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Beat Up

2024
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対明大B戦観戦記

 Bチーム同士とはいえ相手は宿敵・明大。ワセダラガーとして絶対に負けられない相手を前に、上井草は緊張に包まれた。
 序盤こそメイジのお家芸・ラインアウトモールに苦しみ、スコアが拮抗したものの、前半終了間際にモールでお返しするとそこから一気にスパート。新たなSH像の確立を目指す矢富勇毅、天才SO曽我部佳憲の1年生HB団を軸にした『高速アタック』で次々とトライを奪い、67-26で宿敵を捻じ伏せた。
 この圧勝劇、最大の見せ場は部内屈指のパワーを誇る、『野人』・紀昌宏(4年)のおよそ9ヶ月ぶりとなる実践復帰(後半から出場)。長く厳しいリハビリを知るチームメイト、そして復帰を待ち望んでいた清宮監督からも熱い視線が注がれた。しかも高校2年の花園出場以来その名を轟かせてきたNO8ではなく、新天地・フッカーでの出場。スーパーアタッカー・紀昌宏にとって文字通り新たな一歩となった。未知の世界への挑戦も自らの殻を破る強い意思の現れ、言わば『RAISE UP』。ラストイヤーに懸ける熱い思いがそこに存在する。
 9ヶ月ぶり、しかもフッカーとして初めてとなる実践にも関わらず、安定したセットに豪快なプレーと、その潜在能力に疑いの余地なし。囁かれる紀昌宏待望論。「ワセダにはああいう奴が絶対に必要」…。『リーサルウェポン』・紀昌宏がついにそのベールを脱いだ。

<ついに復活を果たしたフッカー・紀昌宏>
「ボールを使わないでリハビリばかりやっていたら人間腐りますよ(笑)。焦ってもダメなんで自分との戦いでした。今日は久しぶりの試合で楽しかったです。まだ全然2,3割のデキですけど。フッカーはマルチプレーヤーへの挑戦です。フランカー、NO8、フッカー、全部できるようになりたいです。フッカーとしてのチャンスを用意してもらったので、そこで勝負しようとリハビリをしながら考えてました。ワセダ以外の相手とやるのが初めてな上に、相手がメイジだったので、最初は少しビビりましたよ(笑)。スクラムも途中からはよく組めたと思います。昨年の4年生にも最後に赤黒着ないで卒業するのは寂しいよと言われたし、リハビリしている間も色々な思いがあった。昨年は優勝したけれどその場に自分がいなくて心から喜べなかったし、本当に悔しかった。今年は心から喜べるように、少ないチャンスをものにして、最後はグラウンドにいたいですね」