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さよなら東伏見

さよなら東伏見

 ワセダラガーにとって最も身近で、神聖な場所。「早大東伏見グラウンド」。ワセダの全てが詰まったこの地が、7月7日ついに最期のときを迎えた。
 透き通るような青空、照り付ける太陽、巻き上がる砂埃、グラウンドに栄える夕日。その光景は東伏見の最期にふさわしいものだった。
 始まりは昭和3年。以後74年間、東伏見はワセダにとって最も大切な場所だった。どん底にあえぐ低迷期もあった。輝ける黄金期もあった。いつでも、どんな時でも、変わることなく東伏見はワセダを見守り続けた。ワセダの歴史は伏見の歴史。1421人のワセダラガーは、そんな「心の故郷」に青春の、人生の全てを捧げた。
 純真無垢な若者たちが流した血と汗と涙。そのすべてを吸い込んできたグラウンドからは独特のオーラが放たれた。「戻ってきたとき、心が落ち着く場所だと思った」(清宮監督)。「自分を成長させてくれた大切な、感謝する特別な場所」(前年度主将・左京泰明)。東伏見で過ごす時間は、かけがえのない宝物だった。
 昨シーズン部室の黒板にこんな言葉が書き込まれた。「俺達には最後の東伏見で日本一になる使命がある。日本一になることが東伏見への最大の感謝になる。この使命を胸に俺達は日本一になりたい」。日本一こそが最大の恩返し。今もこの思いは変らない。そして、戻るべき場所もただひとつ。また、みんなで東伏見に集まろう。勝利の部歌『荒ぶる』を手土産に…。

  「Starting over」 常勝ワセダの新たな歴史が始まった。<HP委員 疋田 拡>