全国大学選手権セカンドステージ第2戦は流経大と対戦。準決勝進出のためには、1戦目終了時点で、勝ち点差で首位につけていた流経大への勝利が求められた。前半は後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)も「ほぼ理想通り」という戦い方で33-7。後半は攻めこまれたものの、なんとかしのぎ切り45-24で勝利を飾った。
試合開始直後、主導権を握ったのは早大だった。浮わつく相手のミスを見逃さず敵陣へ。9分にはモールからフランカー金正奎(教3=大阪・常翔啓光学園)がインゴールを陥れ先制する。続く12分、18分にはWTB中鶴隆彰(スポ4=福岡・西南学院)が公式戦4試合連続トライで好調をアピール。また外国人選手を擁する流通経大に対して、ことしのこだわってきた数で勝つという部分が際立った。ポイントができると選手が素早く寄り、テンポの良いアタックから得点を量産。前半終了間際に流経大に得点を許したものの、33-7で試合を折り返す。
後半に入ると一転、今季度々見られた早大の弱さが出る。流通経大の重いアタックに押され、ブレイクダウンでも劣勢となる。また風下に立ちなかなか陣地をとることができない苦しい展開に。当日急遽スタメン登録されたNO・8古賀壮一郎(教3=福岡・筑紫)のトライなどで加点するも、相手の圧力からか早大のミスも増え始める。32分には早大ペナルティからトライを献上。38分にも失点し、流れを変えられないまま45-24でノーサイドとなった。
この試合で早大はボーナスポイントを含めた勝ち点6を獲得し、合計を13まで伸ばした。勝ち点差でグループ首位に立ち、次の大体大戦で勝利すれば準決勝進出が決まる。だからこそ課題となっている終盤のミスや失点を克服し良い形で勝利できるかが焦点になる。この先へ弾みをつけるためにも、早大のさらなる成長を見せられるか。
(早稲田スポーツ新聞会 穂積麻衣)
◆コメント
後藤禎和(平2社卒=東京・日比谷)
――きょうの試合を振り返って
流経大を想定したときに相手の最大の強みはブレイクダウンで、特に流経大がディフェンスに立ったときのブレイクダウンが激しく、そこは絶対受けないようにということでやりました。ワセダのやることをやって主導権を握っていこうと。前半は風上に立ったこともあって陣地の方もうまく取れて、敵陣に入ってきっちり取りきってほぼ想定通りの試合運びでした。後半はまったく反対でしたね。ブレイクダウンのところで受けてしまって、こっちがしかけたアタックブレイクダウンで受けてしまっただけではなくて、逆に相手のアタックに対するタックルがはじかれてしまってどんどん食い込まれてしまって。大変お粗末極まりないプレーでまったく満足できるようなゲームではありませんでした。
プロップ上田竜太郎主将(スポ4=東福岡)
―‐きょうの試合を振り返って
前半は一週間準備してきたことができて、上手くいったんですけど、前半の最後の被トライと後半ラスト10分の戦いがありえないかなと。まだ思ったようにできてないので、ちゃんと修正します。
――準備してきたことというのは
アタックとブレイクダウンの部分です。前半は本当に上手くいきました。
――全国大学選手権に入り、アタックが好調のようですが
WTBでのトライやラインアウトモールからのトライは春から継続して練習してきたことなので、それが出せているのかなと。
――上田竜選手ご自身もボールを持つ回数が増えたように感じます
そうですね。最近は調子がいいので意識してボール受けるようにしています。
――一方でディフェンスは受ける場面が多かったですが
外国人のキープレイヤーに走られてしまって、ペナルティを重ねてしまってって感じですね。
――天理大と流経大という強豪校と試合をしてみて見えた収穫と課題は
先手必勝ができていることは収穫ですね。課題はラスト10分ですね。練習はしているんですけど、もっともっと時間を割いて改善していきたいです。
――次は大体大戦です。勝てばファイナルステージ進出が決まります
そうですね。ここ2試合で隙も見せてるので、隙を見せずに圧倒的な内容で勝ちたいと思います。
ロック芦谷勇帆(スポ3=京都・伏見工)
――いまのお気持ちは
強い相手だったので勝ててうれしいです。
――全体的にかなり集中して試合に臨んでいたように感じました
前半最初の20分は、みんな集中して攻めることができたのですが、前半の後半あたりからちょっと…。そこで1本トライを取られたのはちょっと不用意なトライだったなと思いますし、後半ラスト20分でやはり強いFWに前に出られてそれを止めきることができなかったので。そこは課題ですね。
――流経大のロックの選手とヒートしてるような場面もありましたが
プレー以外のところで、あまり良くないプレーでした。
――トライにつながるプレーもありました
たまたまです。
――個人的なできはいかがでしたか
FWのファイトするという部分では個人的には頑張れたのかなと思います。
――大体大戦に向けて
ラスト20分での集中力というか。そこでどのチームにもポンポンと2本くらいタライを取られるようなシーンがあるので、最後まで集中力を切らさずにやっていきたいですね。
NO・8古賀壮一郎(教3=福岡・筑紫)
――NO・8黒木東星(スポ3=東福岡)選手に代わっての先発出場でした
自分がミスしたり活躍できなかったりしたことでチームが負けたらシャレにならないという気持ちでした。東星以上の活躍をして、みんなの不安を吹っ飛ばすプレーができたらと思ってやりました。
――流経大のFWはいかがでしたか
流経大が強いチームだということは対戦する前からわかっていたので、自分も8分の1、15分の1の責任をしっかり果たそうと思ってやりました。
――後半にはスクラムからのトライを決めました
(プロップ)垣永(真之介、スポ3=東福岡)が前に出てくれていたので、ここはNO・8としてトライを決めなければならないという気持ちでした。
――反省点や課題などはありますか
ディフェンスと運動量の低さです。
――今後の目標を教えてください
このままAチームに絡みつづけて決勝で国立競技場に立つことと、信頼される選手になることです。
SO小倉順平(スポ2=神奈川・桐蔭学園)
――きょうの試合で印象に残ったのは
後半です。全体的に緩くなりましたね。前半は風上で、後半は風下になってから敵陣に行ったとしてもペナルティをしてしまいました。相手からのキックで自陣に入られてしまって、そこでやっている時間も長かったし、一発で取られるシーンもあって。ずっと対抗戦の課題だったことをそのままきょうも繰り返してしまいました。
――後藤監督(禎和、平2社卒=東京・日比谷)からはどのようなことを言われましたか
最後がいつもと一緒だよと言われました。このままだと勝てないよと。
――ご自身の出来としてはいかがでしたか。タックルはなかなか良かったのでは
いや、外人に弾かれたりしてしまったので、もっとやらないとダメですね。
――これで年越しに大きく近づいたわけですが、次戦への意気込みをお願いします
普通に勝つだけじゃなくて、隙を見せずに最後までこちらのペースで80分間やりきれるように頑張ります。
CTB藤近紘二郎(政経3=神奈川・桐蔭学園)
――きょうの試合を振り返って
前半は良い流れでできたんですけど、後半の後半は特に相手のペースになってしまったので、そこは修正すべきだなと思いました。
――前半の大量得点は、何がよかった結果だと思いますか
一人一人が強く前に出られたのが良かったと思います。
――流経大の印象はいかがでしたか
ブレイクダウンが激しいので、接点で負けないようと思って、そこで引けを取らなかったのがきょうの結果につながったと思います。
――後半にペースをつかめなかったのは
流経大の強い選手の縦の攻撃に受け身になったのが、相手のペースになってしまった原因かなと思います。
――来週に向けて意気込みをお願いします
来週の大体大戦もしっかり勝って、次のトーナメントに上がれるようにしっかり勝ちにい」きたいと思います。