厳しい日差しが照りつける早大・上井草グラウンドにて、早大と帝京大による春季大会・最終節が行われた。今試合の勝者が春の王者となる一戦。前半は帝京大に先制を許すも、すぐに得点を取り返し拮抗した展開が続いた。その後は何度もチャンスを作るも得点を取りきれず、追加点を許し7-26で前半を折り返す。後半に入ると序盤から帝京大のプレッシャーに押し込まれ自分たちのプレーをさせてもらえなかった。完全に流れを奪われ最終スコア 7-60で敗戦。帝京大が春季大会の優勝を決めた。
帝京大のキックオフでゲームがスタートすると、序盤からセットプレーが続く動きのある展開を見せる。前半3分、注目のファーストスクラムは帝京大がペナルティーを獲得し、早大は自陣深くに攻め込まれる。ラインアウトからのモールをおさえるも帝京大がテンポ良くボールをさばき、最後はLO青木恵斗主将に先制トライを許してしまった。
流れを渡したくない早大は12分、敵陣ゴール前でのスクラムのチャンスで見事ペナルティーを取り返し、ゴール前でのラインアウトを獲得。モールを押し込み最後はゲームキャプテンのSH細矢聖樹(スポ4=國學院栃木)がゴールライン左隅に飛び込んだ。SO野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)がコンバージョンを沈め7-7と試合を振り出しに戻す。
18分に自陣深くで帝京大にペナルティーを与え、持ち出した青木に2本目のトライを奪われるも、その後は早大が流れに乗り始める。21分には帝京大のWTB小村真也が危険なプレーにより一時退場、早大の反撃ムードが高まり何度も敵陣深くに攻め込みチャンスを作る。しかし、自分たちのミスから攻撃を継続できず得点に結びつけることができない。帝京大のディフェンスに苦戦していると、31分、38分と得点を重ねられてしまった。試合終了間際には敵陣ゴール前のラインアウトから、連続でペナルティーを奪い前半最大のチャンスを迎えるも、ここで痛恨のノックオン。7-26と点差を縮めることができずに前半を終えた。
後半序盤は流れに乗り出す帝京大に対して早大が食らいつき、ハーフウェイライン付近でボールが飛び交う展開が続くも、徐々に帝京大の破壊力が本領を発揮し始める。帝京大は速いフェーズからボールを外に運ぶ攻撃を仕掛け、ライン際から早大のディフェンスを崩しにかかる。すると14分、早大陣地のゴール前で帝京大ボールラインアウトのチャンスから、モールを一気に押し切られ追加点を奪われた。その後は完全に帝京大のペースでゲームが進み、外への展開やアンストラクチャーの場面から続け様に得点を重ねられる。
22分にSH清水翔大(文4=東京・早実)やWTB鈴木寛大(スポ2=岡山・倉敷)らを投入。テンポを上げ攻撃力の向上をはかる。直後FL田中勇成(教3=東京・早実)から清水(翔)へオフロードパスが決まり抜け出し、WTB田中健想(社1=神奈川・桐蔭学園)が受け取りゲイン。早速チャンスを作り出したものの得点はできず。26分には帝京大のNo.8ダウナカマカマ カイサがレッドカードで退場になるも、早大は人数有利を生かすことができない。後半35分には本日3本目となる青木のトライで点差を46点に広げられた。ノーサイド間際にもダメ押しのトライを許し最終スコア7-60と大差をつけられての敗戦となった。
前半に再三のチャンスをものにできず、徐々に帝京大の流れに飲み込まれてしまった早大。後半はプレッシャーに押され攻撃を継続できず、今大会好調だったディフェンスも打ち砕かれてしまった。一方で田中(勇)が「自信を持っていいところ」と振り返るように、帝京大の強力フォワードに対してセットプレーの成長を見せることができた。全勝を目指し突き進んできた早大。目標の達成は叶わなかったものの、『荒ぶる』に向けてチームに必要な物を再確認するゲームとなった。春シーズンを終え、厳しい夏のトレーニングが始まる。これからも進化を続ける早大の挑戦から目が離せない。
記事:西川龍佑 写真:清水浬央、安藤香穂(早稲田スポーツ新聞会)