今週Jr選手権は小休止。されど、強化には一寸の空白も存在しない。さらにはメイングラウンドも養生中(21日だけ開放し、その後30日までを養生期間に)…。ということで、前日のファーストチームに続き、この日はセカンドチームがアウェーへ遠征。5連覇への立て直し、チームのテコ入れのため、『レジェンド』・あの小山コーチの古巣・重工相模原と対戦した。
あっちでも「仕留め」、こっちでも「仕留め」。あと一歩で取りきれない―。試合後、誰もが反省したように、この日起きていたのも、前日のファーストチームとほぼ同じ現象(細部はかなり?異なりますが)だった。開始早々から幾度となくゴール前に迫るものの、判断ミス、フォローの遅れ、ブレイクダウンの精度の低さ等々で、ことごとくトライチャンスを喪失。Aチーム同様、「常にボールを保持し続ける」という、昨年に近い、「強いときのワセダ」の形には持ち込めたものの、得点を伸ばすには至らなかった。「裏に出たときの追い上げが足りなかったです…」(フランカー有田幸平)。仕留めの精度はともかく(現状での問題点?)、裏に出たときうんぬんの話は、先代から続くワセダ永遠の課題か。
取れそうで取れない。漂ういや~ぁな空気…。そんなもどかしい展開のなか、輝きを放ち、チームに勢いをもたらしたのが、ついにシニアに上がってきた『古庄史和の秘蔵っ子』・CTB大島佐利。本当にこの試合が初めてなのか、理屈抜きで存在感抜群。簡単には倒れない人への強さ。ほれぼれするスピード。驚くほど?器用なパススキル。さらには、狙ってスピードを変えられるディフェンス能力は特筆もの(これできる選手はなかなかいないものです…)。「自分に求められているプレーは何なのかというところを、表現することができませんでした…」。本人はそう謙遜したものの、「今村バリ」の突破(31分、ディフェンスを外し重苦しい雰囲気を一掃!)でトライラッシュの堰を切るなど、ゲームの中心にいたのは間違いなく大島だった。「練習で対面が今村さんだったり、五郎丸さんだったり、お手本になる人たちと一緒にできて、毎日が楽しいです」(大島)。ジャパン級と日頃からやり合っていけば、絶対に大きな成長を遂げるであろう。近い将来ワセダのエースに。この日グッドパス連発で、もうひとり輝いたSO村田賢史と合わせて思うこと。若くて、ポテンシャルがある。これってメチャクチャ素晴らしい―。
前半の30分間こそ停滞したものの、後半は3~4年前までを彷彿とさせる『継続』地獄でトライを重ね、終わってみれば46-15と大勝。「全体で言えば、いいゲーム」(中竹監督)。時間の経過とともに引き離す、ある意味では理想的な展開で、Jr選手権へ弾みをつけた。次週10月21日は、いよいよ今シーズン初対決の東海大戦。あんな思いは一度で十分。仕留めろ、ワセダ。5連覇へ向け、もう負けは許されない―
<攻守に前へ! インパクトあるプレーでチームを引っ張った有田幸平>
「序盤は明治戦と同じような感じで、ペナルティが多くてリズムが出なかった。今日はハリーで行く意識はあったけれど、そこでのミスが多かった。前半からチャンスはたくさんあったんですけど…。裏に出てからの追い上げが足りなかったですし、個人的にもそこのピックゴーでミスしてしまってダメでした。ただ、後半はFWが前に出て、BKもボールを動かして、よかったと思います。ハーフタイムにもうひとつ外が空いてるからそこを突けと言われたとおりにできましたし。フォローが遅れたときも、にくさん(鈴木)がいい持ち出しをしてくれたり、いい判断でいい流れを作ることができたかなと。相手は大きかったですけど、サイドはそんなに怖くなかった。課題はラックで超えるべきところでの意思統一。そこでの意思統一ができてなくて、1人目は超えているのに、2人目が寝てしまって、ペナルティを取られてしまったり。相手がスイープを被せてきていたんですけど、そこをもっとめくりたかったです。ディフェンスは前にでも出られてましたし、よかったと思います。あとは仕留めのところ。もっと人数で勝ってる局面でアップして、仕留めまでいきたかったですね。先週の明治戦は僕のせいで負けたので、今日はやってやろうと思ってました。いいイメージでやれた部分もあったので、もうひとつ上を目指して、自分の足りないところを補って、持ち味をもっと伸ばして、チームに貢献していきたいです」
<抜群のポテンシャル! 初シニアとは思えぬ存在感のCTB大島佐利>
「今日は自分の持ち味を出しきることができませんでした。ハーフタイムに東条さんにも言われたんですけど、シニアに上がって、自分に求められているプレーは何なのかというところを、表現することができませんでした。もっと思い切りよく、どんどんボールをもらって前に出たかったです。内の人へのコールが足りなくて、ボールをもらえないところもありましたし、もっといけたと思います。ディフェンスでは狙えてるところもあったんですけど、仕留めきるところまでいけなかったのが反省です。タックルには入れても、ターンオーバーするところまではいかない。ここはしっかりと仕留められるようになりたいです。今週初めてのシニアでしたけど、対面が今村さんだったり、五郎丸さんだったり、お手本になる人たちと一緒にできて、毎日楽しいです。まだコンタクトについていけない部分もありますけど、そこは早く慣れるように。継続してシニアにいて、上にも通用するコンタクト力をつけていきたいです。チームとしては、前半なかなかテンポを出すことができませんでした。仕留めのところでのラックの球出しが全員悪かった。そこはもっと詰めていかないといけないですし、全員がそれを意識できれば、もっともっといいトライが取れると思います。古庄先生にメッセージですか?、あー(笑)、遅くなって心配をお掛けしましたけど、やっとシニアに上がることができました。これからもがんばります。まずはジュニア選手権に出ることが目標です」