2002/5/19
対慶大戦・観戦記
今シーズン初お披露目となる早大ファーストチームが、集まった多くの観衆の度肝を抜いた。キックオフから1分と経たないうちにあっさりと先制トライ。これを合図に華麗なるトライショーを繰り広げた。 昨シーズン大学ラグビー界を席巻した『高速アタック』は今年も健在。司令塔の座もすっかり板につき、余裕すら感じさせる大田尾竜彦(3年)の巧みなゲームメイクで相手防御網を完璧に切り裂いた。この大田尾の動きに真っ先に呼応したのが、フランカー羽生憲久。昨年幾度となくチームの危機を救った『殺人タックル』に加え、今シーズンはアタック力も増大。切れあるチェンジアングルでビッグゲインを連発した。これにはチームメイトも感心するばかり。「ジャパンに入れてもいいんじゃないか」という声も聞かれるほどだ。ジャパンの関係者のみなさん、是非御一考を。 奪ったトライは前後半合わせて実に16。使用したアタックのオプションは2つか3つ、加えてノックオンを連発してのこの数字は、いかにワセダのアタック力が高いかを表していると言える。春初戦でのこの出来に「点数は関係ないけれど、いい形でトライが取れていた」と山下主将も満足気。頂点のみを見据える山下ワセダがライバルを引き離す大きな一歩を踏み出した。<HP委員 疋田拡>
<ライバル不在でちょっぴり残念?清宮監督試合後のコメント> 「今日の試合はどうもこうもない。(この日不在だった慶大総監督)上田さんには協会の仕事ばかりしていないで、慶應もしっかりとみてほしい。この春はブレイクダウンをずっと練習してきた。ターンオーバーをされない、激しいスイープをする。当然今日のポイントもそこだった。それがしっかりできていたかはビデオを見なければはっきりとは分からない。相手が絡んでいる場面かそうでないかで大きく違うし。見た目では分からない。栄次(=安藤、2年、SO)をCTBにしたのは人に強くてパスが投げれるから。今日はまあまあの出来かな。オープン戦は関東戦へ向けてというのではなく、ひとつひとつしっかりとこなしていきたい。今年もアタックには自信がある。昨年の今ごろは選手を探しているような感じだったけれど、今年はチーム内の競争が激しい。特にロックと3列はこれから人選に悩みそう。1年生も昨日すごくよかったし、頼もしい限り。好スタートが切れた。昨年よりも自信はあるよ。大悟がいないのも別に気にならない。(ファンの方へのメッセージ)スタンドにどんどん足を運んでください。そしてチームの成長具合を一緒に楽しみましょう!」
<ゲームキャプテン・上村康太> 「今日は慶應に勝つということよりも、今シーズンやっていく上でのファーストステップ、より高いレベルでやれる土台をと考えていた。点をたくさん取れたのはよかったけど、集中力、技術とまだ課題もたくさんある。昨シーズンの最後のレベルにまではまだ行っていないけれど、スタートとしては昨年よりいいと思う。1年生もこれからたくさん出てくるだろうし、層が厚くなるのを期待したい。個人としては味方を生かすプレーをしていければと思っている。フランカーで勝負していきたい」
<絶大な存在感を見せた羽生> 「たくさんゲインできたのは相手があってのことなので何とも。もっと強いあたりのところにどれだけ通用するかを試したい。今日は全体的にミスが多すぎた。そこを直せばもっといいゲームができると思う。3列は争いが激しいのでいい刺激になる。競争が激しい方がレベルも上がる。これはいいこと。今年は昨年よりも激しい練習をしている。この部分にもっとこだわっていけば自然といい試合ができると思う。自分としてはフィットネスとタックルに加えて、アタック力も上げていきたい」
<好パスを連発した大田尾> 「今日はBKのメンバーが若くて経験が少なかったので、自分が動かしてやろうと思っていた。そういう意味ではBKでトライも取れたしよかった。ノックオンが多かったけど、あれだけ攻めていればある程度は仕方がない。うちには大悟さんという絶対的な存在がいて、相手はそこに的を絞ってくると思うからキックを使ったり、FWを入れたり自分なりに考えてやっていこうと思う。自分で勝負に行くのはいつでもできるので、今日は敢えてパスに徹してみた。栄次はプレーヤーとしてはうまいからあとはCTBに慣れていくだけ。この時期にこれだけできればいいと思う」 |
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