笑)。僕のラグビー人生の原点はワセダだから今日は本当に気持ちよかった。(前半40分の)トライは小森がドンピシャのパスをくれたおかげ。火曜日に監督の伊藤さんから出るかと言われたので、チームにはフィットしていなかった(笑)。最後もトライ取れたのに悔しい。胴上げは2回目に落とされて、冷たさのなかに愛情を感じました(笑)。愛すべき後輩です。最後が明治というのもめぐり合わせを感じる。自分がオールで呼ばれるのもだいたいが明治戦だし。何かあるのかもしれないですね。後輩たちには昨年見せたラグビーを進化させて、頂点目指して頑張って欲しい。機は熟したと思う。今後のことは会社と話し合って決めます」 |
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