早稲田大学ラグビー蹴球部に所属する2~4年生の選手・スタッフが相互インタビューで理解を深める連載企画、第13回は米田圭佑(4年・WTB・石見智翠館)。
取材:小林賢太 構成・写真:早稲田大学ラグビー蹴球部広報
勝利への執着こそが早稲田。
父親がラグビーをしていた影響で、幼い時から大学や社会人のラグビーを観るようになった。その時、大学では早稲田が優勝しており、優勝した時にだけ「荒ぶる」を歌うという特別感に惹かれて憧れを持ったのが始まりだった。
トップレベルで自分のラグビーを向上させたいという気持ちが強く、花園出場と早稲田への進学という目標を持って島根の石見智翠館で文武両道と寮生活を貫いた。結果、早稲田への指定校推薦をもらうことができ、目標のひとつは達成することになる。
だが、もうひとつの目標は叶わなかった。
最後の花園で当初の構想メンバーに入っていたものの、最終メンバー確定の時点で外されてしまう。チャンスはあったのに、そこを逃してしまった自分自身への情けなさ、そして、高校入学時に立てた「花園に出て優勝する」という目標が達成できなかったことがとにかく悔しかった。
大学に入学後、コツコツと練習を積み上げて徐々に力をつけてきた実感がわいてきた頃にそれは起きた。
「前十字靭帯損傷」
セブンズの試合で無理なプレーをしてしまったことが原因だった。その怪我は尾を引き、今もまだ練習に完全復帰はできていない。だが、今はチームがやろうとしていることへの理解を深めるために必死になってチームビデオを見たり、負傷した右足の筋力強化に努めている。
ジュニアは4年生が少なく、声や強度の部分でシニアとの違いを感じるので、自分が復帰した時に率先して動くと決めている。自分は声で引っ張るタイプではないので、体を張って強度を示せるような選手になる。体を張れる選手がいれば、チームがつらい時に頼ってもらえるはずだ。そういう部分でチームを盛り上げていきたい。
そして、Aチームが勝つことは当然だが、下のチームも同様に勝つチームでなければならない。勝つことへの執着がなければ優勝という結果は得られないし、早稲田というチームにはなりえない。全員が勝利を目指す中で、自分も最後まであがきたい。