早稲田スポーツ新体制特集
【第2回】垣永真之介主将
『背中で伝える闘将魂』
※この取材は2月21日に行ったものです。
苦しい時こそリーダーに
――昨シーズンを振り返っていかがでしたか
(悩んで)どうなんですかね…。
――どこかで歯車が狂ったという感じですか
歯車は狂っていないです。ただ力が及ばなかったということです。
――全国大学選手権準決勝の帝京大戦を終えたあとの取材で、敗因はあとでゆっくり考えるとおっしゃっていました。今改めてお聞きしてもよろしいですか
いろいろあると思いますけど、単純に早大より帝京大が上回っていたということです。
――どのような面で上回っていたのでしょうか
いや、もうすべての面で。
――主将就任の経緯を教えてください
後藤さん(後藤禎和監督、平2社卒=東京・日比谷)からそういう話があって、正式にOB会から任命されました。
――後藤監督からはどのような言葉をかけられましたか
きついときにリーダーになってほしいということを言われました。
――それを受けてどのようなことを思いましたか
必要とされているというのは嬉しいことです。期待に応えたいです。
――キャプテンとして過ごす日々はいかがですか
あんまり前と変わらないです。同期とか、周りがしっかり助けてくれるので。
――主将部屋には移られたのですか
いや、まだです。3月末くらいからですね。
意識改革
――ファーストミーティングではどのようなことを話されましたか
どう戦っていくかとか、ここで覚悟を決めないと駄目だということを話しました。
――先日の予餞会で「変わらなければならない」とおっしゃっていましたが、一番変えるべき点はどこだと思いますか
日本一になれるような選手になるという意識ですかね。
――まだ意識が甘いと
それで日本一になれなかったので、まだ甘いということだと思います。
――その意識は垣永選手が率先して周囲に示していくことになるのでしょうか
4年生がみんなで。
――副将の金正奎選手(教3=大阪・常翔啓光学園)についてどのように思っていますか
自分の相棒なんで。どちらがキャプテンというよりはダブルキャプテンというか。二人で引っ張っていくような形になればいいなと。
――心強い存在ですか
かなり。
――高校時代も主将を経験していますが、大学の主将はそれと比べていかがですか
重みがやっぱり違います。プレッシャーではないんですけど、やはり歴史あるチームなんで重みがあります。
――日本一の選手になるために個人的に伸ばしていきたいところはありますか
いや、全部です。
――フィジカル面の強化が重要だと思いますが、今はどのようなことに取り組んでいますか
ウエイトとか、体重を増やしたりとか。
――後藤監督が科学的なアプローチを取り入れているとおっしゃっていましたが
ひとつの方法としてやっていますね。
――後藤監督はどんな人物だと思いますか
男としてかっこいいです。
――後藤監督が思い描いているラグビー像について選手たちの理解度はどうですか
その年によって戦い方は変わると思うんですけど、昨シーズンは昨シーズンでよかったと思いますし、ことしはことしでまた理解はどんどん深まるんじゃないかと。
自分に厳しく、他人に厳しく
――監督と選手たちの掛け橋になるのが主将だと思いますが、監督の意志を選手たちにどう伝えていこうと考えていますか
伝えるというかやっぱり、見て感じてほしいなと思います。
――主将として、今後キーマンになると考えている選手はいますか
4年生みんなに頑張ってほしいです。
――春季の目標としては何かありますか
春はチームとしての土台がしっかり作れるといいなと思います。
――上田竜太郎前主将(スポ=東福岡)からは、主将に決まったときに何か言葉をかけてもらいましたか
いや特に…。常に一緒にいて話をしてくれていたので。
――オフの期間は何をなさっていましたか
福岡に帰っていました。
――リラックスしていたのですか
そうですね。
――同期に対して期待することは
全体的に優しすぎるので、もっと厳しくなってほしいなと思います。僕らの代は努力家しかいないんで、自分には厳しいんですけど、他人にも厳しくなってほしいです。
――帝京大の存在は気になると思いますが、いかがですか
いずれ越えなきゃいけない壁だと思うんで、そこをターゲットに頑張っていきたいと思います。
――今シーズンの意気込みをお願いします
日本一です。
――最後に、応援して下さるファンの方にメッセージをお願いします
厳しい目で見ていてください。
――ありがとうございました!
(取材・編集 坂田謙一、末永響子)
◆垣永真之介(かきなが・しんのすけ)
1991(平3)年12月19日生まれ。180センチ112キロ。東福岡高出身。スポーツ科学部3年。ポジションはプロップ。真剣な面持ちで色紙に書いてくださったのは『原点』の2文字。日本一になるために、部の意識から変えていこうという並々ならぬ決意を感じました。