曇り空の早大上井草グラウンド。観客が見守る中、早大Cは明大Cとの試合に臨んだ。開始早々、連続で3トライを奪われ苦戦するが、前半終盤に連携からトライを挙げ、5-15で前半を折り返す。後半も体を張ったプレーが際立ったものの、ミスでチャンスを崩してしまい、得点機を生かせない。終盤に1トライを取り返したが、10-32と敗戦。随所に課題が残る試合となった。
開始わずか1分で、明大Cに先制トライを奪われる展開となった。早大Cも左右にボールを展開するが、8分、15分と得点を奪われてしまい、なかなか有利な時間帯を作ることができずにいた。
しかし3本目のトライ以降は、自陣22メートル以降に侵入させない早大Cのディフェンス力が発揮され、ハーフウェーライン付近でのプレーを継続。28分には、敵陣深くまで押し込むものの、明大の強固なディフェンスを崩すことができず、チャンスを潰されてしまう。
だが迎えた36分、早大ボールスクラムを起点にBK陣が大外へスムーズなパスをつなぎ、WTB小澤ジョージィ(スポ1=千葉・流経大柏)が相手を切り裂く見事なランで敵陣深くへ。最後はアシストしたCTB金子礼人(法1=福岡・西南学院)がインゴール左隅に飛び込み初得点を挙げた。
終盤にも、敵陣インゴール付近で好機を得るが、明大Cに反則を取られてしまい前半は終了。5-15と10点ビハインドで試合を折り返した。
「前半と後半の入りの部分でかなりやられてしまった」(フッカー西野直樹、法4=東京・早大学院)。
後半も相手のモールトライを受け、主導権は明大Cに渡ってしまう。しかし、徐々に互いに引けを取らない展開となり、中盤にはフッカー真田稜大(教1=東京・早実)やフランカー深堀雅聡(スポ2=福岡・東筑)のジャッカルで相手攻撃を中断させる場面も見られた。
粘りを見せつけ、迎えた終盤戦。30分には、敵陣で広くパスをつなぐが、ノックオンやインターセプトされたりと、得点機でのミスが続く。しかし38分、敵陣5メートルで得たマイボールラインアウトからモールで前進し、最後は真田がボールを抑え込んだ。ラストワンプレーでは明大Cアタックを止めきれず、失点。10-32のスコアで、悔しい敗戦となった。
明大の攻撃の波にのまれ、チャンスをものにできなかった今試合。「タックルの一貫性がなくターンオーバーされたり、ミスでボールを失ったりしたことが多かった」(金子)。プレーの細部をより突き詰め、攻守共にミスの回数を減らしていきたいところだ。しかし、コンタクト面では全員が体を張り続け、ファイトできた部分はチームの自信となっただろう。「エラーが起きた時にすぐ修正できる能力を上げていきたい」という西野の言葉のように、個々人で明白となった課題を修正し、次戦は一貫性ある攻撃から勝利を挙げたい。
文=谷口花 写真=永留琴子(早稲田スポーツ新聞会)