早稲田大学ラグビー蹴球部に所属する2~4年生の選手・スタッフが相互インタビューで理解を深める連載企画、第5回は大﨑哲徳(4年・LO/FL・國學院久我山)。
取材:長谷川太 構成・写真:早稲田大学ラグビー蹴球部広報
勝って泣くため、がむしゃらに体を当てる。
5歳でラグビーを始め、その頃から常に「ラグビーと言えば早稲田」という意識があった。当時はトップリーグに興味はなく、小学校の卒業文集にも早稲田でラグビーをすると書いていた。
そんな思いを持って國學院久我山に入ると、指定校推薦で早稲田に行ける可能性があることを知る。部活と勉強の双方に本気で取り組んだ高校生活。しかし、推薦を勝ち取り入部したラグビー蹴球部では過酷な運命が大崎を待っていた。
壮絶な新人練を乗り越えた矢先に告げられた突然のポジション変更。同じCTBとして憧れていた中野将伍(2019年卒)と一緒にプレーできると思いきや、なんの説明もなくいきなりLOをやらされることになる。当初はスクラムに頭を入れ、モールで足を踏まれるなどFWの泥臭いプレーをすることは考えられなかった。この時期はとてもネガティブで、「ラグビーがつまらない、やめたい」とまで考えたと語る。
それでも、負けず嫌いでひたすら体を当てる日々の中で「なんのために早稲田でラグビーをしているのか」を考えたら、答えは「Aチームで試合に出ること」ただひとつだった。だから、ポジションに関係なく与えられた役割でベストを尽くそうと思った。
日本一になった2年前、自分でなし得たものだと思えず涙は流れなかった。準優勝で終わった昨年、どこかでいけるんじゃないかと思っていた自分の甘さを後悔した。
そして迎えた最終学年。相手に嫌がられるプレーヤーになるため、大﨑は闘争心で満たした体をひたすら相手に当て続ける。