日が陰るが蒸し暑い早大・上井草グラウンドには多くの観客が集まったトレーニングマッチ早大B対法大B。序盤から早大はスクラムで圧倒するも自分たちのミスで流れを作ることができない。それでも前半10分に待望の先制トライを挙げると、その後も敵陣で長くプレーをし続け前半だけで6トライを挙げた。42-0で前半を折り返すと、続く後半も着実に得点を重ねて点差を広げてゆき、最終的には87-7と大差で勝利した。
前半開始早々は法大のアタックで自陣深くまで攻め込まれるも、No.8永井新之助(スポ4=東京・早実) のキャリーからCTB佐々木豪正(文2=東京・早実)につながり敵陣まで陣地を回復する。その後は敵陣に攻め込むも自分たちのミスが続き、なかなかリズムに乗ることができない。しかし10分に法大のハイタックルによるペナルティーからSO仲山倫平(法3=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)の好タッチキックで敵陣深くまで攻め込む。その後ラインアウトからFWでフェイズを重ね、最後にFL山田凜太(法2=茨城・茗渓学園)がインゴールに飛び込み待望のトライを挙げた。左隅から難しい角度のコンバージョンキックを仲山が決め、7-0と先制に成功する。続く16分にはWTB三浦哲(文構4=東京・早実)がタッチライン際を抜け出してSH井上泰志(スポ4=福岡・東筑)につなぎ、最後はオフロードパスを受け取った仲山がトライ。その後も幾度となく敵陣に攻め込む早大だったが、ハンドリングエラーが重なり得点に結びつけることはできない。停滞する時間帯が続いていた28分、法大ボールのスクラムから早大が相手ペナルティーを獲得。FL山本竜大(教3=東京・早実) がゲインし、LO米倉翔(スポ2=福岡・修猷館)がインゴールを叩き割った。仲山のキックも決まり点差を21-0まで広げる。さらに37分には仲山のラインブレイクが佐々木へとつながると、最後はFB髙栁壮史(創理3=東京・早大学院) が快速を見せトライ。前半終了間際にはBKが展開し、WTB杉野駿太(政経4=東京・早大学院) がラインブレイク。HO田中健心(スポ1=神奈川・桐蔭学園) のロングパスを受け取った永井がインゴールに飛び込んだ。ここでも難しいキックを仲山が沈め42-0とし、法大に得点の隙を与えることなく前半を終えた。
続く後半は途中出場のSO吉岡麟太朗(スポ4=東京・本郷) の好キックで開始されるも、2分に法大ボールのラインアウトからFWにフェイズを重ねられトライを許してしまった。しかし早大はすぐさま反撃を開始、6分に法大のオフサイドを誘い、敵陣深くまで攻め込む。この敵陣でのラインアウトから、最後はHO真田稜大(教3=東京・早実)が持ち出しトライを決める。12分にはゲームキャプテンの井上が自陣からボールをつなぎ、佐々木のゲインから三浦が追加点を挙げた。今試合のテーマである『継続』を体現する場面となった。54-7と点差を広げる。その後は途中出場のFL粟飯原謙(スポ3=神奈川・桐蔭学園)が何度も力強いボールキャリーを見せ会場をどよめかせる。23分に粟飯原のゲインからWTB田尻遥也(文4=埼玉・早大本庄)につながり、オフロードパスを受けた髙栁がハーフラインからスピードとスワーブを使いインゴールを駆け抜けた。30分には粟飯原がディフェンスで魅せる。法大の選手2人を相手に粟飯原がタックルで仕留め切り、そのままターンオーバー。最後にパスを受けた髙栁が再びスピードで振り切りトライを決めた。34分にはモールで真田が、39分にはLO鈴木大和(国教2=東京・早実)がそれぞれトライを取りきり点差を広げていく。最終盤には吉岡の裏から顔を出した髙栁がゲインし、最後は田尻に渡ってダメ押しのトライ。コンバージョンを吉岡が確実に決め、87-7と大差をつけて勝利を挙げた。
Aチーム同様にスクラムで強さを示した早大。PR前田麟太朗(スポ1=神奈川・桐蔭学園)も「試合を通してよいスクラムの組み方ができた」と試合を振り返る。また今試合では前田や田中が好プレーを連発するなど、ルーキーの活躍もあり、今後のポジション争いは激しさを増すだろう。春シーズンも残すところあと1試合。昨年の王者である帝京大を相手にする早大の成長から目が離せない。
記事:大林祐太 写真:安藤香穂、植村皓大(早稲田スポーツ新聞会)