夏合宿最終戦となる同志社大学AB戦が行われました。
<vs同志社Aメンバー>
Aチームにとって対抗戦開幕前最後の試合。前半は膠着状態となり、7-10でリードを許し折り返しました。後半は互いに点の取り合いとなりましたが、より流れを引き寄せた早稲田が4トライを追加し、33-25で勝利を収めました。
<vs同志社Bメンバー>
B戦の序盤は反則が重なり、ペナルティーゴール等で相手に先行を許すも、次第に流れを手繰り寄せ、この日効果的だったラインアウトモールで得点を重ね、逆転勝利を収めました。夏合宿を締めくくる一戦で勝利を収められたことは、対抗戦に向けチームが勢いづく結果となりました。
最後に、大田尾監督、相良主将に聞いた夏合宿の手応えと今後の抱負をお届けします。
大田尾監督
菅平でのラストゲームとなった同志社AB戦。手応えはいかがでしたか。
ーー同志社大学戦では、どれだけトレーニングを積んで、いいゲーム内容の試合を重ねてきたとしても、謙虚に試合に挑む姿勢の大切さを痛感しました。たとえ多くの試合で勝利を収めていたとしても、常にハングリー精神を持って戦わないとどんな試合でも苦戦する、ということを身に染みて感じた一戦だったなと。ABチーム共に勝ち切れた結果からは、チームの成長を感じ、様々な面で収穫の多かった一戦と感じています。
18泊19日に及んだ今年の夏合宿。昨年度より試合数も多かった中、選手たちの姿は監督の目にどう映りましたか。
ーーこの夏合宿を経て、選手たちに勝利に対するプライドが出てきたように思います。特に下のカテゴリーのチームからそのような印象を受けました。春のリベンジをかけた帝京大学戦で、相手に負けて本気で悔しがったり、涙を見せる者がいたその姿から本気で闘う集団になりつつあると感じました。
夏合宿を経て、早稲田が変わったところは。
ーー変わったのは、FWの自信。今年の夏合宿だけではなく、上半期の大きなテーマのひとつとして、「去年失ったフォワードのプライドを取り戻す」ことを掲げていました。FWは、春からいろいろな経験を積んできて、新たなフィジカル目標設定もしたり、リカバリー日にも練習をしたり、ハードな日々を過ごしてきた。このようにコツコツと積み上げてきたものが、夏合宿中の試合を経て、手応えとして残ったように思います。FWのパワー、BKの素早さに磨きがかかったことで、敵陣22mラインに入った時に、トライが取れるかもしれないという期待感を、去年よりも感じる頻度が多くなったなと。
あと2週間ほどで対抗戦が開幕します。チームとしてどこに拘りますか。
ーー試合の中での、”動き出し””攻守の切り替え””緊急的な動きの速さ”に拘りたいと考えています。ささいなことのように見えても、そのワンプレーが勝敗を決めることもあると昨シーズンで学んだため、同じ過ちを繰り返さないという意味でもこの部分に拘らなければならないと感じました。とにかくささいなことにまでも拘り続け、どんなことがあっても、シーズン中も日々成長し続けられる集団であってほしい。
合宿を乗り越え、秋シーズンに臨む選手・スタッフにメッセージを。
ーー春にやったこと、夏にやったことが秋に出る。秋で勝つためにこの春夏を過ごしてきました。荒ぶるをとるためにとても重要なことは、春夏の積み上げを生かし、対抗戦が始まってからどれだけ伸びることができるのかということ。ラグビーのさらなるレベルアップと同時に、部訓にもある緊張感のある雰囲気作り、チーム作りをどうやっていくか、それもチームの成長に大きく関わる大切な要素だと考えています。他の大学がやっていなくとも早稲田はやっていること、早稲田のオリジナリティというものを追求していきたい。また選手だけではなくスタッフ含め、部員全員に、とにかくチームファーストの精神を貫いてほしい。チームの勝利のために、全員が毎日を過ごせるか否かが、優勝への重要な一歩だと思っています。全員が全員、身体的な優位性、ものすごいスキルがあるわけではない早稲田だからこそ、団結力がないと絶対に勝てない。この精神を全員で築き上げ、荒ぶるをとりにいきたいです。
相良主将
夏合宿最終戦、同志社A戦。同志社の勢いに飲まれ苦しい場面もありましたが、いかがでしたか。
ーーチームとしてやろうとしていることに対して、全員がコミットしきれなかったことがよくなかったと思います。
4年としての最後の夏合宿。合宿1日目にお聞きした意気込みの中で、「自分に勝つこと」をテーマに掲げていました。18日間を通して、個人として成長を感じた部分はありますか。
ーーメンタルの部分は成長したと思います。合宿に入ってから1週間非常に厳しい練習をしましたが、その中でも自分に負けずやり切れたと思います。また、試合中にきつい時間帯でも前より声が出るようになったし、周りを見れるようにもなれたと思います。
菅平で成し遂げたいこととして、「チームとしてのディフェンス、各個人のタックルスキルを磨くこと」を掲げていました。多くの試合を乗り越えてきた中で、チームとして成長を感じた部分はありますか。
ーー春シーズンよりは失点も減りましたし、ひとりひとりのDFラインで立つ間隔も統一されるようになったと思います。でも、まだまだ課題は多いので、シーズン入ってからも成長し続けていかなければならないと思います。
あと2週間程で、対抗戦が開幕します。チームとして、個人として、どこに拘りますか。
ーー全試合一貫して、こぼれ球やトランジションスピードなど、意識でできる部分にこだわったいきたいと思います。チームとしてこだわろうと決めたことを、自分がまず体現したいと思います。
最後に、応援してくださるファンの皆様にメッセージを。
ーーまだまだ未熟なチームではありますが、スローガンのTOUGH CHOICEを日々の練習からこだわり、成長し続け、最後には優勝できるチームを作るので、応援よろしくお願いします。
文・写真=早稲田大学ラグビー蹴球部広報チーム