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2024
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対明大B(Jr選手権) SMACK DOWN


 Shocker それはありえない、あってはならない光景だった。一方的に押しまくられての14-45。ぐうの音も出ないほどの惨敗。これ以上の屈辱はなかった。試合後、涙を流す者さえあった。ワセダとして、アイデンティティ完全崩壊。「完敗です。明治のやりたいラグビーをそのままやらせてしまい負けた。明治とは、FWの拘りが全然違いました…」(ゲームキャプテン・井村達朗)。
 連敗だけは避けられないと、開始早々の1分、理詰めのアタックで幸先良すぎる先制トライを奪うも、ワセダが輝きを放ったのはこの一瞬だけ。その後は、規律が問われるペナルティ、明治が喜んだに違いないミスのオンパレードで、ゲームをこれでもかと壊していった。要所でのグッドタックルも虚しく、ペナルティ→モール→ペナルティ。スクラム→ペナルティ→スクラム。ミス→ゴリゴリ→ペナルティ。ほとんどの時間自陣に釘付け。失トライは24分モールで奪われた1本で済ませたものの、展開としては最悪だった。前半は、明治がスクラム、モール、ゴリゴリしている時間が35分。ワセダのアタックが5分。その僅かな時間で訪れた、最後のビッグチャンス(井口起点)を生かせずに…。
 迎えた後半。近年「鬼門」と位置づけられていた八幡山がついに、『SMACK DOWN』と化した。いきなりのラインオフサイドでググッと下げられると、モールの後、執拗なスクラム選択。「プライド、ぶち壊してやろうぜ!」。8分、ついにその圧力、意志に屈しスクラムトライ。その瞬間、何とか保たれていた均衡が、音を立てて崩れていった。「一番やられてはいけないところでスクラムトライをされて、流れが完全に明治にいってしまった。今日は拘り、スクラム練習量の差が浮き彫りになった試合だと感じます…」(プロップ安江順)。
 そこから先は……、ここ数年シニアレベルでは見たこともないような惨劇。スクラムから8単で弾かれトライ。裏キックを拾われトライ。ターンオーバーから気持ちよくオフロードを繋がれトライ。WTBに引きずられトライ。そして最後は、VTRを見るかのようにスクラムで崩されトライ。この日はただ、明治を引き立てるためだけに存在したのか。紫紺の聖地・八幡山で、ワセダのプライドはズタボロにされた。
 問題は、この危機を受け、ワセダとしてどう立て直していくのか。この日はラグビーの本質の部分で完全に負けていた。根は深いところにあるようにも思われた。誰しもが、色々と考えさせられる敗戦…。「まずAチームがやらなくてはいけない。Aチームと4年の力だと思います」(主将・有田隆平)。ひとつだけ確かなこと。ワセダは今、崖っぷち―

<FW完敗… 拘りの差を痛感するゲームキャプテン・井村達朗>
「完敗です。明治のやりたいラグビーをそのままやらせてしまい、負けました。攻めているときはまだよかったですが、ペナルティがかさみ、相手にいいキッカーがいたことで下げられてしまうという展開で。モールに関しては、負けているなかでコラプシングせざるを得ない状況になってしまいました。明治のモールはうまかったですし、強かったです。相当な圧力を感じました。ブレイクダウンのところは、先に寄れれば相手もプレッシャーを懸けてこないので問題はなかったんですが…。今日はとにかくモールとスクラムです。スクラムは相手が重いなかで、疲れるまで我慢しなくてはいけないのに、それができずに当たり負けてしまいました。後半頭のあのスクラムトライがなければ、もう少し違った展開であったと思います。あれで明治にいけると思わせてしまったので。そこも含め、明治とはFWの拘りが全く違うと感じました。モール、スクラム、見習わなくてはいけないと思います。これで本当にもう負けられない。2敗がデッドライン。崖っぷちです」

<BKの責任を痛感… ひとりディフェンスを切り裂き続けたFB井口剛志>
「もう完敗でしたね…。自分たちで犯したペナルティからキックで自陣に入られ、明治の得意なモール、セットプレーで釘づけにされて、トライを取られる。ワンチャンスを生かせなかった自分たちと、自分たちの形でチャンスをものにした明治との力の差が今日は出たと思います。BKに関しては、ゲインもしていたんですけど…。そこでしっかりしていれば、負けないゲームになっていたはずです。FWが消耗させられて、順目に来れないようなところがあったので、そこは頭を切り替えて、もう少し違う形を選択していればと…。気付くのが遅かったです。こんなことでは、強い相手にはどうやっても勝てない。自陣に入らせないようなゲームメーク、ノーペナルティ。ディフェンスの形は整備できているので、そういった我慢、規律を守る力。まず、それができてからが勝負だと思います。そこからまた課題が見えてくる。今日のようでは話にならないですから」

<最大の屈辱… スクラムでの精進を誓うプロップ安江順>
「前半まったく敵陣に入れなかったのが痛かったです。ミスも多く、ペナルティもしてしまって。先週反省だったブレイクダウンが全然ダメで、そのペナルティから明治のやりたいことをやらせてしまいました。ペナルティの連鎖。スクラムに関しては、ボールが出せないような状態ではなかったですけど、一番やられてはいけないところでスクラムトライをされて、流れが完全に明治にいってしまったと思います。拘っていた明治に対し、ワセダは後ろの重さも乗せられていなかった。今日は拘り、スクラムの練習量の差が浮き彫りになった試合だと感じました。明治の方が組み込んでいる。ワセダとしても後ろの重さをしっかり伝えられるように、8人でまとまれるようにしなくてはいけません。立て直すにはまずFWがしっかりすること。今日はスクラム、ラインアウトともボロボロだったので…」


前半
 1分 早大 22m内LO→ラック→9・10・13ラック→9・15・牛房トライ G松井成功 7-0

24分 明大 5mLO→モールでトライ G成功 7-7

38分 早大 正面20mPG松井成功 10-7

後半
  8分 明大 5mSを押し込みトライ G成功 10-14

13分 明大 5mS→19が持ち出しトライ G成功 10-21

19分 明大 10が裏キックを自ら取りビッグゲイン→14トライ G失敗 10-26

23分 明大 敵陣でのミスからオフロードの連続で切り返されトライ G成功 10-33

25分 明大 KO→モール→FWに裏に出られ14トライ G失敗 10-38

34分 早大 Pからの速攻で15がブレイク→原田トライ G松井成功 14-38

40分 明大 マイボールSのこぼれ球を6に拾われトライ G成功 14-45