2002/6/23
対同大戦・観戦記
金沢の真夏を思わせる強い日差しに感化されたのか、早大は開始からロケットスタート。相手キックオフのボールを確保すると、NO8佐々木隆道(1年)、CTB山下大悟(4年)がいきなりのビッグゲイン。最後はWTB山岡正典(3年)が右隅に飛び込み、開始40秒あまりでトライを挙げた。 その後もワセダの勢いは増すばかり。相手にまったくといっていいほどボールを触らせず、3分、8分、18分といとも簡単にインゴールを陥れた。 しかし、あまりに事がうまく運びすぎ気が抜けたのか、ここからしばらくは完全に沈黙。相手の反撃に耐えられず、後半2分には31-24と7点差にまで詰め寄られてしまう。この間はまさにエアポケット状態。突如顔を見せた脆さに、不穏な空気が漂った。 が、こんな状況からも建て直すことができるのが、今シーズンの成長の証。すぐさま本来の姿を取り戻し、再びゲームを完全に支配した。そしてハイライトは26分。ゴール前でペナルティーを得ると、一寸の迷いもなくスクラムを選択。「絶対にスクラムトライを取る!」という強い意志の下、猛然とプッシュを懸けた。この勢いに思わずたじろぐ同大エイト。過去、幾度となく早大FWを苦しめた、あの「同大」からついに歴史的なスクラムトライを奪って見せた。この教え子たちの最高のプレゼントにヤングコーチは感慨深げ。「もう俺の仕事は終わったよ」と、その喜びを表現した。 この日も10個のトライを挙げ、5試合で実に61トライ。ここまでは圧倒的なアタック力で、相手を完全にねじ伏せてきた。しかし、現時点で倒すべき相手はあくまでも関東学院大。果たしてこの強さは本物なのか。「王者」と対峙する来週、その答えが明らかになる。<HP委員 疋田拡>
<清宮監督試合後のコメント> 「今日の試合の評価は難しいね。全体としては満足できる内容だけど…。自分たちのミスで7回くらいアタックできなくしている。スクラムは相手があってのことだから。よく分からない。来週関東学院とやれば分かると思う。(ヘンリー考案のサインプレーをいくつか試しているが)まだ試している段階だから、これからいいものといらないものをチョイスしていく。(本来はCTBの内藤晴児をWTBで途中出場させたことについて)ヘンリーはFBにしようと言ったのだけど、俺はWTBの方がいいんじゃないかと思って使ってみた。来週は真正面からぶつかるだけ。みんなやれる自信はあるんじゃないかな」
<鋭いステップでトライを挙げた山下主将> 「今日は満足できない部分が多い。まだ色々試している段階ということもあるけれど。相手のオフサイドが多かったけど、そうさせないくらいのスイープをするという「ULTIMATE」の部分ができなかった。ディフェンスは1本は僕のミス。直さなければいけないことは分かっている」
<軽快な身のこなしで観衆を大いに沸かせたプロップ伊藤雄大> 「(スクラムトライは)ヤングから教えてもらった成果をださないければという思いがあり、狙っていた。ヤングに教わったのは最初のヒットの意識。彼はそこをすごく大切にしている。今日は8人がそれにこだわっていたからトライが取れたと思う。自分自身の強さはあまり変わっていないけど、8人で組んでいるという感じがある。(かなり走っていたけど?)1本だけですよ。あれはボールがおいしいところに転がっていたので(笑)。今年もアタック力は自信があることろ。ボールさえ出せればトライは取れるので、まずはセットを安定させることだけを考えている。昨年はスクラム一本だったけど、今年はスクラム+仕事のできるプロップになりたい」 |
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