4日間に渡る韓国遠征もいよいよ最終日。本日は日本に戻る機内より、高麗大と育んだ美しき思い出の数々、そしてちょこっとだけ試合のことを書かせて頂きます。
昨日、5月6日はワセダと高麗大のメンバーが、それぞれ4つのグループを作りソウル市内を観光。韓国の文化に触れる名所旧跡巡りに、グルメ、ショッピング、そして飲み会と、それはそれは素晴らしい1日でした。民族衣装に身を包んたワセダの選手を、高麗大の選手たちがカメラに納める光景は、本遠征のハイライトのひとつです。
そして、互いの友情が最高に深まったのが、夕方より行われた高麗大主催の交流会。みんなでゲームをして、コールを振って、たらふく飲む。たけのこたけのこニョッキッキ―。国境はおろか、言葉の壁すら打ち破ってしまうラグビーって、本当に素晴らしいですね。ワセダでよかったと改めて思える瞬間でした。
ラグビーのお話が出てきたところで、試合のことを再び…。たしかに人工芝等の環境には戸惑いましたが、高麗大は昨年よりだいぶ強くなってました。NO8クァンムン主将も、「日本で佐々木隆道にやられたのが悔しくて、この1年がんばってきた」と言っていましたし、監督からは「ワセダ、清宮監督は一生の恩人」という何とも嬉しい言葉を頂きました。この1年相当鍛えてきたみたいです(3月には昨年勝てなかった国内の大会で優勝)。ワセダのことも物凄く知っていましたし(つい先日入部したばかりの1年生のことまで知っていました…)、先端のラグビー理論が色々と導入されているようなので、ワセダもうかうかしてられないという感じです。しっかし、SOとFBのキック飛んでたなー。ワセダは全然飛ばなくて、敵陣でのセットがなくて、あたふたしていたのに…。高麗大の選手たち、試合後ちょっぴり満足そうでした。
ただ、ワセダもすべてが悪かったという訳ではなく、いい面も幾つかありましたので、それはみなさんの目で確かめてみてください。
最終日の朝、7:00出発にも関わらず、高麗大は部員全員でお見送りに駆けつけてくれました。本当に最高です。この友情は永遠です。『佐々木組』の『荒ぶる』は、あの韓国遠征があったから―。きっと、そう振り返れるはずです。高麗大の皆様、本当にありがとうございました。来年もアジアNO1決定戦をやりましょう!
あつーい雲に覆われていてよく分かりませんが、どうやら東京が近づいてきたようなので、この辺で。カムサハムニダ―。
以下、先日お伝えできなかった清宮監督、佐々木隆道、青木佑輔の試合後のコメントです。
<清宮監督>
「今日はレフリングと、この人工芝。そこが難しいところだった。トライを取られているところにはそれぞれ原因があるし、悪いところが見えたという感じ。それもたくさん。高麗大は昨年と比べて接点のところが強かったし、試合を通じてワセダはずっとゲームをコントロールできていなかった。春のこれからは、試合で出た課題を埋めていく部分と、目標としているものをうまくパラレルさせられるというか、そこのバランスをしっかりと考えていきたい。スタート地点よりも下の課題を克服するために、目標をゲットするための労力を費やしてしまうのはよくないことだから、そういうことが起きないように。このチームのスタートがこういった海外遠征から始まったことが、プラスの意味を持つように、これからの時間を過ごしていきたい」
<佐々木隆道>
「今日は課題ばかりが出た試合。チームがどうこうと言うよりも、僕自身もっとやるべきことが多いなという感じです。僕がしっかりしていないから、周りもフワフワしてしまうし、自分はまだみんなを引っ張れていない。今日も試合にはいい感じで入ったんですけどね…。したくない言い訳をしてしまうと、ルールの解釈の問題というか…。途中でレフリーがコミュニケーションを取ることすら辞めたのが痛かったです。前半は攻めてくる相手に対して、何もできませんでしたから。ただ、後半は継続しようという意識がしっかりと出て、何本かいいトライをすることができた。それがこの試合の唯一の救いです。みんなに1番求めていたハートの部分は、僕が気持ち、プライドを持ってやろうと言っていたのに、自分が1番できていなかったです…。周りにどうこう言えません…。今日の試合はだいぶ難しいものだったし、いつもと違う環境からスタートするのは好ましくないかもしれないけれど、これをプラスにしていきたい。まだ冷静に見れない、よく分からない状態ですが、今は自分自身に対して残念な気持ちしかないです。スタートとしてはチーム30点。自分は5点、いや2点くらいです…。自分たちはこんなんなんだと分かったのが1番の収穫。これからみんなの信頼を得られるようにしっかりとやっていきたいです」
<青木佑輔>
「今日は落ち着こう、落ち着こうと言い聞かせていたんですけど…。いつもにはないような環境にイライラしてしまった。もっと周りに言っていかなくてはいけなかったのに、自分もイライラしてしまった。どこに行ってもワセダはワセダだって隆道も言っていたのに。こんなところで足踏みする訳にはいかないですし、初戦はもっとスカッといきたかったです。今日は絶対に負けるなと言っていた1対1で相手にやられてしまったし、要所要所で自分たちの課題が分かった試合。それぞれがターゲットを達成できていませんでした。もっと拘って、強くならないとダメなんだなと。どこよりもひたむきに、ワセダらしく。今年はそういうチームですから。今日の試合を次へのいいステップにしていければと思います。また上井草に帰ってから出直しです」