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2024
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対青山学院大戦 天災は忘れた頃にやってくる


 「今のワセダは雨だとちょっとやばいです…」(主将・諸岡省吾)。今年のワセダは全天候型オールラウンダー。天気など関係なし。雨でも圧倒的な力を見せつける。勝ち続けることで培われていたそんな自信が、幻想だと思い知るのにそう時間は掛からなかった。
 試合は序盤からハンドリングエラーのオンパレード(移動スクラム状態です…)。視界を遮る激しい雨、ぬかるむグラウンド、びしょ濡れのボール…。軸になるはずのキックにも精度を欠き、雨の日用の戦い方を最後まで実践することができなかった。
 「情報が外からきちんと来ていなかったし、内側の人間もそれを求められていなかった…」(清宮監督)。続出したノックオン、意図通りにいかなかったキックはもちろん、何より首脳陣を苛立たせたのはゲームコントロール、マネジメントの稚拙さ。ここぞの場面で形成されぬBKライン、チャンスでの不確実なチャレンジ。「みんな気持ちはあるけれど、とっさの判断ができていない」(清宮監督)。2004年、最強を目指す『諸岡組』にまたまた課題が噴出した。「このデキは雨のせいだと軽視しないで、今のワセダはこんなもんなんだと認識してやっていかないと…」(主将・諸岡省吾)
 対抗戦2戦目、意に反し80分間納得できるプレーはほとんどなかったものの、「これだけ雨が降るとこうなってしまうのが分かった。内容はよくなかったけど、今日はいい経験」(主将・諸岡省吾)と、この時期この早い段階で、雨に打ち勝てない自らの至らなさを認識できたことは、何物にも変え難い大きな収穫。天災は忘れた頃にやってくる―。大切なのは日頃からの備えです…<早大ラグビー蹴球部広報 疋田拡>

<より一層の指導を宣言する清宮監督>
「今日1番心配していたのは秩父宮の芝生の状態。今年は根つきが悪いということで、今はまだ青いけれどこの先が心配。いい環境でプレーして、それをお客さんに見に来て頂くのが、ラグビー界のやらなくてはいけないことだと思う。今日はハンドリングエラーがたくさんあったけれど、雨でしょうがないノックオンは20%くらい。残りは雨でもしっかりと取らないといけないプレーだった。全体的にもっと楽に点数を取らなければいけなかったなと。見ている方の多くも、こうすればトライだっていうのがあったと思う。学生には決して難しいことは言っていない。気持ちはあるけれど、とっさの判断ができていない。今日も情報が外からきちんと来ていなかったし、内側の人間もそれを求めてられていなかった。オックスフォード戦が終わって今は一息ついて、選手もゆっくり休ませた状態。この一ヶ月はパーツパーツのレベルアップに取り組んでいこうと考えている。まだ連携の部分はやっていないし、流れるようなアタックということには重きを置いていない。モール、ボールキャリア、BKだったらスターター、そういったパーツパーツを強くしていって、ビッグゲームが近づいてきたらチームを作っていく。これから局面局面で練習したシチュエーションが出てくると思うから、そこでいかに取れるか。今は簡単な選択肢しか与えていないのにできていない状態なので、そこを指導していかなければいけないと考えている」


<試合内容に反省しきりの主将・諸岡省吾>
「今のワセダは雨だとちょっとやばいですね…。雨だとこういう展開になってしまうと分かったのが今日の収穫です。雨の日の戦い方をしようと言ってはいたけれど、ミスをなくすことができなかった。もっとミスがでないような選択をするべきだったのか、それとも単に自分たちのスキルがないだけなのか。ミスが出るのは予想できていたけれど、それにしても多すぎた。内容はよくなかったけれど、今日はいい経験になった。これだけ雨が降るとこうなってしまうのが分かった。これからそういう意識を持って練習に取り組んでいければいいのかなと。オックスフォード戦が終わって気が抜けていたということはないと思う。今日も80分切れずにやろうというのがテーマだったし、色々な面で自分たちの納得できるゲームにしようと話していた。ただ今日はそこがうまくいかなかった。やっぱり常にそれを持続するのは難しいです。このデキは雨のせいだからと軽視しないで、今のワセダはこんなもんなんだという意識を持って、これからやっていければと思う。昨日の友重さんには興奮しました。大学選手権で優勝することしか考えていないので、今はトップリーグおもしろいなと観戦している立場です。ラグビーはやっぱりおもしろいなぁと」


<絶妙なラストパスで2トライを演出した副将・桑江崇行>
「パスはスナップパスです。いつもはスクリューですけど、雨の日はスナップパス(BK顔負けでした…)。俺も隆道も。僕元CTBで、6年間やってましたから。ただあれは外でサボっていただけです…。今日はチームとして雨に対応できなかった。雨のときにやるべきことができずに、ピンチを招いてしまった。このレベルだといいかもしれないけれど、関東が相手だったらやられているだろうなという場面がいくつもあった。80分通して高いレベルでやりたいことができなかった。内容はまったくよくない。ワセダは雨が降ってしまうと微妙だなと。今日で45試合ですか、今度は松井選手にちなんで55号までいって、日本選手権で王さんの記録を抜けるようにがんばって勝ち続けたいです」


<不完全燃焼に肩を落とす副将・後藤翔太>
「今日はハンドリングどうこうより、相手のディフェンスにちょっと対応できなかった。ラックを捨ててきたときのFWの使い方を途中で修正したけれど、最後まで余りうまくいかなかった。22人全員フラストレーションの溜まる試合だったと思う。諸岡も言ってたけれど、こういう経験ができたでよかった。相手が今日みたいなディフェンスをしてきたときの対応の仕方も分かってはいるので、次からはもっと精度を高くできるようにしたい。自分としてはボールを拾うときのノックオンはあったけれど、雨でもパス自体は普段と変わらずにできるところまで来れていると思う。桑江や諸岡ががんばってくれたおかげでリフレッシュしたつもりが、今日でフラストレーションが溜まってしまった。これからみんなで集中力をもう一度高めて、練習に取り組んでいかないといけない。情けない試合は見せられないですから。まずは対抗戦優勝に向けてひとつひとつ納得した形でステップアップして、課題をクリアしていきたい」

<安定したプレーでチームを引っ張ったフッカー・青木佑輔>
「今日は雨の日の戦い方をきちんとしようと言っていたけれど、全体的に小手先のプレーに走ってしまった。放らなくていいところで放ってしまったり、ちょっと軽かった。諸岡さんも言っていたけれど、ワセダの今のレベルで雨が降るとこんなもんなんだと。今日はFWで崩すことができたけれど、上にいったらうまくいかないかもしれないですし。今日できたことが次もできるとは限らないので、みんなで意識を高めて練習していきたい。ひとつ目のトライは本当はスイープに入らなければいけないプレー。ポイントに来るのが遅れて翔太さんにも怒られました。ラインアウトは1本低いのがあったけれど、雨に関係なくできたかなと。今シーズンは三冠王に近づけるように(ちなみに青木は第3位)接点の仕事でがんばりたい。もちろんセットを安定させるのは当たり前。桑江さん怖いので。昨日の友重さん相当熱かったですね。めちゃくちゃ興奮しましたよ。ヒットがハンパなかったです」

<対抗戦での飛躍を誓うロック・後藤彰友>
「この間の立教戦が全然ダメだったので、今日は強いプレーを心掛けた。気持ちも入っていたし、この間よりはいいプレーができたと思う。ラインアウトはAもBもムーブは変わらないので、特に違和感なくサインも出せた。前の試合も桑江さんと一緒に出ましたし。いいサインを出せば絶対に取れますから。そこを今桑江さんに教わっているところです。これから出るチャンスがどれだけあるか分からないけれど、そのときは自分のよさをしっかり出してアピールしていきたい。内橋さん、桑江さんのふたりは本当にスゴイ。他のチームにもあれだけの選手はいないですし、試合をしても練習をしてもすごく勉強になるので、少しでもふたりのプレーを盗んでいきたいです」