曇天の下、春風が頬をかすめる上井草グラウンドにて、早大Bの春シーズン初戦である大東文化大Bとの試合が行われた。
FWのセットプレーを起点とし、流れに乗る早大Bは勢いそのままにBKの華麗なステップと走力を生かし得点を積み重ねる。試合終盤に大東大Bに得点を許したものの、大きな差をつけシーズン初戦を快勝した。

大東大Bのキックオフから幕を開けた今試合。開始直後、大東大Bのオフサイドからアドバンテージを獲得し陣地を広げ、ゴール前マイボールラインアウトに持ち込む。FWがモールで前進しさらにトライラインに近づくと、PR杉村利朗(社2=東福岡)、SO田中大斗(教2=東京・早実)、CTB佐々木豪正(文3=東京・早実)と次々にパスを回し、CTB森田倫太朗(スポ3=兵庫・報徳)がインゴールにボールを置き、先制点を挙げた。
流れに乗る早大Bは前半8分にSH渡邊晃樹(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が大東大Bの隙を突き、ラックサイドに飛び込んで追加点を挙げると、前半16分、敵陣22メートルライン左相手ボールラインアウトからキックで陣地を戻されると、FB髙栁壮史(創理4=東京・早大学院)が前進し、HO丸橋怜央(商3=埼玉・早大本庄)がビッグゲイン。大東大Bのオフサイドを誘うと、敵陣左ゴール前マイボールラインアウトから丸橋がボールを持ち出し、トライラインに押し込んだ。
その後も順調に得点を重ねた早大Bは、40-0で前半を折り返す。

早大Bの勢いは留まることを知らず、後半も得点を重ねていく。早大Bのキックオフから試合再開直後、敵陣22メートル左マイボールラインアウトに持ち込むとゴール前まで前進し右に展開。WTB山下一吹(教4=東京・早実)が後半初得点を挙げ、FWとBKの見事な連携を魅せた。
順調に得点を積み重ね、65-0まで差を広げた早大Bは後半28分、大東大Bの固いディフェンスに苦戦するも地道にアタックし守備の隙を作り出す。自陣10メートルライン左マイボールラインアウトから髙栁が前に出ると、バックスを中心に右に展開。山下とSH宮下羚(文構2=東京・早実)が左に展開し、PR成戸風太(スポ4=埼玉・川越東)がゴール中央までボールを運んだ。続く後半33分には自陣10メートルライン左マイボールラインアウトを成功させると、FL粟飯原謙(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が大きく前進し、WTB小澤ジョージィ(スポ4=千葉・流経大柏)が右に回りトライラインを駆け抜けた。
しかし後半39分、自陣右10メートルライン付近大東大Bスクラムでコラプシングの反則を取られると自陣ゴール前大東大Bボールのラインアウトからモールを押し込まれる。無失点での勝利は叶わなかったものの、91-7と大差をつけて白星を飾った。

今試合、数々のトライでチームに大きく貢献した丸橋が「他のFWの7人にサポートしてもらってできた」と語るように、早大Bのチームとしての団結力が生かされたこそ、大量得点を挙げることができたのだろう。
シーズン初戦、早大Bは実力を見せつけたものの、最後に大東大Bに許した1トライについてFL萩原武大(スポ4=茨城・茗渓学園)ゲームキャプテンは「無失点で抑えるべきだったと思いますし、メンバーが多く変わった中でも同じクオリティを出せるようにならなければならない」と語る。現状に満足せず、さらにプレーに磨きをかける早大B。『赤黒』を虎視眈々と狙う彼らの今後の成長に注目が集まる。
記事:伊藤文音 写真:大林祐太(早稲田スポーツ新聞会)