2002/5/18
1年早明・観戦記
相手の圧倒的なパワーの前になす術もなく大敗。そしてその屈辱をバネに4年間の精進を誓う。つい最近まで1年早明とはワセダにとってそのようなものだった。 しかし、この日東伏見で繰り広げられた光景は、そんな歴史をどこかに吹き飛ばしてしまうほどの強烈なインパクトを残した。開始直後のスクラムを押し込んだのを皮切りに、明大を圧倒。最悪のグラウンドコンディションも物ともせず、展開ラグビーで計10個ものトライを奪った。 完膚なきまでに相手を叩きのめすその姿は、今シーズンのスローガンである『ULTIMATE CRUSH』そのもの。まだあどけなさの残るルーキーたちが、入部1ヶ月にして見事にそれを実践して見せた。「たった1ヶ月でこれほどまでのプレーをするようになるのか…」。驚く先輩部員に対し、当の1年生は「当たり前」とでも言いたげな様子。「入部した時点で代々受け継がれてきた東伏見の血が流れ出す」。山下主将が入部式で1年生に語りかけたこんな言葉を思い出させるナイスゲームだった。<HP委員 疋田拡>
<本当に1年生?佐々木が爆発!> セブンスでの活躍で先輩バックスリーを脅かしつつある小吹和也…。山下主将に「1年の時の自分を見ているみたい」と言わしめた久木元孝成…。フロントコーチも期待を懸ける青木佑輔…。それぞれが存分に光を放ったが、この日の主役は何と言っても佐々木隆道。相手の裏に抜け出すスピードを披露したと思えば、左手一本のハンドオフで相手を粉砕。その規格外のアタックで幾度となくチームにチャンスをもたらした。 アタックばかりに目がいきがちだが、佐々木が最も評価されているのが強烈なタックルと仕事量の多さ。この日も呆れるほどの仕事量で、首脳陣を唸らせた。「この年代で右に出るものはいない」と言われる佐々木。ワセダを、いや、日本を背負って立つプレーヤーになること間違いなしだ!
<ゲームキャプテン・佐々木試合後のコメント> 「明治はこの先も戦っていくライバル。苦手意識とか持ちたくなかったので、どうしても叩いておきたかった。1年生もだんだんワセダのラグビーに慣れてきて、今日はランナーによく入ることができたと思う。前半はよかったけど、後半はFW,BK一体となったラグビーができなかった。キャプテンとしてチームをそういう方向に導けなかったのは反省点。もっと外で取りたかった。その点で今日はあまりいい試合とは言えない。個人的にはアタックは課題を持って臨めたのでよかったけど、ディフェンスはまだまだ。もっとボールごと殺すタックルがしたい。1年生はみんなうまくなっていて、自分もうかうかできないなと。(次の慶応戦に向けて)やりたいことができればトライは取れると思うので、ひとりひとりが責任を持って前で止めて完封したいですね」
<タックルで刺さりまくったフッカー青木> 「小さくても大きい相手に勝つのがワセダなので、今日はスクラムで勝ちたかった。相手ボールをゲットできたのはうれしかった。相手のフロントがでかいことは分かっていたので、そこを抑えればと思っていた。最後はバテ気味だったけど、みんな必死にタックルに入ってた。明治をその点で上回っていた。中村さん、大江さん、羽生さん、力也さんなどが小さい体で走り回って活躍している姿に憧れてワセダに来た。自分も小さい分、スクラムを考えて組んで、走り回りたい。フィットネスは辛いけど、高校の時より楽しく練習できている。慶応には昨年負けたと聞いているし、後藤コーチも「負けは許されない」と言っているので、そういった伝統を感じて負けないようにがんばりたい」 |
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