秋風が暑さを和らげる秩父宮ラグビー場。早大は関東大学対抗戦の第2節、難敵である筑波大との一戦に臨んだ。前半はモールや攻撃の継続で2トライを先制するものの、自陣でのペナルティーが重なり、立て続けに3トライを奪われる。それでも終了間際に1トライを返し、21-21で試合を折り返した。後半は、最初に主導権を握ると、前半と同様2トライを先取。筑波大に追い上げられるが、セットプレーで圧倒し、点差をキープしたまま38-35で勝利をつかんだ。
筑波大のキックオフで始まった前半、最初のチャンスが回ってきたのは11分。敵陣10メートル付近で筑波大がノックオンをすると、早大はグラウンドの横幅を大きく使った攻撃を展開。大外でWTB福島秀法(スポ2=福岡・修猷館)が前進しディフェンスラインを押し下げ、相手のペナルティーを誘いラインアウトからモールトライを挙げた。
続く19分にはハーフウェイラインでのスクラムから攻撃を継続。一回一回の攻撃で確実にゲインし22メートルラインまで侵入すると、CTB岡﨑颯馬(スポ4=長崎北陽台)がラックからボールを持ち出しディフェンスの穴を突く。オフロードをつなぎ、最後はCTB伊藤大祐(スポ4=神奈川・桐蔭学園)がタックラーを引きながらグラウンディング。順調な滑り出しを見せたが、中盤はキックオフレシーブのミスやペナルティーが目立ち、自陣でのプレーを強いられると、立て続けに3トライを奪われ逆転を許した。スクラムで優位に立っていた早大は相手のコラプシングで陣地を稼ぎ、終了間際にトライを奪い返す。試合を振り出しに戻し、21-21で前半を折り返した。
後半は早大のトライから始まった。3分に筑波大ボールのスクラムをターンオーバーすると、右サイドへボールを蹴りWTB守屋大誠(政経3=東京・早実)が獲得。左に大きく展開し外で受け取ったFL村田陣悟(スポ4=京都成章)がインゴールを割った。10分にもトライを挙げ、10点差をつけた早大。しかし、その後連続でペナルティーを取られ自陣への侵入を許し、ラインアウトモールを起点にショートサイドでゴール前まで迫られる。食い止めるものの、外へロングパスをされ、インゴールを受け渡し3点差に詰められた。
両チームに疲れが見え始めた26分、早大は敵陣10メートルから攻撃を仕掛ける。筑波大のディフェンスにゲインを阻まれるが、フェイズを重ね徐々に前進。右サイドでLO池本大喜(文構4=東京・早実)が切り返しから内返しのオフロードをみせ、ゴール前まで侵入。最後はディフェンスの間に走りこんだFL永嶋仁(社4=東福岡)がトライを取り切った。31分にトライを奪われるものの、早大はセットプレーで筑波大を圧倒し、敵陣で試合を継続。最後まで得点のチャンスを与えず、38-35で勝利を収めた。
粘り強い攻撃とセットプレーで主導権を握った本試合。「点数よりも今日の試合の流れは、我々にとって非常にポジティブなものだった」と大田尾竜彦監督が語るように、筑波大に対して点差以上に優位に試合を進める姿を見せた。
次節の成蹊大戦では、本試合で失点源となった規律の修正が求められる。盤石な試合運びを見せ、対抗戦後半に向けて弾みをつけることができるか。
記事:原旺太 写真:高田凛太郎(早稲田スポーツ新聞会)