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2024
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明治大学B戦/観戦記

「日本一につながるようなゲームにしよう」(FB平田楓太、スポ4=福岡・東筑)。青空が澄み渡る冬晴れの中で、早大は明大と対戦した。ひとりひとりが特別な思いを持って臨んだ本試合。試合は両校共に4年生を中心に編成され、両校関係者に限定して行われた。前半は劣勢に立たされ、守勢が続く。果敢に攻め込む場面も見られたが、7-21で試合を折り返すことに。後半は立ち上がりを修正し、一時は同点に追いついてみせた。だが、徐々に点差を開かれ、最終スコア26-42で敗戦。明大への勝利は、今週末の再戦に託された。

試合は早速動いた。前半2分、自陣右深くでの明大ボールのラインアウトからモールで押し込まれ、先制トライを許す。11分には素早い展開から大外を走り抜いた明大に得点を奪われ、2トライ差に。しかし、プロップ大木裕太(法4=東京・早大学院)やフッカー西野直樹(法4=東京・早大学院)らの前に出るプレーが光り、何度もピンチを打開した。

27分には、FW陣のフェーズ攻撃からトライを挙げたかと思われたが、ジャッカルされトライとはならず。35分、明大に再びモールで押し込まれ、0-21。しかし早大がくじけることはない。終盤に差しかかった38分、待望のトライが生まれた。

起点は、明大のノックオンから得た敵陣左でのマイボールスクラム。左サイドで細かくパスを刻んだ後に、SO吉岡麟太朗(スポ2=東京・本郷)がわずかなギャップを突き、敵陣深くへ。勢いそのままに相手をかわし、最後は内側に弧を描きながら中央へトライを挙げた。吉岡自身がゴールも決め、7-21でハーフタイムを迎える。

ギャップを突きトライを挙げたSO吉岡

後半の立ち上がりは早大優勢となった。後半6分、敵陣22メートル付近での早大スクラムから明大に反則を誘発。その後の素早いリスタートから、WTB今駒有喜(文4=東京・早実)がビッグゲインし、一気に敵陣へと侵攻した。直後、NO8小池航太郎(商3=東京・早実)がディフェンスの隙間を突き、相手を引きずりながらグラウンディングに成功する。

さらに14分、自陣での明大アタックの途中に小池がインターセプト。そのまま左サイドにいたCTB下原一輝(文構4=東京・早大学院)、WTB和田遼(社4=埼玉・早大本庄)へと大きくパスがつながり、再びチャンスを得る。FW、BK共に連携を図り、最後はフランカー西浦剛臣(社4=ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール)がインゴールを陥れた。7点を追加し、同点に追いついた早大。しかし、明大も簡単な相手ではない。

直後には逆転トライを奪われ、互いに取り合う展開へ持ち込まれた。23分には今駒のゲインをポイントに、早大アタックの時間に。すると、左への展開から、最後は吉岡が右大外で待つ今駒に長距離のキックパスを放つ。これを確実にキャッチした今駒が華麗にインゴールを駆け抜けた。26-28としたものの、以降は2トライを献上。26-42と突き放され、明大に軍配が上がった。部員席からは両校の健闘を讃える盛大な拍手が送られ、試合は終了した。

深くへ攻め入るWTB今駒
チャンスメイクすると共に自身もトライを挙げる活躍を見せた

ノーサイドの瞬間までひたむきさを体現し、明大戦を戦い抜いた4年生。攻撃の起点を生み、奮闘した3年生以下の活躍も特筆すべきだろう。些細なミスからチャンスをつぶしてしまう点には課題が露呈されるが、ピンチの場面ではFW選手を中心に粘りを見せ、強固なディフェンスで明大の得点機を阻止した。結果的に勝利とはならなかったものの、部員席の応援と共にチームの一体感が見受けられた前哨戦。次に控える明大戦は、ひとりひとりが抱く日本一の目標を達成するためには逃れられない。全部員が燃える明大へのリベンジは、今週末の全国大学選手権準々決勝へ持ち越された。

文=谷口花 写真=川上璃々・戸祭華子・濵嶋彩加(早稲田スポーツ新聞会)