関東大学対抗戦が開幕し、本格的なシーズンに突入した早大ラグビー部。『荒ぶる』へ向けて日々鍛錬を積んでいるのは、決してAチームの選手だけではない。昨年はコロナウイルスの影響で開催できなかった関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)だが、今年は無観客、キックオフ時間・会場が非公開のもとで開催されることとなった。
この大会は5チームずつが4つのカテゴリーに分かれ、カテゴリー内で総当たりのリーグ戦が実施される。早大が属するのは帝京大、明大、東海大、慶大と強豪校が集まるカテゴリー1。初戦は19日に行われる明大戦だ。夏に行われた直接対決では14-24と逆転負けを喫しているが、開幕戦で勝ち星を挙げ、今大会理想のスタートを切りたい。
正確なゴールキックがチームの戦力となっているSO久富連太郎(政経2=島根・石見智翠館)
ジュニア夏季オープン戦では帝京大B、明大Bと対戦。帝京大戦では両校点の取り合いが続く白熱した展開をキック差で競り勝ち、他のカテゴリーにも勢いを与える試合を展開した。特に際立っていたのは、要所で相手の流れを断ち切るタックルなどのディフェンス面。今年度早大が力を入れているコンタクトの部分の成果を感じられる試合内容であった。
そして今大会初戦の対戦相手となる明大戦では、前半をリードで迎えたものの、後半はアタックのミスが目立ち点を取り切れず、試合終盤に逆転負け。勝利とはならなかったがこの試合でもディフェンスが光り、我慢強い守備で相手の猛攻に耐える場面も見受けられた。
しかし課題として浮き彫りになったのは、アタックを継続させてトライを取り切る部分や、不安定なセットプレー。これらの課題をどれだけ修正改善しているかが初戦勝利のカギを握るはずだ。
またこの試合の注目は、やはり公式戦出場が昨シーズンぶりとなるFB伊藤大祐(スポ2=神奈川・桐蔭学園)だろう。昨年度ルーキーながら圧倒的な存在感を見せた伊藤がどんなプレーを見せてくれるのか、その活躍に期待がかかる。
同様に、SH河村謙尚(社4=大阪・常翔学園)やLO村田陣悟(スポ2=京都成章)、WTB今駒有喜(文構3=東京・早実)ら昨シーズンの対抗戦に出場している選手や、LO前田知暉(社3=大阪・東海大仰星)など先週の立大戦でトライを挙げた選手たちが、豊富な実戦経験をもとに今大会でもチームをけん引してくれるに違いない。
早大が目標とする大学日本一を達成するためには、対抗戦だけではなく、このジュニア選手権も重要な意味を持っている。初戦にしてヤマ場となる試合だが、この試合に勝利できればチーム全体の士気は必ず上がり、対抗戦のメンバー競争にもつながってくるだろう。貪欲に勝利を求め、チームにいい影響をもたらすことはできるか。注目の一戦が幕を開ける。
ジュニア選手権/明治大学戦メンバー:https://www.wasedarugby.com/gamerugby_detail/id=2996
記事:塩塚梨子 写真:内海日和(早稲田スポーツ新聞会)