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2024
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トレーニングマッチ 帝京大学D戦/観戦記

夏シーズンは早大Dが競り勝ったこのマッチアップ、リベンジに燃える帝京大Dを相手に勝利のバトンを繋ぐことはできるか。帝京大・百草グラウンドにてキックオフの笛が鳴った。まさにシーソーゲームとなった今試合。試合開始直後、ペナルティーから帝京大Dにファーストトライを許すも、反撃に出た早大Dはすぐにトライを返す。そこからは一進一退の攻防が続き、両者2トライずつの14-12とキック差で前半をリードして折り返す。しかし後半開始のキックオフからノーホイッスルトライを奪われ、流れは帝京大Dに。早大Dは負けじと1トライを返すも、セットプレーをはじめ、各所で地力を見せつけた帝京大Dの勢いは止まらない。終盤に2トライを追加され惜しくも21-29と敗戦を喫した。

ライン際で仕掛けるWTB溝井

両校のボルテージが高まる中、早大Dのキックオフで試合は始まる。試合開始2分、早大Dのハイパントキックをキャッチした帝京大Dは力強いアタックでディフェンスラインをブレイクする。その流れのまま、試合開始早々トライを許してしまう。試合の流れを取り戻したい早大Dであったが、ファーストスクラムでコラプシングを取られてしまい、相手FWのプレッシャーを受けてしまう。しかし早大Dもやられてばかりではない。SO池山昂佑(商2=東京・早実)がキック合戦を制し、陣地を大きく取り戻す。そこから早大Dの激しいアップディフェンスが帝京大Dのノックオンを誘う。前半13分「プレーが切れるたびにセットプレーの修正を行った」とHO野口大雅(文構2=東京・早実)が振り返るように、ファーストスクラムとは打って変わり、安定したスクラムを組む。そこからBKが左サイドに大きく展開。WTB溝井颯太朗(スポ4=北海道・函館ラサール)がキレのあるランでディフェンスラインを突破し、待望のトライを上げる。難しい角度のコンバージョンキックを池山が冷静に決め、7-5と試合をリードする。このままリードを保ちたい早大Dであったが、前半16分、帝京大Dの連続アタックからペナルティーを取られてしまう。ラインアウトモールを押し込まれ、7-12と再びリードを許す展開に。両者一歩も譲らず、白熱した攻防が続く前半24分、安定したマイボールスクラムからCTB丸橋怜央(商2=埼玉・早大本庄)が持ち前の爆発力で相手ディフェンスをブレイクする。サポートに走るCTB藤井雄士(社1=北海道・札幌山の手)に一度ボールを預けるも、またもや丸橋がオフロードパスをもらいゲイン。最後はSH井上泰志(スポ4=福岡・東筑)にボールは託され、井上が相手ディフェンスを引きずりながらトライを獲得。14-12と僅差でリードしていた早大Dは、意地のディフェンスで自陣深くへの侵入を一切許さずに試合を折り返す。

ディフェンスを振り切るSH井上

前半の流れを保ちたい早大Dであったが、後半開始のキックオフからノーホイッスルトライを奪われてしまう。このまま試合の流れが帝京大Dに傾くかと思いきや、早大Dは速いテンポのアタックでアドバンテージを獲得する。そのチャンスを逃すまいと、FWが正確なハンドリングとオフロードパスでボールを繋ぎ大きくゲインする。これを池山がロングパスで右サイドに展開すると、外で待ち構えていたNo.8山下広一朗(創理3=東京・早大学院)が反撃のトライをあげ、21-19と再び逆転する。しかし後半16分にも帝京大Dにトライを返され、リードを維持できない。なんとか試合の主導権を握りたい早大Dだったが、重なるセットプレーやフェーズ中のミスが彼らを苦しめる。被トライ直後、マイボールスクラムでターンオーバーされると、左サイドを大きく攻め込まれる。この勢いを止めきれず、ダメ押しのトライを許し21-29と点差を広げられてしまう。その後、敵陣に攻め込むも、ミスやペナルティーが重なり、なかなかトライを奪うことができない。試合終盤、シンプルな攻撃へと切り替えた早大Dは相手ラインアウトをターンオーバーすると、次々とFWを当てるアタックを仕掛ける。しかしパスがうまく繋がらず相手ボールになると、一気に自陣へと陣地を戻されてしまう。相手ラインアウトモールをFL龍康之助(文構1=東京・早大学院)が割り、ピンチを脱したところでノーサイドとなった。

アタックで存在感を発揮したCTB丸橋

「きつい時間帯で自陣でペナルティーをしてしまったことが課題」と井上ゲームキャプテンが試合を振り返るように、重なるペナルティーとセットプレーの劣勢が早大Dを苦しめた。しかしながら、要所では今季こだわってきたディフェンスが光る場面も多く見られた。FL野島信太郎(教2=東海大大阪仰星)、淺沼大智(文構1=埼玉・早大本庄)の両翼をはじめ、チーム全体のディフェンスに対するこだわりが顕著な試合であったといえるだろう。「内部の競争が重要だと思っている」と前日の関東大学対抗戦、立大戦後の記者会見で大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)が語るように、下のカテゴリーからの追い上げがチーム全体を刺激していくことは間違いない。今試合を振り返り、各選手がどのように成長していくのか。シーズン中の内部競争にも注目が集まる。

記事:堀内遥寿 写真:西川龍佑(早稲田スポーツ新聞会)