時折霧の立ち込める菅平サニアパーク。早大はこの地で夏合宿の締めくくりとなる同志社大(同大)との一戦に臨んだ。前半、相手のPGで先制を許すが、25分にNO8相良昌彦主将(社4=東京・早実)がクイックスタートから抜け出しトライ。しかし逆転を許し、前半を7-10で折り返す。後半も先に点を取られるが、相良の2本目のトライを皮切りに得点を量産。33-25で勝利を飾り、関東大学対抗戦(対抗戦)初戦に向けて弾みをつけた。
前半は拮抗状態が続き、お互いに攻めあぐねる状態での開始となった。8分、PGにより先制を許す。その後、再び試合は膠着する。だが25分、相手ペナルティーからのクイックリスタートを起点に、相良が抜け出しスコアを7-3とした。
しかし、31分に早大のシンビンからディフェンスが崩され、トライを献上。そのまま前半を終え、7-10で試合を折り返した。
後半も先に点を取ったのは同大だった。4分、早大がこぼしたボールからカウンターを受け失点する。しかし7分、22メートル付近右端のスクラムから右へ展開しフェーズを重ね、反撃ののろしを上げる。
13分には敵陣10メートルでボールを受け取ったフッカー佐藤健次(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が、持ち前のフィジカルを生かし、ディフェンスを引きずりながらグラウンディング。逆転に成功する。ここから再び同大に逆転を許し、試合は一進一退の攻防に。
だが30分に、CTB野中健吾(スポ1=東海大大阪仰星)がディフェンスのギャップを突いて抜け出し、サポートに入ったFB小泉怜史(文構4=東京・早実)がインゴールに飛び込み、再逆転に成功した。
34分にもWTB槇瑛人(スポ4=東京・国学院久我山)のトライにより同大を突き放し、最終スコア33-25で夏合宿最終戦を勝利で締めくくった。
この夏合宿を通してスクラムで大きな収穫があった。フィジカルの強い帝京大、京産大、同大を相手にスクラムで押し勝つ場面が見られ、春シーズンからの成長を実感できる3試合だった。一方、相良主将が「試合に入る準備が足りていなかった」と話すように、細かい課題は散見される。2週間後に控える対抗戦、夏合宿で出た課題を修正し、今年こそは『荒ぶる』へ。早大ラグビー蹴球部の闘いが、今始まる。
文=森田健介 写真=阿部健・原旺太・山田彩愛(早稲田スポーツ新聞会)