早稲田大学ラグビー蹴球部WASEDA UNIVERSITY RUGBY FOOTBALL CLUB OFFICIAL WEBSITE

Beat Up

2024
  • SpoLive

対関東学院大B(Jr選手権決勝) ワセダ史上初、歓喜の3連覇! 


 「あれだけやってきたんだから大丈夫。俺は信じてる―」。主将・諸岡省吾が試合前の寄せ書きで、Jrチームキャプテン・遠藤隆明に送ったこの言葉。信じてる―。『諸岡組』130人のこの試合に対する想いもまた、同じだった。これまで1番練習してきた遠藤隆明率いるチームが負けるわけがない…。
 対関東学院大、今季4度目、願ってもない頂上決戦。情熱の指揮官・清宮克幸が与えたゲームキーワードにも、特別な想いが込められていた。ワセダとしてのプライド、宿敵・関東に対する想い、そして何より「4年の『意地』を見せて来い」―。「寄せ書き、嬉しかったですよ。翔太、諸岡、みんなほんと…」(遠藤隆明)。
 関東学院先蹴で決戦のゴング。期せずして訪れた風上での前半(コイントスに負けたものの関東がボールを選択)は、試練の連続だった。秩序のなくなった密集戦に、関東サイドからの異様な声援、失いかけた自制心…。幾度となく訪れたチャンスにミスも重なり、奪ったトライは僅かにひとつ。ゲームを支配しながら突き放せない我慢の展開で、勝負は後半に持ち越された。
 「これまでは4年生に引っ張ってもらってきたけど、今日は2年がやってやろうって…」(フランカー・林徹)。互いのプライドがぶつかり合う、息詰まる頂上バトル。その均衡を打ち破ったのは、次代の赤黒を担う若き才能の芽生えだった。
 まずは6分、『超人・桑江の秘蔵っ子』・後藤彰友が、寝る間も惜しんで考えたラインアウト(この日は釜利谷と打って変わり、対策は万全)→モール→SH矢富勇毅のサイドアタック一閃の必勝パターンで、ゲームを動かすことに成功すると、続く10分には自陣でのターンオーバーからCTB谷口が60メートルを激走(FW陣の猛ラッシュから、矢富―谷口でブラインドを巧みに突破!)。「ライン際で古庄さんが勝負だ!って叫んでて、これは行くしかないだろって。久々にいい走りができた。今日は2年です」(谷口)。認定トライ&シンビンでひとり少なくなった絶体絶命の局面(19-12)でも、矢富のハリー、後藤の好判断からの持ち出し、谷口の芸術的なラストパス(古庄コーチも絶賛!)と2年生が絡み激熱トライ。4年生への感謝に奮い立つヤングパワーの爆発が、宿敵・関東の気迫を捻じ伏せた。
 「今日はひとつになれたことと、これまでの練習が物をいった。80分集中を切らすことなく戦うことができたし、キャプテン冥利に尽きる…」(遠藤隆明)。『激しさ』、意識、集中力に、すべてを凌駕する4年生としての『意地』(課題である大外のブレイクダウンを解決する最後の1ピース内藤慎平もついに復帰!次戦は赤黒で…)。俺は信じてる―。ワセダに集いし130人の想いが、またひとつ確信へと近づいた。「ほんといい試合で感動した。今日の勝利は間違いなく選手権に繋がる…」(主将・諸岡省吾)。この日のエキサイティングマッチは、『諸岡組』の強烈な意志の表われ。2005年1月9日、ワセダは関東学院に勝って『荒ぶる』を歌います―。

<Jrチームキャプテン・遠藤隆明に最大級の賛辞を送る清宮監督>
「今日は最初のワセダのノックオンをレフリーが見逃した時点から暗雲が立ち込めた。せっかく両チームともいいプレーをしているのだから、協会ももう少し考えて欲しい。シンビンに関してはペナルティートライの際には、イエローかレッドを出すというルールが大学選手権から適用されているから仕方がない。関東のBとは今年ずっとこんな感じできたし、今日の時点でも両チームの差はこれくらいなのかなと。年に4回もやれば、相手がどこを攻めてくるのかも分かっているから、今日は特別な細かい指示は出していなかった。いつも取られているところと、4年の意地を見せろという話だけをした。これまでやられてきたラインアウトのモールと10番のところ。今日は総じていいディフェンスをしてくれた。後半風下だったけれど、相手にいい形でボールを渡さなかったのがよかった。内容的にはゲームを支配できていたと思う。リザーブメンバーも半分いるし、FWという強みはAもBも変わらない。今日は試合前にメンバーがロッカーから号泣してでてきた。Aチームでなくても、こういう気持ち、こういう経験できるのは素晴らしいことだと思う。春から遠藤をキャプテンに固定してきたけれど、よくやってくれた。今日だけではなく、Jr選手権の7試合、先頭に立ってチームをまとめてくれた遠藤には、最大の敬意を表したい。今日はテーマどおりに4年生が意地を見せてくれた。勝ちにいった試合をモノにできたこの試合の意味は大きい」


<悲願の3連覇に感極まるキャプテン・遠藤隆明>
「今日は勝って、3連覇できたことが本当に嬉しい。秩父宮に来て、みんなの寄せ書きを見たら力が沸いてきた。翔太、諸岡、4年のみんなの言葉を見て、嬉しくなった。内容は納得できないところも多いけれど、何より大事だった結果を出せたことに満足している。練習してきた成果を、結果として出すことができた。後半谷口がトライした後、関東に返されたけど(寺山がシンビン)、誰も気落ちていなかったし、みんなの気持ちがひとつになっていた。今日はひとつになれたことと、これまでの練習が物をいったと思う。80分集中を切らすことなく戦うことができた。キャプテン冥利に尽きる。下級生も含め、みんな本当によくやってくれた。これからは本当に1日1日、誰よりも練習して、悔いの残らないように過ごしていきたい。とにかく一瞬一瞬を大切に。もう、それだけです。今日はホッとしました。3連覇ですから(3連覇は過去明大、関東学院大が達成。最多は明大の5連覇)」


<強い気持ち、安定したセットプレーでチームを支えたフッカー・寺山卓志>
「今日はFWが今までで1番意識高く、いいディフェンスができた。レフリングに関係なく反則が多かったのと、ゴール前のチャンスで取りきれなかったのは反省しなくてはいけないけれど、みんな80分間切れずによくできたと思う。今日はやってて本当に楽しかった。課題はあるけれど、勝って優勝できたことがとにかく嬉しい。優勝することがこんなにも楽しいものだと改めて感じた。試合前は出られない4年の仲間と、自分の4年間のすべてをぶつけようと思っていた。いいアップができて、キックオフのときには負ける気がしなかった。シンビンになったときも見ていて取られる気しなかったし、やってくれると信じていた。みんなひとつになってこの試合への想いをぶつけられたと思う。あと、今日は下級生が本当にがんばってくれた。途中からは誰が言わずとも声を出すようになっていたし、Bチームはこの1年でものすごく成長したと思う。上下関係なく、みんながしっかりとした意志を持った強いチームになった。寄せ書きに『一』と書いたけれど、それはこれからの残りをひとつひとつ大切にやっていきたいという想いを表わしたもの。とにかく1日1日、ひとつひとつを大切に残りを過ごしていきたいです。今日は本当に楽しかった」


<ビッグゲイン連発も我を失い猛省のSH矢富勇毅>
「今日は試合そのものではなくて、周りの声にカッカしてしまった。グラウンド脇にいる関東の外人コーチに、いきなり「ナイン、カモン」とか言われて、エキサイトしてしまった。その辺は自分がまだまだ子供だということです。反省してます…。今日はとにかく自分で行き過ぎてしまった。確かにリズムは悪かったけれど、いけないシーンでもなかったから自分の持ち味を出そうという気持ちが強過ぎた。でもあんなプレーはしてはダメだなと。清宮さんも裁きの中で行くのを自分に求めているんだろうし、反省ばかりです。毎日パスをたくさん放って、進歩できればとずっと思っているんですけど、まだまだです。今日はアタックにしてもタックルにしても、ひとりひとりの強さで関東を上回れて、FWがモール、近場でがんばったのが勝因。僕が熱くなってなかったらもっとBKでいけたと思うんですけど…。ただ、谷口がトライを取ったときは本当に嬉しかった。試合前からずっと2年でがんばろうと言っていたし、来年はもう上級生だという自覚も今日で少しは持てたのかなと。ずっと翔太さんが定着しているけれど、最後の最後まで諦めずに追い続けて、決勝の舞台に立っていられるようにがんばっていきたい。今日は反省ばかりです…」


<熱く激しいプレーを連発したフランカー林徹>
「今日はほんと感動しました。至福の時って感じです。僕はビビリなんで試合前はすごく緊張(ハンパなかったらしい…)したんですけど、グラウンドに出たら大丈夫だったし、今日はこの1年で1番いいプレーができたと思う。これまでは4年生に引っ張ってもらってきたけど、今日は自分たち2年が下から盛り上げようって話していた。みんないいプレーで4年生に恩返しができたと思う。試合としてはすごくきつかったけど、このJr選手権を通してプレーヤーとしても、人間としても成長できたのかなと。『侍魂』(寄せ書きの言葉です)も少しは出すことができましたし(笑)。今はレギュラーが確定してきているけれど、激しいタックルと運動量でそこに何とか割り込んでいきたい。膳所高からワセダは自分ひとりしかいないので、高校の後輩達に希望を与えるためにも、監督のためにも、いいところを見せたいです」

<谷口拓郎、3連覇への夢を乗せ激走>