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対明大 これぞ『紅蓮』!対抗戦5年連続全勝優勝!


 「今日はいつもよりリラックスできていたんですよね、何故か。これだけやってきたんだから絶対に負けないだろうって。ビッグゲームだからといって、バカみたく熱くなることもなく、冷静に…」(主将・佐々木隆道)。2005年12月4日。そのシーズン、その瞬間にしか訪れない、自分たちの代の『早明戦』。一体感が命の『佐々木組』は、「らしさ」を存分に発揮し、ライバル・明治を圧倒した。心は熱く、頭はクールに―その戦いぶりはまさに、佐々木隆道の代名詞・『紅蓮』そのものだった。「毎年毎年、その年の早明戦がある。今日は自分たちがやりたいと思っていたいい早明戦だった」(清宮監督)。
 赤黒と紫紺によるバトル2005は、雨の中での戦い。最後の舞台となる4年生の脳裏には、あの日の記憶が甦っていた。2002年12月1日、『山下組』、『雨の早明戦』、24-0、76年ぶりの完封。「あのときも雨で、みんなタックルしまくって0点。今日はプレーしながらそのときのことを思い出しました…」(副将・青木佑輔)。タックルに次ぐタックル、冷たい雨を吹き飛ばす熱気、インゴールを背負っての高度な集中。あれから3年、山下大悟の背中を追いかけ、必死にしがみついてきた佐々木隆道、青木佑輔がチームの中心となった今シーズン、奇しくもあのときの光景が再現された。佐々木隆道は主将就任時、こう話したことがある。「僕の中でワセダのキャプテンと言ったら、大悟さんなんです。あの人は僕の中でものすごく大きな存在。ああいうキャプテンになりたいんです」…。4年生の姿を見て、下級生が成長するのがワセダの伝統。 あのときの1年生、『佐々木組』が記したスコア・ノートライでの40-3はある意味必然だったかもしれない。
 そして、そんな『佐々木組』の色が存分に出た泥臭く、粘りのあるラグビーに、プラスαの力を加えたのが、才気溢れる下級生たち。『怪物』五郎丸歩の安定したフィールディング&スーパーカウンター(これで相手のハイパンを封印…)、『ヨコヅナ』畠山健介の超強力プッシュ(前田、青木とともに、相手を見事なまでにみこしてました…)、そして『スーパールーキー』豊田将万の攻守に渡る抜群のゲーム勘(いて欲しいところに必ず…)。中でも「コンタクトをメチャクチャ意識して臨んだ」と言う豊田のパフォーマンスは秀逸の一言。「ゲームを動かしていたのは豊田」と首脳陣の誰もが賞賛の働きで(ちなみに最初のゲームブレーカーはCTB池上真介。スクラムターンオーバーから文字通りのビッグゲイン!)、『佐々木組』にこの上なく大事な『早明戦』勝利を呼び込んだ。
 「今日1番よかったのは、下級生のみんなが4年生の分もと、その想いをくんで試合に臨んでくれたこと。1,2,3年生がワセダらしさを体現してくれた」(主務・勝田譲)と言うように、4年生がこれまで築き上げてきた土台に下級生がしっかりと花を咲かせ、第81回『早明戦』に完全勝利。「このチームは早慶戦、早明戦と、すごくいい経験をしている…」(清宮監督)。史上初、対抗戦5年連続全勝優勝を成し遂げ、ここからついに大学選手権へと突入。「もう負けたら終わり。1試合1試合課題をクリアにして『ULTIMATE』し続ける。それだけ。チーム一丸、僕についてくれば問題ないと言ってやっていきます」(主将・佐々木隆道)。早明戦での「らしさ」全開に掴んだ確かな手応え。見据えるものは勝利の部歌・『荒ぶる』ただひとつ。監督・清宮克幸、主将・佐々木隆道、部員数144。2005年『佐々木組』は、栄光へと突き進む―


<対抗戦5連覇! チームの成長に手応えを感じる清宮監督>

「『佐々木組』の早明戦は今日しかない。毎年毎年、その年の早明戦がある。今日は自分たちがやりたいと思っていたいい早明戦だったと思う。最後の5分を守りきった、ノートライに抑えられたのが1番。スクラムトライできなくて心残り?、全然そんなことはないよ(笑)。あれだけプレッシャー懸けられたら十分でしょ。キック蹴ったら前にもいけたし。ブレイクダウンがよかったかと言われれば、それは試合の中の一部分だったいう感じかな。それよりもボールをもっているときに、切れずに動けていたことが大きかった。ラインアウトもスクラムも、今日は会心の部類。ラインアウトに関しては、いつもどおりの練習をしただけ。昨年はラインアウトを取られていたので、今年はそこを取りにいこうと。今日の試合はそこがひとつのターゲットだった。相手ボールでチャンスがあったら取りにいけと。そこを取れれば自分たちのやりたいような早明戦になるぞと。今後に向けての課題は、今日の試合からと言うと見当たらない。ワセダは自分たちのチーム作りに努力して得た結果が、全勝での対抗戦5連覇。ただそれは相手があってのこと。問題はそちらかなと。お互いに高いレベルの中で達成した記録ならば、やった!歴史に名を残す名監督だ!と思うけれど、年々観客の減る早明戦では困る。明治は4年間同じことを繰り返しているように思う…。まぁこれ以上はやめときましょう。ワセダは1年1年の積み重ねがあってここまできた。選手たちは毎年毎年、前の年よりも強いチームを作ろう、今年であれば2004年より強いチームにと、そういった積み上げができている。その結果が対抗戦の5連覇につながった。こういう形のチームを作ると、こういうリーダーが生まれてくる。出てくるべくして出てきているなと。そういう意味でも5年間の積み重ね。そこを見て頂きたいです。今年は清宮ワセダではなく、『佐々木組』ですから(笑)。今日は奥さんにもいい早明戦を見せられたと思う。奥さんの遺志、ワセダとして伝えていかなくてはいけないもの、残していかなくてはいけないものがある。大学選手権、この先の1ヶ月をどう過ごすかについては、まだ考えていない。考えていないと言うか…、この間も話したと思うけれど、15人でそつなくムダなく攻める、守れる、そういうところだろうね。早慶戦、早明戦と、このチームはすごくいい経験をしている。それはAだけではなく、下のチームも。上のチームが、仲間から何してんだよってプレーしてたら終わりだからね。そういうところを気をつければ、問題ないかなと。これからも佐々木についていくように、学生には指導します(笑)」


<強い絆で見事に自分たちの早明戦を作り上げた主将・佐々木隆道>

「今日も最後まで笑顔でやれた。みんなが出られない4年生の分もという思いを持って戦えた。それはワセダとして1番大きなもの。色々な思いを持って試合に臨んで、これだけの結果が出せて今日は幸せでした。色々な思いというのは、曽我部がケガから復帰して初めての早明戦だったとか…、ひとりひとりがいいものを持って試合に臨めた。試合の内容に関して言うと、もうちょっとボールを動かしたかったなと。最初の20分は想定していたとおり。そんなにポンポン取れないと思っていたし、当たり前だと。試合後泣いている曽我部に声を?まぁ色々とあったんでしょうあいつも(笑)。よくがんばったなって。でもこんなところで終わる奴じゃない。ここで泣いていたらダメでしょ(笑)。今日も話していたように全員で勝つことができた。してやったりです。昨日Cチームが不甲斐ない、見てて歯がゆい試合をしていて、お前ら明日見とけよと言った以上はね。ワセダは近場をこうやって止めるんだって分かったんじゃないかと思います。ターンオー場もあったし、ブレイクダウンもよかった。今日はいつもよりリラックスして試合に臨むことができたんですよ、何故か。これだけやってきたんだから絶対に負けないだろうって。ビッグゲームだからといって、バカみたく熱くなることもなく、冷静に。まさに紅蓮な感じで(笑)。そこがよかったんだと思う。今日は奥さんにもいい早明戦を見せることができたかなと。奥さんの遺志、ワセダとして大切にしていかなくてはいけないもの(この日も円陣を組んだ際、黙祷を捧げ試合に臨みました)は後輩たちにも伝えていきたいし、この先の早明戦でも続けていって欲しい。今日でこのチームはまた一皮剥けたと思う。最後の苦しいところで、いつもだったら取られていたけれど、そこを止められた。あれを防いだのは大きい。今日は完勝です。スクラムトライはやるべきところがなかった。強いていえば2本目のトライのところ。みんな敵陣深くのスクラムの度に、スクラムトライ、スクラムトライ言ってて、こいつらどんだけしたいんだって(笑)。まだ距離あるのに。そこは僕が必死になだめて(笑)、違う形を選択しました。ずっと言い続けているディフェンスで勝つチーム、だんだんとそんな形になってきましたね。今日は個人としてもチャンスメークできてよかったかなと。昨日ミサンガ(青木の手作りです)が切れたのはいいタイミング?、あれは4年の団結の証なので、ないと困るんですけどね(笑)。次からは負けたらそこで終わり。1試合1試合課題をクリアにして『ULTIMATE』し続ける。それだけです。チーム一丸となって、僕についてくれば問題ないと言ってやっていく。そして絶対に『荒ぶる』を歌います。応援に来てくださった早大生のみなさん、今日はゴール裏の席も埋まっていて、自分たちはワセダの学生に応援してもらっているんだと感じることができました。今日で僕も改めてワセダという大学に入ってよかったと思えたので、また来て頂いて、スタジアムをワセダのホームにしてください。そしてみんなで覚えて、一緒に『荒ぶる』を歌いましょう。早大生のみなさん、これからはラグビーの時代ですよ!今日も本当に楽しめました」


<スクラム圧倒! 4年間の思いを存分にぶつけた副将・青木佑輔>
「今日は4年のフロントみんなにスクラムトライしてくると約束していたので、そこが心残りです。約束は守らないと…。早明戦は小さい頃からの憧れ。1年早明を同期のみんなと戦って、圧勝して、そこからずっと負けなしで来られたのも、出られない4年生の思い、意地というものがあったからだと思います。今日も相手をノートライに抑えることができて、『佐々木組』のよさを出せた。とにかく1番大きかったのはディフェンス。自分が1年生のときも雨で、みんなタックルしまくって完封。今日はプレーしながらそのときのことを思い出しました。アタックでもガンガン縦をつけていたし、ラインアウトも1本サインミスがあったけれど、いいデキだった。今日は気持ちいい。4年間で1番の早明戦です。選手権に向けては、無駄なペナルティーをなくして、これからもまだまだチームとして成長していきたい。そのためには自分がやらなくてはいけないことは、まずセットの安定。今日は自分たちの代のいい早明戦でした」


<初めての早明戦! 感謝の思いを胸に80分間戦い続けたWTB勝田譲>

「今日の試合は…んー、ノートライに抑えられたのがよかった。ただひとつのミスからゴール前に釘付けにされてしまったし、個人的にも外でのブレイクダウンでしっかりとボールを出せていれば、ピンチにはならなかった。そこは反省です。今日1番よかったのは、下級生のみんなが4年生の分もと、その思いをくんで試合に臨んでくれたこと。そして自分が試合に出ることができたのは、高橋、マネジャー、トレーナー、みんなの支えがあってこそ。本当に感謝しています。今日は出られない4年生のものすごい熱い想いを感じていながら、その一方で冷静で、ワセダらしかったなと。いい早明戦でした。前半の早い時間帯に関しては、ブレイクダウンの球出しが悪かったし、ペナルティーも多く、2人目の寄りも遅かった。菅野のトライもFWの球出しがよくて生まれたものだし、前半なかなかスコアできなかったのは、その辺が要因。ディフェンスに関しては取られる気はしなかった。今日は4年生としていい早明戦を戦えた。出た22人は出られなかった奴の分も拘って、気持ちを汲んで、存分に楽しめた。ワセダらしさというものを、下級生が出してくれた。選手権に向けては、ひとつひとつのプレーの精度を高めて、意思統一の部分を詰めていくことが大事。もっとコミュニケーションを取って、ミスに厳しく。自分たちはどういうラグビーをしていくのかしっかりとしたものを持ってやっていきたい」


<涙の完全復活!ついに早明戦の舞台に舞い降りた『キング』曽我部佳憲>

「今日は両親、おばあちゃん、おばさんも来てくれた中で、元気な姿を見せられてホッとしました。試合後の涙はホッとしたというか…、恥ずかしいというか…。隆道さんには泣くなって言われてしまいました(笑)。今日はとにかく感謝(寄せ書きにも感謝の文字)。それに尽きます。望月さん、関谷さん、池田さん、砂川さん、斉藤さん、トレーナーのみんなにありがとうと言いたいです。初めての早明戦、存分に楽しむことができました。内容としても、雨の割にFWもBKもボールを動かせていてよかったなと。前が見えていたか?、まぁボチボチ。外からのコールで動いているだけでは、まだまだです。初めての早明戦の印象は、お客さん多いなぁって。すごくやりがいがありました。そういう余裕はあったんですけどね(笑)。それは今日の朝、ミッチーとふたりで井草八幡にお参りに行ったのがよかったのかなと。この日を迎えられたことへの感謝、ありがとうございます、これからもケガしないようにって。それでリラックスすることができた。おみくじも大吉でしたし(笑)。ミッチーは吉。まぁそれも悪くないねって(笑)。今日はとにかく最後のディフェンスが大きい。ただ、自分のディフェンスはまだまだ全然ですけど。今日も相手に、あいつ弱っ!って言われてしまいましたから。次からはそんなこと言われんように。やっぱり勝った上で反省して、修正していけるのはすごくいいこと。またビデオをしっかりと見て、いいチームになって、いい結果で終わりたいです。4年生の分もがんばれたかは、んー、4年生に聞いてください(笑)」


<存在感抜群! この日もスーパープレーを連発したFB五郎丸歩>

「今日はそんなにいいプレーができたとは思わないです。前半はミスばかりでしたし…。昨年はとにかくガムシャラやっただけでしたけど、今年は楽しむことができた。カウンターからのリターン、清宮さんから言われていたキック処理はよかったかなと。前半は明治も集中していいディフェンスしていたし、そこでワセダがいつものプレーをすることができなかった。雨の日の戦い方もしっかりしないといけない。今日みたいにFWばかりに頼ってしまうと、これからはしんどい。そこは修正する必要がある。ケガ人も帰ってきて数試合、だんだんとチームもひとつになってきているけれど、ワセダはもっといいチームになれる。まだゲームの中でプランをしっかり立てられていない。相手に対応したいいトライというのは余りないし、臨機の判断で流れを作っていくところはまだまだ。個人としては後ろからのコールと、HB団とのコミュニケーション。ケガをせずに、もっともっと確実なプレーをしてチームを引っ張っていきたい。今日は早明戦の雰囲気を楽しむことができました」


<戦慄の早明戦デビュー!溢れるセンスでチームを勝利に導いた豊田将万>

「今日はムチャクチャ楽しかったです。観客がこれほど多い中プレーするのは初めてで楽しかったし、ワセダに来てよかったなと改めて思いました。早慶戦はいい形で勝ちましたけど、自分はイマイチだったので、今日は絶対に自分を変えよう、やってやろうと思ってました。ボールを持ったら絶対前にでてやろうって。個人的には意識していたコンタクトのところでいいプレーができたと思いますけど、全体のデキとしたら70点もらえたらいい方かなと。まだセオリーが守れていないし、取るべきところで取れていない。そこは課題です。前半は想定の範囲内。ああいう展開になるだろうと思っていたし、我慢して、相手がバテたときに走って、しっかり点数を取ることができた。今日は4年生の想いというのをものすごく感じました。みんな試合前に声を掛けてくれたし、ギリギリで出られなかった孝成さん、和也さんにがんばれって言われたことはすごく励みになった。4年生の分もって。そして相手ボールをたくさん取れたのは、星野さん、百合さんが中心となって研究して、Bチームのみんなが明治と同じ動きを練習で再現してくれたから。今日は練習と同じようにできた。大学選手権は自分にとって未知の領域。今日のデキを忘れないようにしつつ、日々もっともっと成長していきたいです。1年目からこんなに楽しくていいのかというくらい今日は楽しかったです」

<スクラム粉砕に歴代フロントも大満足?>