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2024
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國学院大学戦/観戦記

夏の暑さが少し残る10月初日、早大Dは國学院大戦に臨んだ。前半のリードは相手に奪われ、なかなか得点を挙げられない。2トライ差をつけられたまま、試合を折り返した。迎えた後半は中盤以降から流れを引き寄せ、連続で3トライをマーク。最後まで底力を見せつけ挑んだが、スコアは31-31で引き分けた。随所に課題と収穫を得られた一戦となった。

前半開始早々に、インターセプトから先制トライを献上することになる。順調な立ち上がりとはいかずに、ミスが重なる展開へ。12分には、深くまで攻め入るが、ゴール手前で相手にターンオーバーされてしまう。その後もスクラムからじわじわとフェーズを重ねるが、またもやグラウンディングに失敗。

2度のチャンスを失うものの、直後の23分には、NO8勝矢紘史(スポ1=長崎北陽台)のゲインから再び敵陣に侵攻する。SO黒川和音(人1=茨城・茗渓学園)のパスダミーからオフロードパスを受けたFB米重颯己(スポ4=北海道・函館ラサール)が中央に飛び込み、初得点を挙げた。

その後は相手のプレッシャーから反則が相次ぎ、追加点を奪うことができない。さらに1トライを奪われ、7-19で前半を折り返した。

力強いボールキャリーでチャンスを生んだNO8勝矢

後半5分、敵陣左22メートルライン内でのラインアウトからモールで押し込み、連続攻撃から黒川が隙をうまく突き抜けグラウンディング。しかし10分にはディフェンスが機能せずに被トライ、21分にはインテンショナルノックオンから認定トライを献上し、徐々に点差をつけられる。

だが中盤以降、プレーの修正を見せた早大Dは追い上げモードへ。26分、勝矢のブレイクを起点に、パスを受けたロック廣川凛太朗(スポ2=北海道・函館ラサール)がゴールポスト手前までゲインし、最後はWTB和田遼(社4=埼玉・早大本庄)がフィニッシュ。

続く32分にも、ハーフライン付近から相手ディフェンスを振り切りながらプロップ川村駿太(法4=北海道・函館ラサール)が力強く前進。直後のリスタートから素早い展開で川村がトライへ押し込んだ。

37分にも敵陣でのチャンスをつかみ、SH山田航太郎(政経2=大阪・早稲田摂陵)がボールを持ち出し深くへ。FW陣でフェーズを重ね、フッカー渡辺駿斗(商3=東京・早実)がインゴールを陥れた。最後のゴールは正確に決まり、同点に追いつく。

終盤は國学院大が優勢となる中、コンタクトで圧をかけ続けた早大D。そのプレッシャーから相手のパスが乱れたところで、試合の終了を告げる笛が鳴った。後半に猛攻を見せたが、31-31の引き分けで、國学院大戦を終えた。

相手をかわし深くに攻め込むプロップ川村

ディフェンスも機能せず、受けることしかできなかった前半。「前半の中で修正しきれなかった」(和田)、「前半の入りからコンタクトで相手を圧倒するべき」(川村)、「勝ちきれなかったことが反省点」(勝矢)と各選手が振り返るように、入りの修正に時間を要してしまったようだ。4年生を中心にフィールド内での声掛けも見られたが、よりチーム内の連携を取りながらプレーの質を高めていくことが求められるだろう。しかし後半中盤以降には連続3トライをマークしたように、相手の弱みをつかみ攻勢に転じた。「80分間を通して倒し切るマインドを持つことが大事」(和田)。和田の言うマインドを全員が持つとともに、より高い決定力を示し、次戦こそは勝利を挙げたい。

文=谷口花 写真=安齋健(早稲田スポーツ新聞会)