強い日差しが照りつける東海大グラウンド。早大Bは春の雪辱を果たすべく、東海大Bとの戦いに挑んだ。試合開始直後、早大が先制トライを決め、終始優位なプレーを繰り広げる。春に力負けしたセットプレーでも相手に引けを取らない強さを発揮し、リードを保って21-5で前半を折り返した。後半には相手の攻撃で何度かピンチの場面に出くわすが、その攻撃に勝る好プレーを連発し、47-24で報復を果たした。
素早い試合運びとなった前半序盤。開始1分、フッカー安恒直人(スポ2=福岡)が相手の隙を突いて一気にゲインすると、サポートに入ったプロップ平山貴喜(スポ4=北海道・函館ラサール)がパスを受け、そのままインゴールへ飛び込んだ。早大Bが先制トライを決めると、直後に東海大Bも劣らずトライを挙げ、両者互角の試合スタートになった。
11分に相手の反則でチャンスを得た早大は、敵陣22メートル付近からラインアウトモールで相手を押し切り、トライに成功。東海大Bにセットプレーで勝ちきったこの1トライが、試合の流れを完全に早大Bへもたらした。
24分、敵陣でプロップ川﨑太雅(スポ3=東福岡) が相手ボールをターンオーバー。WTB今駒有喜(文4=東京・早実) 、SH島本陽太(スポ3=神奈川・桐蔭学園)へと細かいパスがつながると、最後に中央ゴール手前でボールを受けたFB山下一吹(教1=東京・早実)がトライを決めた。FWを中心に相手の攻撃も全員で抑えつけ、東海大Bに追加点を許さず21-5で折り返した。
前半に引き続き、後半も早大の強さが光る。10分、東海大Bのノックオンで敵陣深くのスクラムでチャンスを得た早大B。縦に押し込み前進するも、相手のタックルでボールを思うように展開できない状況になり、なかなかトライを決めることができない。
しかし、数分後再び早大Bが相手ゴール付近でスクラムのチャンスを得て前進すると、左端ポイントから中央へとうまくパスがつながり、ロック細川大斗(社3=東京・早実) がインゴールを駆け抜けた。その後もSH小西泰聖(スポ4=神奈川・桐蔭学園)、CTB久富連太郎(政経3=島根・石見智翠館)がトライを決め、攻めの姿勢を続ける。
終了間際には、敵陣深くにラインアウトモールが形成され、東海大Bとの真っ向勝負に。夏を通して一回り成長した選手たちは、東海大の圧力を上回る力でじわじわと押し進めインゴールをこじ開けた。トライ後、選手たちは喜びをあらわにし、一気に会場が盛り上がった。後半は東海大Bに3トライを献上するが、早大Bの圧倒的な強さで47-24と開幕二連勝を飾った。
夏の成果が見事に表れた本試合。早大Bは、春の東海大B戦とは一変した試合内容で体を張ったプレーを多く見せた。プレー中には、声を掛け合う様子が何度も見られ、チームの士気も高まっているようだ。ゲームキャプテン・WTB今駒有喜が話す「Bチームが勝つ文化」は早大ラグビーを確実に勢いづけている。次戦の帝京大戦でも真っ向勝負で勝ち切り、より一層強くなった早大ラグビーを見せてくれるに違いない。
文=川上璃々 写真=谷口花(早稲田スポーツ新聞会)