ひんやりとした風が吹く中、早大Cは京産大Cとの一戦に臨んだ。前半は終始リードし、BK陣のラインブレイクで立て続けに得点を挙げる。35-0と、相手を無失点に抑え、前半を折り返した。後半は相手の反撃を受け、連続失点してしまうが、粘り強く京産大Cを阻み相手にリードを許さない。56-28でノーサイドとなり、早大Cは勝利を収めた。
開始早々、京産大Cのノックオンからマイボールスクラムを獲得した早大C。これを起点に右、左、右へとポイントを形成し、一気に敵陣に侵攻する。
前半4分、フランカー鈴木風詩(社2=国学院栃木)がゲインし、直後にできたラックからSH清水翔大(文2=東京・早実)が素早く球を持ち出して右中間に先制トライを挙げた。
続く9分には、自陣22メートル内のラインアウトからBK陣が巧みなパス回しを見せ、ディフェンスの穴を突いたWTB三浦哲(文構2=東京・早実)がインゴールへ。
19分にもWTB小澤ジョージィ(スポ1=千葉・流経大柏)のブレイクから清水が再びフィニッシュ。
26分にはFWとBKが連携してボールを展開し、ギャップを突いた鈴木風がインゴール左へ飛び込んだ。終盤にはモールトライで勢いよく得点し、35-0で前半を折り返した。
後半序盤は京産大Cの連続攻撃からトライを献上する。だが10分、自陣深くで相手のこぼれ球に反応したCTB中谷波一土(人2=東京・本郷)が独走トライを挙げる。
17分には展開ラグビーから三浦哲が得点に結びつけるが、それ以降は、「コンタクトのところで引いてしまい、流れが相手に向いてしまった」(鈴木風)。
早大Cのペナルティーから京産大Cに主導権が渡ってしまい、連続失点。しかし33分、相手の攻撃の芽を摘み、素早く反撃に転じる。
右サイドのタッチライン際を小澤ジが好走して自陣から抜け出すと、そこからBK陣が細かくパスをつないだ。
最後はSH糸瀬真周(スポ1=福岡・修猷館)からボールを受けたFB仲山倫平(法1=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)が中央付近にグラウンディング。
一時は相手リードとなったものの、最終スコアは56-28で早大Cの勝利となった。
今試合ではアタックのテーマとして掲げた『勢い』を体現し、8トライもの得点を挙げた。フィジカルの強い相手を前に、「相手ボールの時もいい競りでプレッシャーをかけられた」とロック細川大斗(社3=東京・早実)が話すようにセットプレーで優位に立てたことは大きな収穫といえるだろう。一方で、前半こそは継続的なアタックで流れを引き寄せたものの、後半中盤の細かなミスで自滅してしまったところには課題の修正が急務だ。貪欲に赤黒を目指す早大Cの選手たち。カテゴリーアップに向け、自身の強みにさらなる磨きをかけ日々挑戦し続ける。
文=谷口花 写真=山田彩愛(早稲田スポーツ新聞会)