多士済々、ことしも志高き新人がワセダに集結した。入学してから約3週間の厳しい新人練習を乗り越え、迎えた早大2年との新歓試合。期待のルーキー・ FB藤田慶和(スポ1=東福岡)は日本代表の合宿で不在だったものの、ポテンシャルが高い選手が揃っており、気合いは十分。対する早大2年も、ワセダの厳 しさを教えるために後輩を迎え撃った。結果は早大2年が63-0で早大1年を圧倒。ルーキーは奮闘するも及ばず、上級生は貫禄を見せた
前半開始、最初に勢いづいたのは早大1年だった。SHとして活躍し、全国高校選手権(花園)ベスト4の実績を持つ岡田一平(スポ1=大阪・常翔学園)が この日はSOとして出場、ルーキーチームを先導する。良いリズムで攻撃を仕掛け、トライチャンスをうかがっていった。しかし、早大2年は鋭いタックルを連 発し進撃を許さない。逆に8分にラインアウトモールで先制すると、経験で上回る上級生がゲームを支配。要所で得点を積み重ね、22-0で前半を折り返し た。
迎えた後半、明らかにルーキーたちの足が止まり始めた。高校では30分ハーフで行われていた試合が、大学では40分ハーフとなる。「試合時間にも慣れて いなかったし、フッィトネスの部分で先輩と差があった」(岡田)と語るように、まだまだ大学ラグビーに適応しきれていないことを露呈した。失速していく後 輩とは対照的にエンジンのかかった上級生はトライを量産。後半だけでWTB千年原旭(法2=東京・早大学院)が5トライを奪うなど、違いを見せつけ 63-0で大勝した。
ことしは日程上の関係で入部式と新歓試合が別日開催。4月30日(月)、この日の入部式をもって初めて早大ラグビー蹴球部の一員となる。花園を沸かせた 名門校出身の大型新人を始め、無名校からの一般入試組や附属・係属校出身者などことしも十人十色の選手が正式に入部予定だ。「チームとして勝ちにこだわっ ていく」(岡田)と同日に行われる新人関東学院大戦にも強い決意で臨む。ワセダに集いしダイヤの原石はこれからの4年間でどのようなストーリーを描いてい くのであろうか。今後の活躍に注目したい。
(早稲田スポーツ新聞会 中川隆盛)
◆コメント
<SO岡田一平(スポ1=大阪・常翔学園)>
――きょうの試合を振り返って
試合時間にも慣れていなかったですし、フットネスの部分に先輩との差を感じた試合でした。また先輩ということを意識しすぎちゃって、ちょっと委縮したかなと。
――40分ハーフの試合はいかがでしたか
長かったです。めっちゃ長かったですね。これに慣れるように体を作っていきます。
――どこに先輩との力の差を感じましたか
やっぱフィットネスの部分ですね。コンタクトの面でもスタミナの面でもラグビーにおけるフィットネスの部分に力の差を感じました。
――新人練習を振り返って
この新歓試合を目標にやってきたので、ちょっとやりきれなかったかなと。試合にきちんと出せなかったので、今までやってきたことに悔いが残ります。でも新 人練習をやったっていうことは良い経験になったと思うので、よかったです。しんどかったですけど、自分のためになったと思います。
――試合前の意気込みを教えてください
全員がラグビーの名門から集まったわけではないので、技術どうこうじゃなくて、自分たちがいかに積極的になれるかを重点に置きました。新人練習の成果を出すってことが最大の目標でした。試合をするからには勝ちたかったです。やるからには勝つつもりで試合に臨みました。
――きょうはSHとしてではなくSOとしての出場でしたが
同期のSOは3人いるんですけど、全員ケガしていて、「自分がSOやるんじゃないかな」って思っていました。予想していたので練習はしていましたが、結果的にこんな試合しかできませんでした。
――本当はSHとして出場したかったのですか
そうですね。SHとかWTBとかで出たかったですね。SOはちょっと荷が重いですね。でも、どこでもできるプレイヤーにならないとやっぱり試合では通用しないと思います。これからもいろんなところでやりたいです。
――4月30日(月)に新人関東学院大戦がありますが
次もまたSOで出ると思います。めっちゃ強い奴も、ずば抜けて足が速い奴とか個々で抜けたプレイヤーがいないので、しっかりチームで戦いたいと思います。
<WTB鈴木亮(教育1=神奈川・桐蔭学園)>
――試合を振り返って
試合前から力では勝てないと分かっていたので、気持ちでいこうと思っていました。前半はディフェンスから前に出ることもできたし、相手のミスも誘えたので、点は取られたのですが良いゲームができたのではないかと思います。
――後半失速した理由は
高校と試合時間が違うってのもありますし、足が止まっちゃって、前に出るディフェンスができなくなって、ずるずる後退してしまいました。
――先輩とどのようなところに差を感じましたか
まだまだチーム力が全然ちがうなと感じました
――新人関東学院大戦に向けて
出られるかどうか分からないのですが、出られたらこれまでやってきたこの3週間のことをしっかり出せたらなと思います。個人的にはWTBなのでトライを取りたいです。