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2024
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対立教大 対抗戦30連勝 赤黒よ、大志を抱け!


 Boys, be ambitious! 赤黒よ、大志を抱け―。9月25日、対抗戦がいよいよ開幕。5年連続全勝優勝、選手権連覇、打倒・トップリーグ…。新たな歴史の創造へ、『佐々木組』が「北の大地」で、その第一歩を踏み出した。
 「シーズンを戦い抜くには25人メンバーが必要になる。自分のよさを思い切りだしてこい」(清宮監督)。この日のワセダは、夏合宿から常にトップで走り続けてきたリカバリーメンバー、ケンブリッジ戦でのケガ人を除く「チャレンジングチーム」。巡って来たチャンスを物にする―。続いて試合に出ることの意味を考える―。それぞれが課題を持っての戦いには、大きな意味が込められていた。
 まず結果を出したのが、1,2年生が6人の若さ溢れる『フューチャーワセダ』FW。開始3分、ゴール前での強烈なスクラムプッシュで相手のペナルティーを誘うと(そこからのハリーでWTB若野祥大がファーストトライ!)、その後もスクラムを意のままにコントロール。相手がさほど関心を示してこなかったモールでも圧倒的に押し続け、試合の趨勢をあっさりと決定づけた。
 しかし肝心のBK陣は、トライシチュエーションでのミス、稚拙なラインコントロール、ふわふわしたディフェンスと完全に不発。CTB、FBがビッグゲインを見せるも後が続かず、トライより課題ばかりを積み上げ続けた。頭をよぎるラグビー界の格言。「勝負はFW。点差はBK」―。「とにかく反省だらけです…」(CTB池上真介)。
 そんなミス連発の「冷たい空気」が漂うなか、ただひとり輝きを放ったのが、北の大地初見参の『キング』・曽我部佳憲。「やっと自分からスピードを出してプレーできるようになってきた」と清宮監督も評したように、躍動感(遊び心もちょっと?)溢れる動きから、速く精確なピンポイントパスを次々と配球。出場するや否や、およそ10分間得点のなかったチームにトライ(20分)を呼び込んだばかりでなく、29分にはあの頃のように自らインゴールを陥れ、ゲームの様相を一変させた。やっぱりここでもあの格言。「勝負はFW。点差はBK」―
 この『キング』の軽快なダンスで、それまでの閉塞感からひとしきりスコアを整えると、最後には今日イチ・「ノールックふたり飛ばし」の離れ業で華麗にフィニッシュ(最後は『怪物』五郎丸が豪快にトライ!)。「あとは頭だけだね」と清宮監督も絶賛?の動きで、「チャレンジングメンバー」として結果を出した。『佐々木組』連覇のカギは、『キング』の頭???
 「まだ優勝するレベルではない…」。主将・佐々木隆道は試合後、憮然とした表情でそう語ったものの、百戦錬磨の指揮官にしてみれば、この課題続出の内容も想定の範囲内。「スタートとしてはこんなもん。多少の犠牲を払ってもトップリーグに自分たちの力を測りにいく」(清宮監督)。見据えるものはもっと先。今、必要なのは激しく熱い部内でのサバイバル。勝負はこれから。Boys, be ambitious! 赤黒よ、大志を抱け。『佐々木組』、伝説へのチャレンジが、ついに始まる―


<想定の範囲内 『佐々木組』の船出を淡々と振り返る清宮監督>
「今日はスタートとしては、まぁよかったと思う。ターンオーバーもたくさんできたし、そういう意味ではターゲットとしていた部分は果たせた。シーズンを戦う上では25人くらいのメンバーが必要だけど、今日出たメンバーはそれに対して問題のないレベルだし、1年生もみんなそれなりにチームにフィットしてきている。いくつかのポジションはまだ競争させながらやっていこうと思っている。曽我部もやっと自分からスピードを出してプレーできるようになってきた。出た4,5試合の中で今日が1番動けていたんじゃないかな。プレーのイメージはだいぶ自分(清宮さんのです)の描いているものに近づいてきたけれど、頭がまだちょっと足りないね(笑)。そこが1番の問題(笑)。今日はディフェンスで何本かゲインされる場面があったけど、ビデオを見てちょっとチェックしないといけないかな。トップリーグとの練習・試合(10月10日、東芝Bとの練習試合が決定!その後も10月13日に東芝、19日にサントリーとの合同練習を予定!※9月28日もサントリーへ※)では、自分たちの力を測りにいく。激しさの部分が1番。対抗戦で多少の犠牲を払ってでもいく。シーズンのスタートしては、まぁこんなもんでしょう」


<同じことの繰り返しに不満気な表情を浮かべる主将・佐々木隆道>
「試合終わってからの円陣(長かったです…)、あれはお説教です。試合の流れを変えるようなプレーを何回も何回もやっていたので、そのことを話しました。キックオフ、トライシチュエーションでの簡単なミス、意図のないアタック、とられた後のディフェンス…。横で見ていてめちゃくちゃイライラしました。まだまだ優勝するレベルではないですね…。この結果を素直に受け止めて、次の試合では3ケタとれるように。それくらいの完璧なアタックをしたいです。今日1番足りなかったのは低いプレー。何人かしか下に入っている奴がいなかった。腰高で受けている。そういう奴ではないのに。今村でもジャガーでもない。みんなもっとひたむきにやらないと。今日で対抗戦も開幕して、トップリーグとの練習、試合も始まるけれど、とにかく僕は自分に与えられたことをしていくだけ。自分のコンディション、まあまあいいですよ」

<ミスの多さを反省 日々の成長を誓うCTB池上真介>
「先週はきれいに外に回すことを考え過ぎて自分のプレーができなかったし、清宮さんにも自分のいいところを出せと言われていたので、今日は持ち味であるタテ、難しいことを考えずにできることをしようと思っていた。突破という点ではいいところが出せたかなと。ただ、僕も含めて細かいミス、簡単なミスをして取り切れないとことがたくさんあったり、そこから失点してしまったり、日頃からやろうとしていることができていない…。それが今日の試合に表われた。ディフェンスに関しては相手が外に回してくるのは分かっていたけれど、変にアップしてしまったり、焦ってディフェンスしてしまった。いつもみたいに流せばいいようなところでも、ケンブリッジのときのイメージで前に前にいってしまったりと、相手に合わせてではなくて、自分たちで勝手にディフェンスしてしまっていた…。ノックオンもしてしまったし、反省することだらけです。シーズンは長いけれど、試合数は少ない。どんな練習よりも試合から得るものの方が大きいと思うので、今年はとにかく試合に出て、自分自身を成長させていきたい。最後まで試合に出続けて、最後にはもちろん国立。2年前の借りだけは絶対に返さないといけないですから」


<初Aチームにも臆することなく自分を出したフッカー臼井陽亮>
「今日はいつも出ている青木さんに負けないくらい走ること、セットを安定させることを考えてました。ラインアウトに関してはサインミスもあって、実力の半分も出せずに不本意でしたけど、スクラムは相手を圧倒できてよかったと思います。清宮さんから言われていたのは、青木さん、種本さんではなくて自分にしかできないBKラインに入ってのタテのプレー。それも結構出せていたと思うけれど、取らないといけない場面で取りきれない場面もあったので、そこは反省です。FWがリムーブして、しっかり穴を埋めるというところは、前半はうまくできていなかったけれど、後半はしっかり修正できていたようにお思います。チームとしてはちょっとミスが多かった。もっと取らないといけなかったし、今日の内容では圧倒したとは言えないです。今年はどんどん青木さん、種本さんにプレッシャーを懸けます。常に積極的にボールをもらって、タックルされても倒れずにラインブレーク(現在97キロ!春から10キロ増!)。ふたりにはない自分の強みを出して勝負していきたいです」

<対抗戦デビューを強烈なスクラムプッシュで飾ったプロップ瀧澤直>
「今日はとにかくスクラムでいい球を出す、ターンオーバーするということを考えて試合に臨みました。そうすればBKが勝ってくれるだろうと。スクラムは押せていたけれど、あれは当たり前。もっとターンオーバーしなくてはいけなかった。押していてもマイボールにできなければ意味がない。あれだけ押せたら取りきらないと…。前田さんだったらターンオーバーしてたでしょうし。まだまだ自分は甘いです。今日は公式戦だということを思うと、緊張というより、やらなきゃという責任を感じました。自分が赤黒の1番を着るということは、他に着られなかった人がいるということ。その人の分も、恥ずかしいプレーはできないなと。今日はトライを取られたことと、ゴール前でミスしたことの2つに尽きる。まだまだ反省しなくてはいけないことだらけです。1番だから仕事をしなくていいということはもちろんなくて、夏には清宮さんにもこれとこれって課題を与えられました。それを意識して取り組んできたことで、分析の結果も少しずつよくなってきていますし、上でやらせてもらっている分、自分の中での経験値も増えてきている。でも、まだまだ足りないことがたくさんあるのでガムシャラにやっていきたいです。とにかく上を見て、前田さんの代役ではなくて自分の実力で勝ち取れるように。(アップに向かう前のロッカーではルービックキューブをいとも簡単に制覇!すごかったです…)ルービックキューブ?ああいうの結構得意なんです(笑)」

<札幌でも五郎丸大フィーバー! 待ち時間は万博並み?>