Bチーム初の対外試合。無敵を誇った昨シーズンとは大幅に入れ替わったメンバー。チームに走る緊張感を、4年生WTBの快走が一掃した。「最初の試合だったので、ガツンといっておこうかなと」。
相手ボールのキックオフを確保すると、SO曽我部佳憲(1年)が「スーパーパス」(清宮監督)で大外へ一気に展開。最後はライン際でボールを受けたWTB吉永将宏(4年)がステップ一発、怒涛のランニングで70メートルを走り切り、僅か30秒足らずでゲームの主導権を握った。
「あの1発目で乗りましたね」(吉永)。この4年生の爆走で勢いに乗ると、前年度に負けない『高速アタック』で相手を翻弄。SO曽我部のゲームメイクとWTB吉永のランが冴えに冴え、次々とインゴールを陥れた。特に大学初試合となったU19日本代表SO曽我部のパススキル、判断力は特筆もの。「センス抜群」(清宮監督)、「うまい。いい1年が入ってきた」(大田尾主将)とゲーム中から賛辞の声が止まなかった。生きのいい1年生司令塔に貫禄の4年生フィニッシャー。理想的な展開で、35-12と大きくリードを奪い前半を折り返した。
後半に入っても、曽我部に替わってSOを務めた久木元孝成(2年)が負けじと好リードでチームを牽引。終始試合を優位に進め、61-24と前日に引き続き大勝を収めた。
交替した選手が次々と活躍する様はまさにワセダの理想形。清宮監督が常々口にする「30人で戦えるチーム」へ。今シーズンもBチームが熱い!<HP委員 疋田拡>
<C,Dチームも快勝!>
Bチームに先だって行われたCチーム(対東洋大A)、Dチーム(対東洋大B)戦も85-0、88-0と共に大勝。「もし負けたらどうしようと心配していたけど、いいゲームができてよかった」と古庄Jrコーチも満面の笑みを浮かべた。Cチームで一際輝きを放ったのが、ジャパンセブンズプレート優勝メンバーのひとり、WTB太田淳平(2年)。シニアメンバーに負けないスピードと力強いランニングで4トライ、1アシストと、シニア入りへ強烈にその存在をアピールした。一方のDチームも、「HB団で崩せた」(清宮監督)と言う通り、三井大祐、南薗洋一のルーキーコンビが好プレーを連発。古庄コーチとのポジション練習の成果を存分に発揮し、見事なトライラッシュを演出した。競い合い日々成長していく1,2年生。ヤングパワーに今後も注目です!
<今年はやります!3トライを挙げたWTB吉永将宏>
「今日は最初の試合にしてはよく走れた。就職活動がうまくいかない分、ラグビーは好調です(笑)。今日はやれるとかそういうのではなく、やらなきゃという気持ちだった。思ったよりいいステップも切れたし、あとは山岡(正典)みたいな仕事ができるようにしたい。1年生のWTBは確かに速くて、素材はすごいけれど、まだ負ける気はしない。1対1だったら抜けるし、ステップなどの積み上げてきた技術はやっぱり4年の方が上だと思う。それぞれにタイプがあるけれど、高校出たての選手に4年が負けたら終わり。今年はとにかくやるしかないです。ポスト仲山は僕がいきます。昨年は腰痛でスピードが出なくて苦しかったけれど、もう大丈夫です。井上悟(この冬、タグラグビーのイベントで上井草を訪問)さんに教わった走り方に変えてからいい感じです。とにかく今年はやります」
<鮮烈なデビューを果たしたSO曽我部佳憲>
「今日は途中で足が止まってしまいました。昨日からビビリッ放しでした(笑)。凄いスピードでCTBが突っ込んできたらどうしようとか、ケガして泡吹いたらどうしようとか、そんなことばかり考えてました。試合になったら少し楽になりましたけど。今日はWTBがいい声を出してくれたおかげです。(啓光学園の先輩)佐々木さんにはいつも走れ!足が遅い!って言われてます。抜けたと思っても敵が追いついてくるんですよね(笑)。取り敢えずは前後半走れるプレーヤーになっていきたいです。ワセダのSO=大田尾さんなので、大田尾さんを目指してがんばっていきたいです」