早稲田大学ラグビー蹴球部WASEDA UNIVERSITY RUGBY FOOTBALL CLUB OFFICIAL WEBSITE

Beat Up

2024
  • SpoLive

早稲田スポーツ新体制特集「原点へ」【第5回】須藤拓輝×近藤貴敬

早稲田スポーツ新体制特集

【第5回】須藤拓輝×近藤貴敬
『荒ぶるへの最後の挑戦

 

 今季、初めて役職に就いた須藤拓輝(スポ3=東京・国学院久我山)と近藤貴敬(社3=宮城・仙台育英)。昨季は関東大学対抗戦から全国大学選手権まで苦汁をなめさせられた二人にとって、今年はいよいよ赤黒でのラストシーズン。新体制の雰囲気から『荒ぶる』への思いを語ってもらった。

※この取材は2月21日に行ったものです。
 

「態度で鼓舞していきたい」(須藤)

――お二人は委員に選出されましたが、その経緯は
須藤 キャプテンの指名ですね。

――それは去年から分かっていたことですか
須藤 全然知らなかったです。今年になってからです。

――委員に選出された心境は
須藤 今までの3年間より、この1年間は責任が大きいなというふうに思っています。
近藤 僕はあまり選ばれると思っていなかったので、少し驚きました。また、やはり幹部になるということなので、責任はすごく感じます。

――具体的にどのようにチームを引っ張っていきたいですか
須藤 キャプテンと副キャプテンがある程度しっかりしてくれているので、そのサポートをするのと、あとは態度など、僕らが(しっかり)やることで下のチームの人たちや同じチームの人たちを鼓舞できるようにしていきたいとは思っています。
近藤 僕も拓輝と同じで、キャプテンと副キャプテンがしゃべりのほうはやってくれるので、僕たちは行動のほうでしっかりと示すことができれば良いかなと思います。

――去年の委員から踏襲したいことはありますか
須藤 いや、今年は今年でやっていきたいとは思っています。

――ファーストミーティングではどのような話をしましたか
須藤 主に、今年ワセダがどうやって勝っていくか、そのためにどういう練習をしていくかということですかね。

――新チームの雰囲気はいかがですか
近藤 去年も一昨年も勝てず、僕たちは優勝を知らない代なので、前の代と同じことをやっていたら絶対に勝てないということで、新チームが始まってから新しいことは始めてきている感じです。

――具体的には
近藤 とりあえず、春の間にサイズを大きくするということが目標です。
須藤 用具の片づけだったり、当たり前に今までできていなかった細かいところから少しずつこだわっていって、強いチームをつくっていこうということでやってはいます。

――垣永真之介主将(スポ3=東福岡)はどのような方ですか
須藤 見たままの人です…。
近藤 すごく皆を引っ張ってくれるので、信頼できますね。
須藤 見た目がすごいって書いておいてください(笑)。

――垣永主将が新4年生は「他人に甘く自分に厳しい。もっと周りに厳しくしてほしい」とおっしゃられていました
近藤 僕は特に、他人にあまり強く言えるタイプではないのですが、今年は4年生かつ委員という立場になったので、しっかり言うところは言っていかなければと感じてはいます。
須藤 僕らの代でワセダが終わるわけではなくて、来年からも強いワセダで居続けるために僕らが残していかなければならないこともそういうことだと思うので、厳しくやっていこうとは思っています。

――後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)はどのような方ですか
須藤 信頼しかしていないです。信じてついていきます。格好良いです。

――後藤監督から言われた言葉で印象に残っているものはありますか
須藤 いっぱいある…。試合前の言葉は全部感動します。鳥肌が立ちます。

――金正奎副将(教3=大阪・常翔啓光学園)はどのような方ですか
二人 最強ですね、正奎は。
須藤 (早稲田スポーツの479号の)『異彩を放つ最強戦士』で完全に愛称が『最強』になっちゃったんです(笑)。それか、何かの記事で『狼』と書かれていたので、『狼』です(笑)。『最強の狼』って書いておいてください(笑)。

――新4年生の仲は良いですか
近藤 すごく仲良いですね。
須藤 ここ(近藤選手と須藤選手)以外は。最近ちょっとギクシャクしてるので(笑)。冗談です(笑)。

 

「相当努力をしないといけないと思った」(近藤)

――昨シーズンを振り返って
近藤 試合が終わってから思うのは遅いかもしれないけど、もっとシーズン中にやれることがあったんじゃないかなと思います。
須藤 結果が全てだなと思いましたね。

――春シーズンはA~Eまで全てのチームが全勝で締めくくったが、その時のチームの雰囲気は
須藤 やっぱり勝っている時は雰囲気も凄く良かったんですけど、夏合宿で帝京に負けたことで普段から負けることに慣れていなかったので凄く精神的にダメージも大きくて、そこで上手く切り替えれなかったのが良くなかったと思います。

――夏合宿での帝京大戦後に監督から何か言葉はかけられたか
須藤 基本的には同じことで、今までやってきたことを追及しいていこうというのと、今回の敗戦を糧にしていこうということです。

――対抗戦では29年ぶりに3敗を喫したが、チーム、そして個人として何が足りなかったと思うか
須藤 結果を見てもらえば分かると思うんですけど全部逆転負けで、最後10分集中しなくちゃいけないというのは早明戦などでも分かっていたんですけど、それが出来なかったのも良い意味でも悪い意味でもルーズだったのが原因だと思います。
近藤 最後の10分がチームとして走りきれなかったのと、単純にサイズがそれぞれ足りなかったと思います。

――大学選手権ではグループリーグで順調に勝ち上がっていったが、対抗戦の時から何か改善していった点は
須藤 戦術としてはいろいろと対抗戦から変えてはいったんですけど、正直あんまり手応えは良いものではなくて、なんやかんやで課題の残る試合が続いたと思います。
近藤 基本的なとこは年間通してやってきたとこだったので変えたりはしなかったんですけど、やっぱり最後の10分を集中するというのを意識してました。

――準決勝前のチームの雰囲気は
須藤 一年間を通して一番良い状態だったと思います。
近藤 一週間みんな必死に練習してきて、すごく雰囲気も良かったと思います。

――前半はリードして折り返したが、後半は逆転され結果的に完敗でしたが何が足りなかったと思うか
須藤 足りなかったというよりは、これが一年間やってきて埋まらなかった差なのかと思いました。たらればで終わってしまうんですけど、あれをやっとけばと思うことがたくさんありました。
近藤 僕も凄く差を感じた試合でした。この差を埋めるためには相当努力をしないといけないと思いました。

――ということは今年も帝京大を意識して練習をしていくのか
須藤 もちろん強いチームを目指して一年間やっていくつもりです。

――試合後に4年生からどんな言葉をかけられたか
須藤 来年こそは頼むぞという感じの言葉でした。
近藤 僕も同じで、来年こそは優勝してくれよということを言われました。

――シーズンが終わってオフの期間は何をしていたのですか
近藤 就活ですね。
須藤 リフレッシュしてました(笑)。大学の友達とではないんですけど。
近藤 どういうこと?
須藤 地元の友達と遊んでた。かなりリフレッシュできましたよ(笑)。

 

「日本一しかない」(須藤)


――練習も始まりましたが、チームの雰囲気はいかがですか
須藤 みんな身体が大きくなっています。目標体重の設定は無理をして上に設定してやってもらっているのですが、ほぼ全員クリアしているので成果は出ていると思います。
近藤 まだ練習らしい練習もはじまっていないので何とも言えませんが、みんな仲が良いので楽しそうにやっています。

――春の試合に向けて特別な思いはありますか
須藤 個人的には、春も結果を気にしたいとは思っています。でも秋に勝つのが一番なので、秋に向けたことを春できればと思います。
近藤 6月の最後に帝京大との試合が組まれているので、そこまでにどれだけ自分たちが差を縮められているのか確かめたいと思っています。他の大学との試合を気にしないわけではないのですが、僕個人としてはそこに重点を置きたいです。

――『荒ぶる』に向けてワセダに必要だと思うものは
須藤 ラグビーだけやっても勝てないということがこの3年で十分わかりました。なので、生活や食事などいろいろなところをやっていこうと思います。
近藤 もちろん技術的なところは必要だと思いますが、それ以外でも拓輝が言ったように、私生活の面でも当たり前にできることを出来るようにならなければいけないと思うし、私生活を見直すことが必要だと思います。細かいことになりますが、食事の面だったり、片付けだったりとかそういうことですね。

――今シーズンの目標は
須藤 日本一しかないです。そこを見て一年間やっていきたいです。
近藤 まだ『荒ぶる』を歌ったことがないので、今年こそ歌えるように日本一を目指します。

――ありがとうございました!!

(取材・編集 大水渚、北田ゆず、増山祐史)


写真左
◆近藤貴敬(こんどう・たかゆき)
1991年(平3)7月28日生まれ。180センチ、93キロ。ポジションはロック。宮城・仙台育英高出身。社会科学部3年。今季の目標は悩みに悩んだ末に、『厳しく』。寡黙ながらも「行動で示したい」と意気込む姿からは、新シーズンへの思いが確かに伝わってきました!

写真右
◆須藤拓輝(すとう・たくる)
 1991年(平3)11月15日生まれ。174センチ、95キロ。ポジションはフッカー。東京・国学院久我山高出身。スポーツ科学部3年。目標を「日本一しかない」と語った須藤選手が書いた言葉は『強く』。プレーと態度で仲間を駆り立て、強いワセダの立役者となってくれるでしょう!

早稲田スポーツ特集ページ