早稲田大学ラグビー蹴球部に所属する2~4年生の選手・スタッフが相互インタビューで理解を深める連載企画、第1回は武内陸(3年・HO・早大本庄)
取材:小西泰聖 構成・写真:早稲田大学ラグビー蹴球部広報
高校から楕円球に触れた男は、感謝の気持ちをこめ愚直にタックルを繰り返す。
アメリカで生まれ海外を転々としてきた武内は、寮のある日本の高校を希望し早稲田大学本庄高等学院に入学した。「スポーツ史上最大のジャイアントキリング」とも言われた南ア撃破を成し遂げた2015年ラグビーワールドカップ日本代表の躍進に影響を受け、入学と同時にラグビー部への入部を決意する。
付属校ということもあり、早稲田の試合を観る中で徐々に大学のアカクロに対する憧れを抱くようになる。そして、大学でもチャレンジする決意を固めた大きなきっかけは、早稲田のOBでもあり高校に指導に来てくれていた恩師・佐土原コーチに勧められたことだ。ちなみに、コーチの息子さんはひとつ下で部に所属する佐土原脩(2年・FL/LO)である。
そんな武内が「人生で一番うれしかったこと」は、昨年の冬に行われた東京ガスとの試合でこれまで自主練で特に練習してきたタックルをよい形で決めることができたことだ。先輩の黒田さん(2020年度卒・PR)らと準備してきたことが実戦で実を結び、結果で感謝を示すことができたのがとてもうれしかったと語った。
昨年は「シニアに上がる」ことを目標としていた武内だが、小さな怪我を引きずり万全の状態でプレーすることができなかった。B戦に出るなどチャンスは目の前にたくさんあったのに、万全ではなかったがゆえにそれらをものにすることができなかったことを後悔している。
上級生となった今年、アカクロを着るためセットプレーと強みのタックルを磨く武内は、今日も愚直にタックルを繰り返す。