「トライを取られる気はまったくしなかったですね」(WTB小吹和也)。「練習の成果が徐々に出てきてるんだと思います」(WTB勝田譲)。格の違いすら感じさせる余裕の試合運び…。上昇志向の塊・Bチームが、難敵・東海大(敵方曰く、この日は1,5本目くらいとのことです)を向こうに回し、『諸岡ワセダ』初完封をやってのけた。
開始から僅か30秒。いきなり向かえたゴール前でのピンチを慌てることなく、いとも簡単に切り抜けると、そこからはアタックモード全開。安定したブレイクダウン、『継続』を前面に押し出した得意の形で、粛々とチャンスフェーズを作り続けた。
FWのタテで手堅く先制。その後も相手を押し込むと、15分には大学選手権決勝以来、久々の復帰となったWTB小吹和也が、スクラムからブラインドサイドを突き3人をごぼう抜き。1対1でのうまさに、走りきる抜群のスピード。ライバル・内藤慎平が教育実習でチームを離れる中、相変わらずのランニングスキルでレギュラー取りへ名乗りをあげた。
その後もロック百合洋の安定したキックオフキャッチ、途中からNO8に入った権丈太郎の激しいドライブ、ワセダの新名物・畠山健介の寄り切りトライ×2(スクラムでも中心となり相手ボールをことごとくゲット!)とFW中心ながら見所満載。孝行息子か、「タイトなゲームを経験したい」と言う指揮官当初の思惑は、この日も見事に打ち砕かれた…。
あってはならないミスも多発。まだまだ満足できるようなデキでないものの、『諸岡組』本格始動から僅か1ヶ月半にして繰り返される圧勝劇(この日ももちろんC、Dすべてが完勝です)。「毎日がものすごく充実してます」(小吹)。ワセダの春はこれからも輝き続けるに違いない。<早大ラグビー蹴球部広報 疋田拡>
<復帰戦で華麗なトライを決めたWTB小吹和也>
「今日は全然ダメでした。もっと勝負できただろうし、プレーに参加しないといけなかった。声は出していたつもりなんですけど、うまくボールに絡むことができなかった。ただ外で待っているだけではなく、ボールに絡まないとダメですね。トライは相手のディフェンスがよくなかっただけ。上のチームだったらあんな形で抜けてないと思います。まだいい時の状態に戻ってないので、これから徐々に上げていきたいです。いい1年が入ってきて刺激になっているし、三角や孝成も上にいるので自分も負けていられない。11番は久々でしたけど、昨年もやっていたし特に違和感はなかったです。11番でも14番でも同じ動きを求められたりしますから。チームとしてはミスが多かったし、最後はみんなバテバテで、いい内容とは言えないですね。トライを取られる感じはまったくしなかったですけど。昨年は竜彦さんの存在が大きくて、言われるとおりやっている感じでしたけど、今年のBKはリーダーの翔太さんにも言われて、ひとりひとりがよく考えて取り組むようにしているので、毎日がものすごく充実しています。とにかくチームとしても自分的にも、大学選手権決勝のような試合は二度としたくないので、今年はやります。昨年も結局はケガ続き、試合にポンと入って、いいパフォーマンスができなかったので、もうケガだけはしないようにしたいです」
<スクラムにフィールドプレーに奮闘したプロップ前田航平>
「今日の試合については何とも言えないです。スクラムは相手が出てこなかったので、姿勢さえ取れれば押せるという感じでした。課題は相手が下に落としてきた時の対応ですけど、今日は落としてきた時も、ヒットして足をかいて前に出られたのでよかったです。相手がモールを崩しにきた場面でもワセダは立っていられましたし、FWはよかったと思います。フィールドプレーは本当は内側でポイントに入るべきところで、外にいたらボールがきちゃったという感じ。既にポイントに人がたくさんいたので、外に行く機会が多かったというものありますけど。ただ自分としては走るのは結構好きなんで。今日もスクラムでは畠山に助けてもらった。当たり負けた場合でもあいつが耐えて持ち直してくれる時がありますから。すごいですよ、ほんと。自分も負けないように力を上げて、合宿までには雄大さんや畠山相手に互角以上に組めるようになっていたいです。1番の諸岡さんがキャプテンで厳しいところもあるとは思いますけど、今年こそ赤黒を着て公式戦に出場したいです」