心地よい風が吹く上井草グラウンドで、新体制となった早大ラグビー部の15人制公式戦初戦が行われた。
試合開始直後、早大はスクラムからFB池本晴人(社3=東京・早実)とWTB西浦岳優(社2=東福岡)が連動してショートサイドを攻めると、そのまま西浦が左隅にトライ。幸先の良いスタートを切った。大東大に2トライを許すものの有利に試合を進め、33-12で前半を折り返す。
後半始まってすぐにトライを奪った早大だったが、その後は得点につながらない時間が続く。それでもHO田中健心(スポ2=神奈川・桐蔭学園)のモールからのトライをきっかけに多彩な攻撃で得点を重ね、最後まで手を緩めず、関東大学春季大会初戦を白星で飾った。

試合開始早々、早大は大東大のノットリリースザボールの反則を誘い、敵陣深くに侵入。得たスクラムからSN糸瀬真周(スポ4=福岡・修猷館)と池本が連携し、ショートサイドを突破。最後は西浦が自慢のスピードで相手を振り切り、左隅にトライを決める。
さらに10分、敵陣深くでのラインアウトからフェーズを重ねた後、糸瀬が逆サイドへ展開。ディフェンスラインに走り込んだNo.8城央祐(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が力強くボールを持ち込み、追加点を挙げた。
このまま点差を広げるかに思われたが、14分には大東大の反撃を許し、FBタヴァケ・オトの個人技でインゴールを破られ、10-7と点差を縮められてしまう。
しかし、18分には早大が再び突き放す。マイボールスクラムのこぼれ球を城が足でコントロールし、ボールはCTB黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)を経て、角度をつけて走り込んできたCTB金子礼人(法4=福岡・西南学院)へ。大東大ディフェンスのギャップを突き、トライを奪う。
続く28分にはSO服部亮太(スポ2=佐賀工)からのフラットなパスを受けた城がこの日2本目のトライを挙げた。その後も敵陣に攻め込む展開が続いたが、35分には大きく展開したパスを大東大にインターセプトされ、独走トライを許す。
それでも早大はすぐに切り替え、ラインアウトでオーバーしたボールを服部が拾って西浦に繋ぎ、大きくゲイン。FWの力を生かした連続攻撃の末、最後はPR前田麟太朗(スポ2=神奈川・桐蔭学園)がトライラインをたたき割った。前半は33-12で折り返した。

後半も早大が先に得点を重ねる。前半からチャンスを演出していた糸瀬がラックサイドのスペースを突き、自らトライを挙げる。
しかしその直後、自陣でのパスミスを大東大に拾われ、インゴールを明け渡してしまう。このミスを取り返したい早大だったが、トライラインまで行くもグラウディングが認められず、敵陣まで攻め込むもノットリリースザボールの反則を犯すなど、チャンスを活かせない時間帯が続く。
戦況が動いたのは60分。マイボールラインアウトからモールで押し込み、田中(健)がそのままグラウンディング。45-19とリードを広げる。
72分には、相手ボールのラインアウトをスティールし、途中出場のWTB鈴木寛大(スポ3=岡山・倉敷)がライン際の狭いスペースを突いて独走トライ。
終盤に失点を許すが、試合終了間際にSO島田隼成(スポ2=福岡・修猷館)がとどめのトライ。ゴールも決まり、最終スコアは57-26で早大が勝利した。

春季大会初戦を白星で終えた早大。ところどころ課題も見えたが、まずは幸先の良いスタートとなった。さらに多くの選手が『赤黒』デビューを飾ることとなった今試合。各々が自身の強みを生かしたプレーでインパクトを残した。
昨年度から大きくメンバーを変えたFWも終始有利なスクラムを組み、試合の流れを引き寄せた。まだ春季大会は始まったばかり。今後のチーム内競争からも目が離せない。
記事:髙木颯人 写真:村上結太、大林祐太(早稲田スポーツ新聞会)