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2024
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対明大 攻めの姿勢を大切に…


 「後半にダダダッと畳み掛けられなかったのがよくない。やってやろう、いってやろうという気持ちが見られなかったが、残念だね…」(清宮監督)。宿敵・メイジ相手の大勝にも、どこかに残る後味の悪さ。技術うんぬんよりも、攻める意識の欠落に、試合後、指揮官の不満が爆発した。
 清宮監督が憂えたのは、得点が伸びなかったことでも、トライを許したことでもなく、大量リードで迎えた後半に、攻めの姿勢が失われたこと。「自分たちからゲームを動かせ」―。常にアグレッシブに、常に果敢なチャレンジをしてこそワセダ。日頃から言われ続けていることを放棄した選手たちに、指揮官が苛立つのは当然だった―。
 開始早々の1分、ラインアウトからSH茂木隼人が裏へと抜け出し(50メートルのビッグゲイン!)、あっさりと先制すると、前半は強い『北風』に乗って、華麗なるトライショー。激しいブレイクダウンに、CTB池上真介のしなやか、かつ力強いタテ(ゲインしまくり!)。「スイープも狙ったところに入れていたし、言われていたことができていたのはよかった」(ロック・権丈太郎)と言うまずまずのデキで、45-0とゲームを一方的に支配した。
 しかし問題は後半…。それまでは力強い味方だった『北風』にそっぽ向かれると、前半の勢いはどこふく風。「1番最初にゴール前でミスしたのが痛かった」と主将・佐々木隆道も嘆いたように、悪い流れを断ち切れず、一転、凡戦を招いてしまった(招待試合にも関わらず…)。裏に出ても取りきれない脆弱さ、ロックを欠き(唯ひとりの本職・内橋徹も前半で負傷交替)安定感を失ったセットプレー、モールディフェンス―。「自分を含め、集中力が課題です」(フランカー・松田純平)…。
 そしてそして、畳み掛けられなかった何よりの要因が、清宮監督が常々求めている「攻めの姿勢」の欠落。強烈な風下だからこそ、自陣から積極的に、我慢して。流れを変える最大のチャンス、ペナルティーからの速攻もやり通すには至らず(後半4つ取ったトライのうち、2つはハリーからだっただけに…)、完勝こそはしたものの、どことなく後味の悪さが残ってしまった。
 しかし、「一戦一戦新たな課題が出て、チームとしていい方向に向かっていると思う」(主将・佐々木隆道)と言う様に、ひとつひとつ階段を登りながら成長していくことこそが、『Target2004』を掲げる今のチームに必要なこと。「また上井草に帰ってやり直します」(清宮監督)。2005年・『佐々木組』は、粘り強く、泥臭く、自らの力で、攻める姿勢で、一歩ずつ―

<攻める意識の欠落に不満気な表情を浮かべる清宮監督>
「後半にダダダッと畳み掛けられなかったところがよくない。ミスとかはもちろんだけど、そういったことより、やってやろう、いってやろうという気持ちが見られなかったのが残念だね。後半はそういうところがでた。セットプレーに関しては今日は参考外。後半モールを押される場面があったのは、ロックがいなくなったということが影響している。ここまで(春はちょうど折り返し)はまあまあかな。また上井草に帰って練習します」


<新たな課題の噴出に充実感を漂わす主将・佐々木隆道>
「やっぱりビッグゲインした後、ここで出せばトライというところでのスイープが甘かったし、寄りも遅くなってしまった。あそこをしっかりと出せないと関東相手には厳しい。全体で見ればひとりひとりが前に出られていたし、スクラム、モールもよくて、先週よりいい試合だったと思う。ずっと言い続けているチャンスとピンチの意識は、僕自身も含めてまだまだ足りないけれど、ちょっとはましになってきているかなと。後半は1番初めのゴール前でのミスが痛かった。そのままズルズルいってしまい、流れを掴めなかった。あとはミスの多さ。空いているのにいかなかったり、無理にオフロードするのはよくない。ただ、そこは試合を重ねるごとに改善していけばいい。モールはやっぱり昨年と違うところ。足をかく意識とか押し返す意識が昨年のレベルにまでいっていない。これで春も半分だけど、全体としてはまあまあいい感じできていると思う。一戦一戦新たな課題が出てきて、チームとしていい方向に向かっている。来週から池上、勝田が教育実習でいなくなるのは正直きついけれど(その他にも例年にない数の4年生が教育実習でチームを離れます…)、ここで逆にみんなが伸びるかもしれないですから。また全員でがんばります」


<喜びの赤黒初スタメン 的確な捌きでリズムを作ったSH茂木隼人>
「初スタメンでしたけど、特別緊張とかはなくて嬉しかったです。やっぱり赤黒は9番の方がいいじゃないですか(笑)。今日はやっぱり後半に尽きます。やるべきことができていなかったし、どのプレーを選択すればいいかも分からなくなってしまった。風下でキックができない分、敵陣になかなか入れなかったし、ドンドン順目に走らないとオーバーラップもできないですから。もっとFWを使いながら攻めたかったです。ブレイクダウンのところはみんな意識していることもあって、ボールは見えているので、あとは自分が捌くだけ。自分はまだまだAに連れてきてもらっている感じなので、早くみんなの信頼を得られる選手になりたいです。課題はとにかくタックル。とにかく自分のいいところを出してがんばります。弟とももっとやりたいです(後半は赤黒、紫紺で兄弟対決)。最後に弟は僕を蹴ってシンビンになったみたいですけど、疲れてて誰に蹴られたのか分かりませんでした(笑)。何やってんだって。自分のプレーはまだまだ。今は上の人たちがいなくなって入っているだけなので、早くみんなの信頼を得られる選手になります。ポジ練、楽しくやってます」

<充実の日々 先輩・青木に勝負を挑むフッカー種本直人>
「今はAチームで練習していて充実していますし、練習から高いレベルでやれていることが、そのまま試合にも出せていると思います。もちろん現状に満足したくはないですけど、自分のやれていることが試合で分かるのは楽しいです。まだまだ足りないけれど、ひとつひとつのプレーに対する拘りとか、昨年の先輩たちが教えてくれたことを、練習でできているのがいい方向にいっているんだと思います。拘り、意識で変われるんだなって。昨年はセットにしてもフィールドプレーにしても、自分自身で限界を決めてしまっているところがあって、それがノビシロを奪ってしまっていた。ワセダには赤黒を約束されている人はいないと思うので、ひとつひとつのプレーに拘って、練習、試合で自分の持ち味を出して、チームの勝利に貢献していきたい。今日の試合に関しては、後半の風下はきつかった。ここで勝負しなくてはというところで、ミスをしてしまい、流れを掴めなかった。絶対に譲れない部分でのミスを直します。青木さんのいい試合を見て、研究、練習することで、試合でもいい部分を出せるようになってきた。青木さんは普段の練習からマジメですし、私生活の姿勢でもお手本になる人なので、後を追っていって勝負します。セットの段階から圧倒する昨年の意識を今年も継承していきたいです」


<慣れないロックでの出場も存在感を見せた権丈太郎>
「今日はスクラムの放り込みのところが全然分からず、チームに迷惑をかけてしまいました…。スクラムで迷惑をかけた分、たくさん走らなくてはって。今日はロックというより、どちらかというとフランカーの延長という意識だったけど、ラインアウトとかは緊張しました…。チームとしては意識高くできたところもあったし、スイープも狙ったところに入れていたし、言われていたことができていたのはよかったと思う。特に前半はよかった。後半はセットでミスが起きて、リズムに乗ることができず、改めてセットの大切さが分かった。モールに関しても、メンバーが替わって押されてしまったのは課題です。高麗大戦で不甲斐ない結果を出してしまって、自分のやらなくてはいけないこと、課題もも分かっているので、ひとつひとつ克服していきたい。昨年はチームのお荷物でしたけど、今年は運動量、仕事量を増やして、積極的なプレーをして、チームを引っ張れるようになります」


<激しさで7番の座をゲット この日も痛いプレーを連発した松田純平>
「今日は赤黒初スタメンとかそういうことは特には意識しませんでした。いつもと同じ。毎試合がセレクションのつもりでやってます。今日の試合はミーティングで言われていたことで、できていたのが半分という感じ。やっぱり全部できないと納得できません。自分としてもスイープを外したり、チームに迷惑をかけてしまったので、もっともっと貢献できるプレーヤーになりたいです。後半は裏に抜けても、スイープが甘かったり、寝方が悪かったりで、トライが取れずに切れてしまった面があった。そこをきちんとできていれば前半と同じくらいは取れていたはず。自分も含めて、集中力が課題です。ずっと上のチームでコンタクトやりたいと思っていたんですけど、今年はスタートからシニアでやれているので、いい練習ができています。シニアにいれば強くなれる。やっぱり全然違う。ジュニアに落ちてしまったら、自分はこれ以上成長できないと思うので、とにかく上でやり続けられるようにがんばりたい。自分はとにかくタックルで勝負。同じタイプなので、もちろん東条さんも意識しますけど、やっぱり1番は同学年の権丈です。タックルを鍛えて、ケガをせずに。デカい奴には負けません」