2002/11/11
「岡本さんの分まで…」。ここまでキャプテンとしてジュニアチームを引っ張ってきたNO8岡本雅史がこの日はケガで欠場。岡本を慕う後輩たちのハートは否応にも燃え上がった。 その急先鋒がSH後藤翔太(2年)。密集サイドを切り裂くスピードと、日々『進化』を遂げる球さばきで、ワセダの十八番『高速アタック』を華麗に演出。2点リードで迎えた前半26分にはセーフティーゾーンを一気に駆け抜けるなど、完全にゲームを掌握した。 そんな後藤に引っ張られるように、この日のJrは今季最高のパフォーマンスを披露。1,2年生が大半を占めているとは思えないほどの激しいプレーの連続で、攻守とも80分間前に出続けた。ハイライトは後半22分から見せた電光石火の3連続トライ。22分CTB池上真介(1年)、24分SO古庄史和(4年)、26分中崎宏(2年)と瞬く間にインゴールを陥れ、PGで何とか食らいついてきた『王者』を戦意喪失に追いやった。 ロスタイムにも今乗りに乗っている男・WTB正木健介(3年)がこの日2つ目となるとどめのトライをゲット。満ち溢れる気迫、ここ一番で見せた集中力、ひたむきさ。如何にもワセダらしい最高の形で、関東学院大から勝利をもぎ取った(50-26)。 「岡本さんの分までやりましたよ!」「僕のプレーどうでしたか」…。試合後のロッカールーム。労をねぎらうため訪れた岡本を見つけると、後輩たちは次々と飛び掛った。「ワセダは強い。お前ら最高だよ!」。後輩たちが見せたベストゲームに岡本も感無量の表情を浮かべた。 この日は『進化』の跡を見せたCチーム、Dチームも勝利と、関東学院大を見事に3タテ。早慶全勝対決へ向け、ワセダの勢いはもう止まらない。
ゲームキャプテンを務めたSO古庄> 「今日は僕のキックでリズムを崩してしまったところがあった。相手が蹴り返してくれてラッキーだった。今日はFW、BKとも4年が一人ずつしかいなくて、何かおじさん気分でした(笑)。雅史がいない分、みんなよくがんばってくれたと思う。アタックではある程度取れると思っていたので、ディフェンス、特にFWサイドを意識してやった。FWがしっかり2人でいっていたし、前にも出させなかった。今日はとにかく技術より気持ち。試合中も気合を入れまくった。みんなすごく集中していて、キャプテンとしては言葉がでません。夏はお互いに疲れていて持ち味が出せなかったけれど、今日はいい試合ができたと思う。層も厚くなった。今日はFWを誉めてあげてください。今日は勝ったけれど、12月8日(Jr選手権決勝)に秩父宮で勝たないと意味がない。赤黒もまだまだ最後まで諦めずにがんばります。気持ちだけは切らさないようにしたい。竜彦もいつケガするか分からないですから」
<今季初の80分フル出場を果たしたSH後藤> 「80分やるのは気分がいいですね。勝ったのがすごくうれしい。今日は展開どうこうよりも勝つことを考えていましたから。最近よく岡本さんと遊んでいたんですけど、ケガして出られなくなってしまった。岡本さんがこの試合に懸けていたことを知っていたし、自分もケガしたときに淋しい思いをしたので、今日は岡本さんの分までという思いがあった。この間、岡本さんが次につながるゲームができたって言っていて、その時、次って早慶戦ですかって聞いたら、違う、ジュニアだって答えたんです。僕は人のためにというのはあまり好きじゃないけど、それを聞いていたので、今日はそのために勝ちたいと思いました。チームとしてはアタックもディフェンスもひとりひとりがよく走って前に出られた。気持ちの入ったプレーができました。今日は狙い通りにできたと思います」 |
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