「今日は悪いところしかなかった。これでは勝てない…」(清宮監督)。この日はファーストフェイズ1位通過に望みをつなぐべく、全勝の帝京大と対戦。まさに連日の大一番。前日の勢いそのままに、一気に乗り切りたいところであったが、待ち受けていたのは厳しい現実だった。
滑り出しは快調だった。キックオフで相手のミスを誘うと、CTB池上真介(2年)が走り切り、労せずしてノーホイッスルトライ。その後もWTB勝田譲(2年)の気の利くプレー(22分)、CTB今村雄太(1年)の相手3人を振り切る快走(25分)で、順調にリードを広げていった。
しかし、「ミスも多かったけれど、攻める気持ちが足りなかった」(SH末石鉄之祐)と言う様に、後半に入るとトライの気配まったくなし。マイボールをことごとく喪失したラインアウトに、崩壊するスクラム。これに致命的な判断ミスが重なり、深い深い泥沼に入り込んだ。
ジワジワと追い詰められるチャンピオンチーム・ワセダ。時間の経過とともに、そのコントロールを失った。それでも伝統の粘りで最後の一線だけは死守してきたものの、残り5分を切ったところでついにディフェンス網が決壊。FWの圧力に屈し、土壇場でまさかの逆転を許してしまった。
そして最後の最後。一縷の望みを懸けたラストアタックでも、この日を象徴するような判断ミスで万事休す。21-24。屈辱…。もう二度と繰り返さないと誓った過ちをまたしても犯してしまった。
これで一位通過はおろか、決勝トーナメント進出にも黄色信号。最終戦での勝利以外、生きる道は閉ざされた。しかも雌雄を決する相手は「あの」宿敵・関東学院大。昨年来無敵を誇ったワセダJrはかつてない窮地に追い詰められた…<HP委員 疋田拡>
<攻守に精彩を欠いたゲームキャプテン正木健介>
「チャンス自体はたくさんあったけれど、それを生かすことができなかった。もっと取らなくてはダメ。ラインアウトもスクラムも、セットがうまくいかなかったし、最後は守りきれなかった…。来週の関東は絶対に負けられない」
<球捌きに苦心したSH末石鉄之祐>
「今日はなかなかいい球を出すことができなかった。ブレイクダウンで相手をのけることができなかったし、ボールもポロポロこぼれてきた。ハーフ団のところでのミスも多かったけれど、攻める気持ちが足りなかった。セットも安定せず、BKで仕掛けることもできなかった。すべてが後手後手になってしまった。法政にも負けているし、もう絶対に負けられない。もう一度目の色変えてやらないと。ワセダはどこにも負けてはいけないチームですから」