関東大学対抗戦 対成蹊大 10月13日 埼玉・熊谷ラグビー場
関東大学対抗戦(対抗戦)3戦目。前回の筑波大戦で劇的勝利を生んだSO浅見晋吾(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が、初のスタメンに名を連ねた。強風に苦しめられつつも計12トライを奪い、70-7で早大が勝利。ケアレスミスが目立ち内容は良かったとは言えないが、対抗戦3連勝を飾った。
前半風下に立った早大は開始3分、成蹊大のペナルティーから生まれたチャンスをFB滝沢祐樹(基理2=福島)がしっかりと沈め先制。自陣からパスを回すラグビーを選択し、徐々にエリアを押し上げていく。立て続けに2トライを奪い、16分には右のWTB荻野岳志(先理3=神奈川・柏陽)が80メートルの独走トライを決める。続いて20分には右サイドでのターンオーバーを左へ展開。WTB深津健吾(スポ3=東京・国学院久我山)が抜け出し、27-0と点差を広げた。CTB飯野恭史(商3=東京・早実)がパスフェイクで抜け出し得点を重ねると、終了間際には自陣前から一気に敵陣22メートルラインまでエリアを戻しフランカー金正奎(教4=大阪・常翔啓光学園)が中央にトライ。ここまでほとんど向かい風に押し戻されていた浅見のコンバージョンキックも決まり、39-0で前半を折り返した。
後半は早大に有利となった風向きを利用し地域を支配。早々と2トライを奪う。続く11分にはCTB坪郷勇輝(商4=東京・早実)の突破から飯野がこの日ハットトリックとなるトライを決めた。しかし一転、攻めあぐねる時間が続く。19分には浅く入ったパスをインターセプトされ、成蹊大に対抗戦初トライを献上。早大は個人突破を図る選手同士で連携が取れず、ミスを連発する。沈黙を破ったのは後半滝沢に代わって入ったFB廣野晃紀(社4=東京・早実)。トップスピードでボールを受け取るとそのままインゴールへ駆け込み鮮やかなトライを取る。その後も早大は追加点を挙げ、調子を戻したかに見えたが後が続かず。最後は集中力が切れた形でノーサイドの笛を聞くことになった。
「このような試合をしていたら帝京大には勝てない」(金)。点差は付いたものの、要所要所でミスが目立つ試合となった。目標を帝京大戦に据える早大にとって、つまらないミスは命取りになる。現在対抗戦は全校3試合ずつが終わり、全勝は早大と帝京大のみ。このまま全勝で帝京大戦を迎えるためにも、次戦・青学大戦で気の緩みは許されない。
(早稲田スポーツ新聞会 北田ゆず)
◆コメント
プロップ垣永真之介主将(スポ4=東福岡)
――試合を振り返って感想をお願いします
ミスが多かった。この言葉に尽きると思います。前半はよかったんですけど、後半は自分勝手に行動しすぎてしまいました。楽なラグビーをしようとしてしまったのが、よくなかったです。
――風上に立った後半に、点数が伸び悩んだ原因は何だと思いますか
単純なミスです。
――テーマである『規律と集中力』に関していかがですか
全然満足していません。このような試合をしていたら帝京大には勝てないので、改善していきたいです。
――次の試合に向けて抱負をお願いします
帝京大戦までのプロセスと考えているので、納得いくゲームをしたいと思います。
フランカー金正奎副将(教4=大阪・常翔啓光学園)
――チームとしてどういったテーマで臨まれましたか
練習でやってきたことを積極的に出しきるというのがテーマだったのですが、なかなか良いかたちで展開できなかったというのは反省だと思います。
――良いかたちで展開できなかった要因は
やっぱりミスですかね。やりたいことをやる前にミスが出てしまったので。特にBKのハンドリングエラーが多かったのがもったいなかったと思います。
――前回の筑波大戦を踏まえ、どんな練習を行ってきましたか
まあでも変わらず、あくまでも目標は帝京大なので。しっかりフィットネスレベルを上げながら、練習してきました。
――ゲームで見えた課題を教えてください
基本的なタメの部分ですね。BKラインのタメとか。その他にもハンドリングスキルとか基本的なところが課題になると思うので、後戻りしないようにチームに言っていきたいです。
――ご自身のテーマは何ですか
自分らしさをしっかり出すというか、サポートプレーなどでうまくできたかなと思います。
――青学大が慶大を破りました。次戦の青学大戦に向け意気込みをお願いします
相手がどこであれ、自分たちがやるのはワセダのラグビーなので。相手の成績はあまり考えず自分たちにベクトルを向けて良い準備をして、最高のパフォーマンスをしていきたいと思います。
ロック芦谷勇帆(スポ4=京都・伏見工)
――前半、風下でのプレーとなりました
キックで陣地が取れないので、自陣でも回していきましたが、向こうのディフェンスのプレッシャーがあってうまくいかない部分もありました。テンポも速くするようにしましたが、タテに強くいくべきでした。
――後半は風上となりましたが、攻めあぐねた感がありました
自分たちのミスでチャンスをものにできませんでした。
――ラインアウトに関してはいかがですか
風の強さにももっと早く対応すべきだったと思います。
――本日見つかった反省点はありますか
ミスが多いことですね。もっと強いプレーを選択すべきだったと思います。
――慶大が青学大に負けました。次戦、青学大戦に向けて一言お願いします
自分たちがやることは変わりません。弱い相手ではないので、自分たちの精度を良くして気持ちよく勝ちたいです。
フランカー布巻峻介(スポ3=東福岡)
――試合を振り返って感想をお願いします
風が強くて、前半はキックがあまり使えない展開だったんですけど、うまく継続して前に出ようという意思は見られたかなと思います。
――成蹊大のディフェンスはタックルが早く手強かったと思いますが、いかがですか
低くて倒しにくいタックルだったので、やはり僕たちはそこで倒れてはいけないということは話していました。
――布巻選手は他のフランカーになってからもBKの選手のように攻撃参加をすることが多いようですが、意識的にそうしているのですか
そうですね。自分の中で考えて、空いているところを探しながらやっています。
――次は本日の試合で慶大を破った青学大です
僕らのターゲットはもういまは青学大に切り替わったので、そこだけを見て、集中してやっていきたいと思います。
NO・8佐藤穣司(スポ2=山梨・日川)
――試合を振り返って感想をお願いします
細かいミスがとても多くて、流れがつかめませんでした。これが、帝京大のような強い相手だったときには、自滅してしまうので、反省したいです。
――風が強かったですが、プレーに影響は出ましたか
多少パスが乱れたり、ラインアウトが安定しなかったりとやりづらさはありました。ですが、大事な場面で天候が悪いことはこれからもあると思うので、どんな時でも100パーセントのセットプレーができるようにしていかないといけないと思います。
――前半はトライを挙げるシーンもありましたね
(浅見)晋吾(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が自分でトライすることもできたと思うんですが、パスをくれたので…。あれは晋吾がくれたトライですね。
――後半は得点が伸び悩んだ印象を受けましたが、いかがですか
細かい部分でのミスや、攻める場面で取りきれなかったのが原因です。あとはラインアウトの時の僕のサイン出しやスローが乱れることがあったので、もっと詰めていかないといけないと感じました。
――見つかった課題は何かありますか
セットプレーと、取りきる場面では取りきるということが重要になってくると思います。
――次に向けての意気込みをお願いします
今回と同じ課題が出ないように、残りの期間でしっかり集中してやっていきたいです。
SH岡田一平(スポ2=大阪・常翔学園)
――試合を振り返っていかがですか
自分たちのラグビーを80分間集中してやるというのが僕らの目標でした。個人的に少し欲が出てしまいましたね。SHはチームを勝たすためにいるのに、自分で行きすぎた部分がありました。上の試合になっていくと、大事なチャンスのところで、自分がボールを離してトライにつなげるというのが大事なので、そこは反省しているところです。
――後半の失点は何が原因でしょうか
隙を見せたということだと思います。インターセプトはアンラッキーということもあるかもしれませんが、そこも相手と周りを見れば回避できました。どんな試合でも、ワセダは隙を見せずに100パーセント試合に挑まないとだめなんだということが今回わかりました。
――風が強かったですが、パスに工夫されましたか
いつも通りパスをしなければいけないですが、風が強いので、SOの浅見(晋吾、スポ2=神奈川・桐蔭学園)に少し近くにいてくれとか、風の影響があるから気を付けてという声かけはしました。パスはいつも通り自分のパスを放りました。浅見も、ゲームメイクはしんどかったと思いますが、僕たちは風が吹こうと雨が降ろうと自分たちのゲームをしなければいけないので、100パーセントで戦っていきたいと思います。
――自分でボールを持ってゲインを狙うシーンが多かったですね
いつもよりブレイクダウンのプレッシャーが少なくて、いつもより自分に余裕ができて前が見れたので、その分自分でいってみようという意識があったのだと思います。
――技術的な課題は見えてきましたか
今回の試合のように自分に余裕ができて前が見れるようになれば、そこでの判断が大切です。それも技術の一つだと思うので、正確な判断ができるように練習していきたいと思います。
――次戦は慶大を下した青学大戦です
ワセダはどんな相手でも100パーセントやるだけです。頑張ります。
SO浅見晋吾(スポ2=神奈川・桐蔭学園)
――試合を終えて感想はいかがですか
いい内容ではなかったですね。
――対抗戦では初先発でしたが試合前の心境はいかがでしたか
特に意識することはありませんでした。いつも通りの気持ちで試合に臨みました。
――ご自身のプレーはいかがでしたか
課題の残る内容でしたね。風がある中で、もっとキックを有効に使ったり、FWを楽にしてあげることができたと思います。
――強い風が吹く中での試合となりましたが意識したことはありますか
ボールを蹴ることができないくらいの強い風だったので、ボールをしっかり見て蹴るようにしていました。
――青学大戦への意気込みをお願いします
相手を意識することなく、自分たちのラグビーをするだけです。
CTB飯野恭史(商3=東京・早実)
――試合を振り返っていかがですか
点差は開いたのですが、もっとトライを取れた試合だと思います。
――ハットトリックの活躍でした
味方がいるところに追い上げて、たまたまパスをもらえた感じなので、そこまで良かったとは思っていないのですが、追い上げの部分は意識してできたので良かったと思います。
――風の影響は大きかったですか
前半風下の時に、無理に攻めて全然前に行けず悪い流れになってしまいました。途中でキックに切り替えたのですが、早い段階で修正できていればもっと楽な試合ができたと思います。
――CTBのポジション争いは大変だと思いますがいかがですか
今はたまたま他の人の調子が悪かったりとか、自分がいいところで活躍できたりとかがあって、もっと安定感がないとこの先の試合は出られないと思うので、そういう部分を意識してやりたいと思います。
――筑波大に勝利してから2週間が経ちましたが、チームはどのような雰囲気でしたか
勝ってもゆるむことなく集中して練習ができていて、今後も集中してやっていきたいです。
――最後に次戦に向けて一言お願いします
今のままだと負けると思うので、もっともっと精度の高いラグビーをしていきたいです。
WTB荻野岳志(先理3=神奈川・柏陽)
――試合を振り返ってどうでしょうか
個人的にはトライを取り急いでしまいました。強気に行こうと思ったんですけど、それが裏目に出てしまって。周りをもっと生かせたらトライを取れたのにというシーンが多かったです。そういう意味で次の青学大戦では(金)正奎さん(教4=大阪・常翔啓光学園)がサポートについてくれているので、それを生かせるようなプレーをしたいと思います。
――チームとして70-7というスコアはいかがでしょうか
前半いい形でゲームが進められたのですが、後半は攻めきれずにチャンスをミスで取りこぼす場面が多かったです。帝京大が相手の場合はワンチャンスしかないと思うので、しっかりチャンスで取りきれないといけないと思いました。
――後半の失点に関してはどうでしょうか
バックスリーのコミュニケーションミスです。取られてはいけないトライでした。
――ゲインしてトライも決められましたが、ご自身のトライを振り返ってどうですか
そのトライよりもトライを取れなかったことが自分として課題になりました。ビデオで見返したいと思います。
――荻野さんにボールが多く集まっている印象を受けました
そうですね。でも裏にボールが出てもその後にトライが取れなかったので。かなり反省点の多い試合でした。
――青学大戦への意気込みを教えてください
この試合で出た課題を反省して、しっかりビデオを見直したいと思います。それで今度は同じ状況で改善できるように、トライにつなげられるようにしたいと思います。