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2024
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対帝京大戦 色褪せるワセダ新・対抗戦27連勝…


 「今日は気持ちが抜けていたというより、出だしのスターターがうまくいかなかったことに尽きる。反省するも何も、ほんとそこだけ…」(主将・諸岡省吾)。秋の深まりと共に、期せずして訪れたセットの崩壊。これまで磐石の強さを誇った『諸岡組』の足元が、グラリと大きく揺らついた。
 諸悪の根源は赤黒の専売特許・意思疎通の希薄さ。「サインミスもあったし、FWとBKが違うことを言っていた…」(清宮監督)、「普段からなぁなぁでやっているからこういうところで出てしまう…」(副将・桑江崇行)。内側から乱れた、文字通りの「自滅」。スクラム・ラインアウト→『独自性』→『高速』→『激しさ』→『継続』→『精確』→『ULTIMATE』―。これまで築き上げられてきた必勝トライパターンは根底から崩れ去り、ワセダ新・対抗戦27連勝の栄誉も遥か彼方へ吹き飛んだ。「今日は意図したアタックは何もできなかったです…」(副将・後藤翔太)。
 そしてこの状況に追い討ちを掛けたのが、前に出ることのない受けのディフェンスと、プライドを賭けたモール戦での後退。「FWは根負け。今日は押されっぱなしの80分。モールで取られたのはこの上ない屈辱です…」(NO8佐々木隆道)。先人たちが培ってきた誇るべき伝統・低く、鋭く、前へ出るディフェンスを失っては、大きな相手に後手を踏むも当然。「練習でやることが試合にもそのまま出るので、練習の段階から厳しく、高い意識を持って取り組めるようにチームをもっていきたい」(副将・後藤翔太)。大一番・『早慶戦』、『早明戦』を前に、『諸岡組』はまたひとつ大切なことに気付かされた。
 「対抗戦で1番悪いゲームだった」。指揮官はそう嘆いたものの、局面を打開するWTB首藤甲子郎のキレと強さ(ミスマッチを巧みに突いた先制トライに加え、切迫した後半6分には大外でのハンドオフ&キレキレステップで相手を翻弄し会心のトライ!)、久々に見せるCTB今村雄太の弾丸トライ(屈辱モールトライ直後の後半23分、ラインアウトからのムーブで相手ディフェンスを豪快に貫通…)、FB五郎丸歩のパーフェクトコンバージョン&ロングキックと収穫も地味ながら散見。来るべきビッグゲームを前に、千両役者がその存在感をしっかりと見せ付けた。
 いよいよ次戦、11月23日は赤黒の威信を懸けた年に一度の虎退治。「慶應から『魂』を獲ってやりますよ。もう慶應の時代じゃないってところを見せてやりたいですね」(NO8佐々木隆道)。再び目を覚ますにはこの上ない最高のシチュエーション、最高の対戦相手。超A級スナイパー集団・『諸岡組』は狙った獲物は逃がさない…<早大ラグビー蹴球部広報 疋田拡>

<意思疎通の欠如に反省を促す清宮監督>
「今日のゲームは自分たちのミスから崩れた、自滅という感じ。サインミスがあったり、FWとBKが違うことを言っていたり、意思疎通がきちんとできていなかった。そういった意味ではこの対抗戦で1番悪いゲーム。相手が強くていい経験になったけれど、内側から、自分たちから乱れてしまったのは反省点。学生には、そろそろ試合後にハイタッチするくらいのいいゲームしようぜと昨日のミーティングで言ったけれど、今日もこのような試合になってしまった。やろうとしていることと、試合で起こっていることのギャップを埋めるように自分も指導していくし、諸岡にもみんなが力を出せるようにチームをまとめていって欲しい。プロップであれば誰しも自分の得意な方向や、組み方というものがあるけれど、今日は試合前に相手からワセダのスクラムの組み方が反則だという牽制球が色々とあった。最近はどの試合でもちょっと斜めになっただけでピーピー笛を吹かれてしまう。本来スクラムと言うのは力の強い方が押すものだから、ある程度は自由に組ませて欲しいなと。ニュージーランドやオーストラリアでもあれは反則だとか、これは反則だとかそういったやり取りを激しくしているので、これが世界の流れなのかもしれないけれど。その辺りはプロップにしか分からない拘りがある。SOのところの選手交替は試合前の予定通り。今はどちらがレギュラーを獲るかというセレクションの段階。複数のポジションができるのは将来的にもいいと思うし。今までのプレーでは試合に出られないよと言ってきたけれど、今日の栄次はよかったと思う。これをやれといったことがきちんとできていた。次はビッグゲームだし、試合後には笑顔でいられると思います」


<セットの不出来に苦悶の表情を見せた主将・諸岡省吾>
「今日はやりたいことをやるためのセットがうまくいかず、それがフラストレーションの溜まる展開を招いてしまった。取るべきところで取れなかったし、敵陣でのセットがうまくいかなかった。FWのサインミスもあったし、スクラムもコントロールできず、相手の拘ってきたところでワセダが上回ることができなかった。スクラムは向こうの塊が固くて、拘ってきているのをすごく感じた。プレッシャーをかけてきたし、それを押し返せずに苦労した。スクラムは夏にやったときよりも強くなっていた。ただ、最初のスクラムで取られたペナルティーは訳が分からない。駆け引きがあって、修正できなかったとかではなくて、帝京の組み方にワセダが合わせられたという感じ。向こうはモールにも拘ってきて、FWがそこで取られてしまった。ワセダももっと拘りを持って、練習でやっていることをしなくてはいけない。隆道も言っていたように、もっと足を掻いて、ただ見ているのではなくて止めに入らないとダメだった。次までに整理しなくてはいけないのは、ラインアウトとスクラムをどう組むか。今日は気持ちが抜けていたというより、出だしのスターターがうまくいかなかったことに尽きる。これまでのワセダはそこができていたから、BKがどうとか、FWがとか言えたけれど、今日は反省するもなにも、そこだけ。セットをもっともっとしっかりすることができれば全然違う展開になると思うから、FWはとにかくそこを煮詰めなおしていきたい」


<100本ラインアウトの復活を誓う副将・桑江崇行>
「毎回毎回悪いところは分かっているんですけどね…。ラインアウトも普段からなぁなぁでやっているからこういうところで出てしまう。次までにそこをしっかりと修正したい。さっきも清宮さんと話したように、それができないようなら100本ラインアウトを復活させます。モールも全然ダメ。今日も東芝に練習に行ったときのモチベーションでやれれば、何の問題もなかった。自分も含めてみんなモチベーションに左右されすぎ。全体的に締まらないゲームになってしまった。早慶戦、早明戦というビッグゲームを前に、気を引き締めなくてはいけないと感じられる試合ができてよかった。早慶戦へ向けては試合うんぬんより、練習から気を引き締めてやっていかないとダメです。100本ラインアウトを復活させます」


<42得点にも不満爆発の副将・後藤翔太>
「今日はとにかくラインアウトを取れなかったのが痛かった。意図的なアタックはまったくしていない。要所で相手の気の抜けたところを突けて、五郎丸がキックを全部決めたから何とか40点にいったけれど、点数を取っている気はまったくしなかった。意図どおりのアタックは何もできなかった。ブレイクダウンのところも相手がこれまでにないほど強かった。今日はいい経験になったし、とても反省することが多い。これを当然次にいかさないといけない。ディフェンスは数が合っているのに、アップできていなかったり、今駒さんにも言われたように最後のヒットの瞬間に前に出れていなかった。その結果が3トライです…。練習でやることが試合にもそのまま出るので、練習の段階から厳しく、高い意識を持って取り組めるようにチームをもっていきたい。今日は全然ボールが動かせなかった。具体的にどこが悪かったかはビデオを見てみます」

<意識の低さを悔やむロック内橋徹>
「今日は意識が低かったと言ってしまえばそれまで。すべてにおいて普段やっていることができずに、受けてしまった。マイボールラインアウトが取れなくて、流れを戻せなかったし、テンポも出ないまま、80分過ぎてしまった。個人的にもミスが多くて全然ダメでした。ブレイクダウンもよくなかった。ムダにオフロードで繋ごうとしてしまって、だんだん人数が少なくなってしまった。せっかく前に出て崩しかけているのに、自分たちのミスから流れを失ってしまった。その前にセットがまったくダメだったのが1番の反省点。まずはセットのところをもう一度やり直していきたい。シンプルにブレイクダウンとセットをもう一度。早慶戦は毎年の如く誕生日なので、いい記念になるように、大差をつけて勝てるようにがんばります」


<虎退治を熱く誓うNO8佐々木隆道>
「今日は押されっぱなしでした。ラインアウトからリズムが崩れて、そのままやられてしまった。流れがワセダに来そうなところでミスをしてしまって、最後はしんどくて集中も切れるという悪循環に陥ってしまった。やっぱりしんどいときに切れてしまうのは1番致命的ですから。それをどう改善するのかを試合後に話しました。これをキッカケに変われればと。疲れたときの集中力。FWは根気負け。モールでトライを取られたのはこの上ない屈辱です。ただ反省も多い試合でしたけど、いいところも多少はあった。ラック周辺のディフェンスは強かったと思いますし、BKもそこまで崩されてはいない。FWがラインに入ったときのディフェンスはメチャクチャだったので、その辺は修正していかなくてはいけない。早慶戦へ向けては練習からずっと集中して、疲れたときも如何に集中するかを突き詰めていって、完勝したいですね。(練習の)チームアタックでも最後の1本が1番いいみたいなイメージで。(魂のタックル)慶應から『魂』をとってやりますよ。もう慶應の時代じゃないってところを見せたいですね。とにかく熱い試合ができればと。何たって一大イベントですから。(先日オフを利用し、野球の早慶戦を観戦)野球部の友達に文句言ってやりましたよ。早慶戦では『狂気』のタックルを決めます」


<抜群の個人技で苦境を打破したWTB首藤甲子郎>
「今日のトライはイメージどおりのものではあった。ファーストトライを取れたのは、リズムを作るという上ではよかったと思うし、2本目のトライは練習してきたステップが出せたかなと。体はまだちょっと重いですけど、早慶戦、早明戦に向けて上げていきます。復帰してからだんだんイメージが戻ってきていて、やりやすくなってきた。今日はもうちょっと外でもらって、勝負したかったですけど、自分ももっと要求しなくてはいけなかった。帝京のあのジャージーは反則。そう言いたくなる位あのジャージーはやばかった。いつもは止められているようなイメージでもゲインされてしまっていた。逆を言えば体を当てられていないということなので、これからはもっと体を当てられるようにしていきたい。次の早慶戦は、今日掴んだいいイメージを大切にしてそのままの形で臨みたいです」

<ついに復活 ワセダ名物今村雄太の弾丸トライです!>