求む、本気で戦える責任ある奴―。10-43、記録的大敗。次代を担う『権丈組』セカンドチームは、聖地・上井草で、あってはならぬ醜態をさらしてしまった。もう二度と…、あれほど固く誓い合ったにも関わらず―
寓の音の出ないほどの大敗にも、スタートは快調だった。SO山中亮平がテンポよくボールを動かし、ひたすら継続。ボールを保持しているのはワセダ、攻め込んでいるのもワセダ、しかし、ミスするのもワセダ…。気持ちの入ったアタックで、先週とは違うところを見せはしたものの、如何せんペネトレーター、裏に出られる選手に欠き、メイジのディフェンスを崩しきるに至らなかった。
そして、20分ふとしたスキのディフェンスミスに続いて、25分ノックオンから90メートルを切り返される(ディフェンスが中途半端…)と完全にプッツン。その後はスクラムを押されていないにも関わらず、無責任プレーのオンパレードで、メイジにいいようにあしらわれ、いとも簡単に上井草ジャックを許した。アタックで裏に出るのもメイジ、ディフェンスで首尾よく前に出るのもメイジ、接点で激しくファイトするのもメイジ。「もっと根本的なところを変えていかないと…」(ゲームキャプテン・大野雄也)。さらには勤勉さでまで著しく相手に劣り(明治は相当に鍛えられてる?)、勝てる要素は何一つとしてなかった。
この屈辱以外、何物でもない敗戦を招いたものはいったい何か。試合に臨む気持ちには確固たるものがあった。かと言って、100%技術で済ませられるお話でもない。1番はラグビーに対する姿勢の問題。「お前らこれでいいとや!」「もう1本いけ!」。毎日Aからなじられ続けるBチーム。果たして本気で上を目指してるか、本気でAに対抗してるか。この日もラックでガンガンちょっかいを出してくる相手に対し、大人しいまま。ディフェンスもいかれっぱなし。ペナルティなどさせないくらいガツガツ、1人が1人を止める責任とプライド。この日もワクワクさせてくれたのは、ルーキーの中濱寛造(必ず前に持ってく男!)、有田隆平(ついにシニアデビュー!転向僅か3週間でスクラムを押されなかったのは素敵…)ら若手ばかり。上級生、存在が消えたままでいいはずがない。チームを締めるリーダーは誰? このままでは下級生ばかりで、未来だけを見た方が…なんてことになりかねない。強いときには、いつでもAに取って変わろうというギラギラした奴らがわんさかいた。Aもそのプレッシャーで強くなれた。このままズルズル崩れていくのか、本当にここで変わるのか。今こそ4年。その答えは、週明けにグラウンドで―
<あまりの不甲斐なさに出直しを誓うゲームキャプテン大野雄也>
「もう、落ちるところまで落ちました…。Bチームが2連続で負けるのはあってはならないこと。普段からAと練習していても、決定的に違うのは意識のところ。Bにはチャレンジする気持ちが足りない。もっと根本的なところを変えていかないといけないです。練習のときからミスへの反応、攻守の切り替えが遅くて、今日はそれが顕著に出た。動き出しも遅いし、ミスしたときの反応ひとつで展開は全然違ってくる。僕らも模索しているというか…、4年はプレーでも引っ張らないといけないんですけど、まずは気持ちを見せないとダメです。たしかに人数は少ないですけど、全然声が出せていないし、もっともっと引っ張らないといけない。3年の奥野や(岸本)大路が引っ張ろうとしてくれてますけど、まずその前に4年が見せる。これはBだけでなく、C、D、すべての問題です。それが今のワセダに欠けているところ。もうこの瞬間から、意識を変えてやっていきます」
<数少ない?希望の星・この日もひとり気を吐いた中濱寛造>