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2024
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【連載】新体制特集 『Innovation』 第3回ロック河野秀明×SO浅見晋吾

特集第3回は寮長を務めるロック河野秀明(創理4=東京・早実)と委員を務めるSO浅見晋吾(スポ4=神奈川・桐蔭学園)の対談をお送りする。昨季は定位置を確保することができず、Bチームに甘んじる結果に終わった2人。ラストイヤーは笑って終わるために――。中枢を担う今シーズンにかける思いの丈を伺った。
※この取材は3月2日に行われたものです。
 

「自分からどんどん発信を」(浅見)

――寮長と委員に就任した経緯を教えてください
浅見 藤田(慶和副将、スポ4=東福岡)が本当はバイスキャプテンというかたちでいるのですけれども、日本代表の活動で100日間くらい早大にいなくて、そうなるとBKのリーダーがいないということで1人選ぼうってなった時に僕が選ばれたというかたちですね。
河野 頼れるBKだと思うのでいいと思います(笑)。僕も新4年生の中で誰がいいかを話し合って、多数決で僕になったという感じです。
――それは4年生の中で多数決をされたのですか
河野 ことしの寮生の4年生でしました。僕と仲元寺(仲元寺宏行、社4=広島・尾道)のどちらかで割れて、近田(望、法4=東京・早大学院)が僕に入れて6-5で僕になりました。(笑)。
――毎年寮長は多数決で決められているのですか
河野 いや、分かんないですけど、ことしはそんな感じでした。
――決まった時の心境を教えてください
浅見 光栄なことですし、責任もありますけどいろいろと楽しみですね。
河野 最初はすごく面倒なことだなとも思っていたのですが、推薦されるといやな気はしないので、やってやろうという感じです。
――やはり寮長の仕事というのは多いのですか
河野 あんまり無いのかなと思っていたのですが、雑務みたいな仕事が多いです。
浅見 ルールなどを決めるのも全部寮長です。
河野 そうですね。ルールを決めたり、きょうの昼に食べた鍋の割り振りとかを決めたり、モップに名前書いたり、場所の名前書いたり、数が足りない物があったりしたら買いに行きます。
――先ほど皆さんがお昼に鍋を食べられていたていたと思うのですが、全部員で体重強化を目的にということでしょうか
浅見 Aチーム、Bチームだけですが、体重アップのためですね。
――皆さん普段から多くの量を食べられるのですか
浅見 はい。めちゃくちゃ食べます。吐きそうです(笑)。朝から食べています。
河野 ほんとに朝から食べていますね。ご飯のグラム数を決めてしっかり食べるようにしています。
浅見 450グラムという決められた量を食べています。パッとこないですよね(笑)。朝見るとうえってなります。
河野 今朝も(山岡)篤樹(教4=東京・本郷)とか(鈴木)亮(教4=神奈川・桐蔭学園)とかもうえってなってたもんね(笑)。
浅見 俺も無理だわ(笑)。
――寮長からやはり食べるように指示をされるのですか
河野 そうですね。でも食べさせる係はまた別にいるのでそいつが頑張ってくれています(笑)。
――ちなみに食べさせる係はどなたでしょうか
河野 貝塚(隼一郎、政経4=埼玉・早大本庄)がやってくれています。
――自分がそれぞれの役職に就任するだろうという予想などはされていましたか
浅見 全くないですね。びっくりです。
河野 全然思ってもいなかったです。
――もう引継ぎ等はされましたか
浅見 一応就任式があって、部長さんからかたち上の任命式がありました。
――新しい役職にはもう慣れましたか
河野 まだまだやることがあるので、何とも言えないです。
――新入生が入寮されてから寮長の仕事は増えてくるのでしょうか
河野 そうですね。また仕事教えたり、ルールも教えたりしなきゃいけないので。
――委員はどのようなお仕事をされていますか
浅見 きのう始まったばっかりなので、まだ特に仕事はないです。
――シーズンが始まると試合ごとにお仕事があるのですか
浅見 そうですね。毎週集まってやるみたいです。
――どのような寮長、委員を目指したいとお考えですか
浅見 岡田(一平主将、スポ4=大阪・常翔学園)がキャプテンなので自分がBKリーダーになったというかたちなのですが、岡田や佐藤(穣司副将、スポ4=山梨・日川)に頼らないようサポートしていきたいなというのはあります。あと、キャプテン、バイスキャプテンに頼るだけではなくて自分からどんどん発信していきたいなという理想はありますね。
河野 僕はあれやれこれやれと上から言えるキャラじゃないので、いろんな人から話を聞いて、一番いいかたちできれいな寮にしていけたらなと思います。
 

「Aチームで出る資格もなかった」(浅見)

――昨季のシーズンの結果をどのように捉えられていますか
河野 難しいですね。
浅見 Aチームとして出ていないから言える立場ではないというのはありますね。
――最後の東海大戦はスタンドで観戦なさっていたと思うのですが、4年生の引退が決まってしまった時はどのようなお気持ちでしたか
河野 呆気ないのだなという感じでした。
浅見 そうだね。呆気ないなあって。
――ではご自身のプレーに関してはどのように評価されますか
浅見 ずっと帝京大をターゲットにやってきて、僕はずっとBチームで出ることが多かったのですけれど、夏も秋も負けてしまいました。自分はBチーム相手なのに体の面とかでも全然戦えず、Aチームで出る資格もなかったのでまだまだだなっていう感じですね。
河野 ずっと帝京大に勝つことを目標にしていたのですが、それ以前に自分のスキルが足りないということを再確認した年でした。今季は基礎的なことから、土台となるようなところもしっかりやっていきたいです。
――Bチームで出ることが多かったと話されていましたが、Bチームのシーズンを振り返っていかがでしたか
浅見 結局(関東大学ジュニア選手権は)全敗で、入れ替え戦で勝っただけなので、どうなんですかね…。
河野 悪い流れになるとそのままだったなと。
浅見 弱かったですね。
河野 いけそうな試合も落としたしね。
浅見 帝京大Bと明大Bだけはちょっと差があるなという感じだったのですが、その他の慶大B、東海大Bにかんしては勝てた試合を落としたので、まとまりがなかったのではないかなと思いますね。もっともっとミーティングを重ねたりするべきだったなと思います。僕はSOという要のポジションなのに、3年生だからちょっと遠慮していた部分もあって、もっとミーティングなどをして話せていたりできたら良かったなという後悔があります。
――12月には久しぶりに八幡山で明大Bに勝ったように、終盤になるにつれまとまっていた印象があるのですが振り返っていかがですか
浅見 僕は直前に教職の実習が入って出ていないんですよね(笑)。
河野 いるのかいないのかみたいな感じだったよね。結局いないんかいみたいな(笑)。あの試合はすごくまとまってうまくできたと思いますが、やはり本気のメイジじゃないっていうのはあるので。
浅見 Cチームくらいだよね。
河野 そこでいいパフォーマンスを出せても遅いし意味がないので、(全国大学)選手権で出せるようにしないといけないなって思います。
――シーズンを通して成長したなと感じる点を聞かせてください
浅見 スキル面全体的には成長したと思っているのですが、帝京大にという部分に対しては全くだなと感じます。成長はしていますが、まだまだと思います。
河野 ラインアウトに関して一昨年はCチームだったのですが、昨季はBチームとして他大学のラインアウトを研究したりする場面が多くあったので、色々なラインアウトを研究して対応力は上がったかなという感じはしますね。
――逆に赤黒に定着できなかった理由としてはどういった点が挙げられますか
浅見 後藤さん(禎和監督、平2社卒=東京・日比谷)との信頼関係かなというのがありますね。Aチームに出る選手は後藤さんの信頼があるからで、出られない理由としては信頼がなかったからなのかなというのがあると思います。
――その信頼に必要なのはプレーのスキルなどですか
浅見 そうですね。メンタル、ディフェンス、スキル全てだと思います。
河野 僕の場合は本当にスキル的な問題で出られなかったかなという気はしますね。
 

「徹底してやり切る」(河野)

――後藤監督のもとで4年目のシーズンとなりますが、監督はどのような方ですか
河野 去年までのやり方では勝てないということは僕たちも後藤さんも分かっていることで、後藤さんも今季からは新しいことに挑戦しないといけないということを考えてくださっています。そこに僕らの意見を足していって、本気で日本一なれるようなチームになりたいです。
浅見 僕も同じ感じです。
――主将は岡田選手が就任しましたが、予想はしていましたか
浅見 そうですね、佐藤穣か岡田かだと思っていたので、戸惑いもなかったですね。
――主将になった岡田選手の印象を教えてください
浅見 そのままのあいつでいてほしいです。キャプテンになったからって変に意識するとおかしくなりそうなので(笑)。あいつに仕事が多いとおかしくなっちゃうので、自分も委員になるのでサポートしていけたらいいなと思います。
――副将の佐藤穣選手についてはいかがでしょうか
河野 どちらかがキャプテン、どちらかがバイスキャプテンかなと思っていました。自分は寮のことで一平とか穣司に相談することが多いので、いろいろ相談できるいいメンバーです。
――最上級生となる4年生の雰囲気を教えてください
浅見 下の学年や上の学年の方に聞くと、めちゃくちゃ仲が良いと言われますが、逆に仲が良すぎて仲良しクラブになってしまうとも言われています。なので、そこがどう影響するかですね。
――オフ期間は同期のみなさんで出かけたりするのでしょうか
河野 まぁ、ある程度はという感じです(笑)。
――今季のプレー面について伺います。河野選手は大峯功三前主将(平27スポ卒=福岡・東筑)が抜けポジション争いが激しくなりますが、どう考えていますか
河野 もうとにかく頑張るだけですね。今季はロックとしてボールキャリアーとして重きを置いて練習すると決めたので、ボールを持ったら前に出られるようなプレーヤーになり、みんなから信頼されるようなプレーヤーになればAチームとして出ることもできると思っています。
――浅見選手にとっても小倉順平選手(平27スポ卒=現NTTコミュニケーションズ)が卒業しますが、SOのスタメン奪取に向けてどういったところをアピールしたいですか
浅見 アピールしたいところは安定性ですかね。
――昨夏の対談でも安定感が持ち味とおっしゃっていましたが、自身のある部分なのでしょうか
浅見 とはいえ僕にとってはまだぶれていると思うので、安定したプレーができるようにしたいですね。
――春は個人スキルを伸ばす時間があると思いますが、個人として伸ばしたいポイントを教えてください
河野 僕はFWなので帝京大と戦えるだけのフィジカルを付けるということは前提になると思っています。あとはボールキャリアーの部分で前に出られる力やスキルを習得していきたいです。
浅見 僕はディフェンスとキックですね。
――新体制として初のミーティングではどのようなことを話しましたか
浅見 コーチ陣が大きく変わるということでその紹介と、ウエイトコーチやメディカルも変わるのでその話もありました。あとは今季をどのように戦うか1年のスケジュールを見せられた感じですね。
――なにかスローガンは決まりましたか
浅見 はい。『Innovation』、変革です。
――変革ということですでに変わってきたことはありますか
浅見 寮はけっこう変わったんじゃない?
河野 食事は朝食からしっかり食べるようになったことや、きょうの昼食の鍋のように、食事面から徹底してやっていこうと全体で決まりました。
――昨年の4年生が卒業し、チームの雰囲気にも変化は感じますか
浅見 やりやすいですね、やっぱり(笑)。決して先輩が気まずいとかやりにくいということではなく、最上学年となるといろいろ大変なこともありますが、やりやすさはあります。まだ始まったばかりなので、雰囲気がどうなるかは全然わかりませんが、午前中にウエイトトレーニングをやっただけでも違うなと感じました。
――3月や4月はどのようなことに力を入れていくのですか
浅見 基礎的なスキルを徹底するということと、体を大きくするということ。それだけですね。
――サイズアップということで目標値などもあるのでしょうか
河野 僕は4月末までにあと2キロくらい増やします。
浅見 3キロですね。僕の場合は増やすのが非常に大変です(笑)。
――今季日本一になるためにどのようなことが必要でしょうか
河野 みんなが同じことを考えて意識を共有し、決めたことは徹底してやり切ることが必要だと思います。
浅見 後藤監督がおっしゃった、『イノベーション』という言葉が全てだと思っています。
――今シーズンのご自身の意気込みを聞かせてください
浅見 僕は悔しい思いもかなりしているので、今季こそはワセダの10番を着続けたいと思います。
河野 帝京大に勝つということだけですね。
――応援するファンの方にメッセージをお願いします
浅見 ぜひ試合会場に足を運んで、応援してください。よろしくお願いします!
河野 いままでとは違うワセダが見られると思っています。試合を見に来ていただくことが僕らの力になるので、ぜひ応援よろしくお願いします!
――ありがとうございました!
(取材・編集 菅原拓人、藤巻晴帆)

 
河野秀明(こうの・ひであき)(※写真右)
1993(平5)年8月13日生まれのO型。182センチ、97キロ。東京・早実高出身。創造理工学部4年。ポジションはロック。本人は予想外だったという寮長への就任。ラストイヤーは寮長としてもプレーヤーとしても、色紙に書いた言葉と同様『徹底』してやり遂げてみせます!
浅見晋吾(あさみ・しんご)(※写真左)
1993(平5)年4月2日生まれのB型。170センチ、80キロ。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部4年。ポジションはSO。朝から450グラム(およそ2.5合)の白米を食べることに「苦しいです(笑)」と本音を漏らした浅見選手。目標の3キロ増に向けて頑張ってください!