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Beat Up

2024
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対慶大戦観戦記

 「今シーズン一番いい試合」(清宮監督)。止むことのない雨に、吹き荒れる疾風。嵐のなか行われた試合後、指揮官は晴れ晴れとした表情を浮かべた。納得の試合内容、みなぎる充実感…。
 清宮監督が評価したのは、開始54秒から積み重ねた11個のトライでも、綻びを見せなかったディフェンス(ゴールラインを背負ったのは前後半1度ずつ)でもなく、言ったことがすぐにできる適応能力。状況に応じて送られる清宮監督からの指示を、選手自身の力で見事なまでに実践して見せた。このグラウンドでの修正能力こそが成長の証。『自らの力』でカベを打ち破る『RAISE UP』さながらの試合展開に、「王者の自信」が感じられた。
 そしてこの試合最大の収穫は、右プロップに大抜擢された「ワセダの長州力こと」宮崎潤野(1年)。相手ボールを3度ターンオーバーしたスクラムばかりではなく、スイープやタックルなど痛い仕事でも奮闘。つい一週間前までコルツチーム(ジュニアのさらに下のチーム)に所属していたとは思えない安定したプレーで、チームに勝利を呼び込んだ。まさに彗星のごとく現れたシンデレラボーイ。吹き込まれた新たな風が勝利の充実感を倍増させた。
 「今年も高いレベルで競争ができていると思うよ」(清宮監督)。30人で戦える理想のチームへ。日本一熱く、激しい『赤黒争奪戦』はこれからも果てなく続く…<HP委員 疋田拡>

<ライバル撃破に大満足!清宮監督>
「今日は昨年とは力関係が変わっていないことを示せたと思う。言ったことがすぐにできるようになったいいゲーム。今シーズン一番よかったと思う。こうしたいということができる修正能力に、チームの成長を感じた。雨のなかでもミスが少なかったし、HB団の捌きもよかった。雨のなかの捌きは昨年よりいい。これからも30人で戦えるチームを見据えてどんどんメンバーを入れ替えていく。今年も高いレベルでいい競争ができていると思う。関東学院はワセダとの試合にターゲットを絞ってくるだろうけど、うちはそんなことはない。うちは自分たちの力を上げるだけ。『RAISE UP』ですよ。宮崎は十分。よくやったと思う」

<試合後、100人を超えるサイン攻めに奔走した大田尾竜彦>
「今日はそんなには満足していない。雨でボールが滑る分、ブレイクダウンから安定した球がでなかった。完封はしたけれど、危ない場面もあったのでまだ完璧とは言えない。後は裏に抜け出したときにきれいにトライを取ることと、キックオフからのオプションを増やしていきたい」

<リキラリアート炸裂?超新星!宮崎潤野>
「この一週間緊張してほとんど眠れなかった。特にメンバー発表の後は2時間くらいしか眠れなかった。びっくりと言うより、何言ってるんだろうという感じでした。えっ、Bじゃないのと。今日はとくかくスクラムを安定させることとピラー1のディフェンスに立つことを言われました。スクラムもフィールドプレーも先輩にかなり引っ張ってもらいました。途中からはコツも掴めた。こんなに早く、しかも早慶戦で赤黒が着られるなんて思っていなかったので、今日はとても幸せでした。Aチームは全然違うのでもっと練習が必要。ケガしなければチャンスも巡ってくると思うので、とにかくケガなくやっていきたいです。今日で自信もついた。スクラムで絶対負けないプレーヤーになりたいです」