強い日差しが照りつけ、厳しい暑さの残る熊谷ラグビー場。「荒ぶる」に向けたチーム伊藤の関東大学対抗戦(対抗戦)がいよいよ幕を開けた。
初戦の相手は立教大。序盤、自陣深くまで攻め込む相手に対して早大は粘り強いプレーを見せ、得点を許さない。ボールを大きく展開し、24-0といい流れで前半を折り返す。勢いそのままに、後半はチーム全体で多彩な攻撃を繰り出しトライを量産、64-7で対抗戦初戦を勝利で飾った。
試合開始直後、早大は敵陣ゴール前でのラインアウトを獲得するものの、得点を取りきれない。その後、立教大のハイパントキックを多用する戦術に苦戦し、自陣ゴール前でラインアウトを与える苦しい入りに。自陣でプレーする時間が増える中、試合が動いたのは14分。外に展開するアタックを軸に徐々にゲインを見せていた早大が、敵陣深くでペナルティーを獲得。敵陣ゴール前でのラインアウトからモールを崩されるものの、ショートサイドにテンポのいい連続攻撃でディフェンスラインを乱すと、最後は大外まで回してWTB守屋大誠(政経3=東京・早実)が先制点を挙げた。
流れに乗った早大は大きくボールを動かすプレーで次々と得点を重ねる。前半終了間際の37分、FB矢崎由高(スポ1=神奈川・桐蔭学園)がフェアキャッチしたボールをすぐにリスタート。ステップでディフェンスを抜き去り敵陣に侵入すると、最後は裏のスペースへのショートパントを自ら再獲得し、走り切って追加点を挙げ、24-0といい流れを作って前半を終えた。
後半に入ると早大の流れはさらに勢いを増した。開始直後の4分、敵陣22メートルでラインアウトを獲得すると、モールで押し込みそのままHO佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がインゴールを割った。さらにその3分後、今度はBKが素早くボールをつないでCTB金子礼人(法2=福岡・西南学院)がトライ。12分、立教大に自陣深くまで攻め込まれ7点を奪われるものの、早大の集中力が切れることはなかった。CTB伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)も加わり、さらに多彩な攻撃を仕掛ける。
32分、敵陣ゴール前のスクラムで、SO野中健吾(スポ2=東海大大阪仰星)からボールをもらった伊藤がBK2人の頭を超える長いパスを、大外に走り込んだWTB福島秀法(スポ2=福岡・修猷館)に通してトライを奪った。着実に攻め続けた早大が、64-7と快勝を収めた。
ゲームキャプテンを務めたCTB岡﨑颯馬(スポ4=長崎北陽台)が「今日は、先に仕掛けるというところをテーマに挑みました」と話すように、大きくボールを展開するアタックや、モールなどの多彩なオプションを駆使して立教大を圧倒した早大。一方で「前半に多くミスをしたところが課題だと思います」(伊藤)と、前半の入りにミスがあった点に関しては、この先の試合に向けて修正も必要だ。次戦の筑波戦、そしてその先の対抗戦優勝に向けて、プレー細部の精度を上げていきたい。
記事:西川龍佑、写真:川上璃々(早稲田スポーツ新聞会)