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2024
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大学選手権/京都産業大学戦展望記

いよいよ開幕した全国大学選手権(大学選手権)。

「横の早稲田」を体現するような展開ラグビーで法大戦を制した早大は、今週末、大阪・ヨドコウ桜スタジアムで行われる関西王者・京産大との準々決勝に臨む。昨年度の大学選手権対戦時は、激闘を繰り広げ、34-33で勝利を収めた。約1年ぶりの再戦となる今節。準決勝進出をかけ、再び白熱した戦いを見せてくれることだろう。

前節の法大戦でモールからトライを狙うHO佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)。
今節でもFW陣の活躍が勝利のかぎを握る

前節の法大戦、「フォース」というテーマを掲げて臨んだ早大は、接点の部分で譲らない展開を見せた。

前半7分、敵陣右奥でラインアウトモールを形成し先制トライを挙げると、24分には、相手ディフェンスを華麗にかわしたWTB矢崎由高(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が独走トライ。勢いにのった早大は、猛攻を仕掛け、続けて3トライを獲得。法大の刺さり続けるタックルをしのぎ、前半を無失点で折り返す。

後半開始後は、一時スクラムの乱れから攻撃を仕掛けられず、膠着状態が続く。しかし、相手ディフェンスを抜き去り一気に敵陣深くまで攻め入った矢崎のプレーが、チームに流れを引き寄せた。後半18分、29分とグラウンドを大きく左右に使った展開ラグビーで追加点を挙げる。そして33分、SH宮尾昌典(スポ3=京都成章)の復帰でさらに勢いが増すと、試合終了間際にモールトライを獲得。54-12で大学選手権初戦を終えた。

力強いゲインを何度も見せたFL安恒直人(スポ3=福岡)、体を張って攻守に躍動していたWTB福島秀法(スポ2=福岡・修猷館)らのプレーなど、早明戦で露呈した「接点の勝負」という課題の修正がうかがえた前節。今節では、法大戦で得た学びを糧に、さらに成長した早大選手たちの姿が見れるに違いない。

力強いゲインを見せるWTB矢崎。
次戦もグラウンドを縦横無尽に使ったスピードある攻撃に期待

対する京産大は、関西大学リーグにて全勝し3連覇を果たした。強固なスクラムとモールを起点としたアタック、外国人留学生を中心とする豪快な突破力が持ち味のチーム。その接点の強さには、早大も昨年度の大学選手権で苦戦を強いられた。強敵との一戦へ向け、早大は先発メンバーを変更。前節ではNO8を担った村田陣悟(スポ4=京都成章)が再びLOへ。さらに、慶大戦以降、戦線を離れていたSH島本陽太(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が復帰。素早いテンポでチームに勢いをもたらしてほしい。また、前節の天理大戦でハーフラインからのペナルティーゴールを成功させた京産大を相手に、今節もキック勝負となる展開が予想されるだろう。そんな展開で注目したいのは、対抗戦で難しい角度のキックを何度も成功させ、観客を沸かせたCTB野中健吾(スポ2=東海大大阪仰星)。勝負強さの光る、安定感あるキックに期待したい。

​​「早稲田ラグビーらしく戦い抜く」(宮尾)。

アウェイの舞台での一戦に臨む赤黒戦士たち。「年越し」を勝ち取り、再び東京・国立競技場へーー。

激しい試合展開となるであろうこの一戦、ノーサイドの瞬間まで目が離せない。

記事:清水浬央 写真:川上璃々(早稲田スポーツ新聞会)